神様、サタンへサービス
ルシエラの説明だけでも結構話したな。
「んじゃ、次はサタンの寿命について話そうか」
そこで2人して「待った/待って」と言われたので待つと、お茶を飲み干す2人。一息ついた所を見てから話す。
「サタンの寿命が0なのは…今の話を聞いていたならサタンくらいだと何となく察してるんじゃねぇのか?」
サタンがうーんと唸ってから、
「オレも聖霊に近付いたからー?」
疑問形で応えるサタン。まぁ、実感無いわな。
「まぁ、当たりだな。そんな感覚はないだろうがそういう事」
そこでサタンがハッとする。
「ロキー?オレの寿命0じゃん?いつ死ぬのさー?」
それは俺も考えた事あるけど、ルシエラで試したくないから踏み入ってないんだよな。
「さぁ?それは俺にも分かんねぇんだよ」
サタンは膨れて、
「何だよそれー?オレの寿命分かんないの怖いんだけどー?」
だって分からないモノは分からない。ルシエラを失いたくないから試したくもない。サタンで試すか?いや、やめておこう。
サタンが何か思い出したかの様にうっとりした顔をしている。ロキは溜息混じりに、
「おい、サタン。きめぇぞ?」
と言うとハッとしたサタン。
「だってあの時、ロキが実験か何かで女の子になったのかと思って話しかけてたら、バックヤードからロキが出てきたんだよー?あの時の幸せ空間撮りたい」
くねくねしてる。うぜぇ。
「俺らの分のポラ代も出してくれるなら撮っても良いぜ?」
「え?マジで?最高画質呼ぶよ?!」
何だよ最高画質呼ぶよって。そそくさと携帯取り出してんじゃねぇよ。
「俺ん所何屋さんなんだよ」
溜息が出る。それを横目にサタンが携帯で何か話しているとルシエラが会話を聞いて話しかけてきた。
「この御方…私に初めて逢った時、開口一番に「ロキ!女の子になったの!!」ですよ?あほなのですか?」
呆れ顔のルシエラ。
「あー?違う違う。こいつ両方になれるんだわ。だから普通に俺とルシエラを間違えたんだろ」
「あほなんですね。死神の目使えば一目で分かるでしょう?」
あぁ、そういえばそうだな。常時発動型じゃないのかアトリエに俺しか居ないと思って気が緩んでたのか…
「ルシエラは賢いな」
ルシエラ頭を撫でてやる。ルシエラはご機嫌の様だ。サタンが携帯を閉じると残念そうに此方を見る。
「ロキー…写真屋さん来れないって…どうしよう」
知るか。半泣きで縋り付いてくるサタン…うぜぇ。
「そんなに俺らと撮りたいのかよ」
溜息を吐くロキ。
「それは勿論!」
力強く言うサタン。てか、何でそんなに写真なんて欲しいんだ?写真集あるだろ?サタンの事だから絶対持ってる筈。
「どうしても欲しい~」
駄々っ子かてめぇは!呆れるロキ。それを見ていたアテナが会話を聞いて鞄からガラケーを取り出す。
「あなた達何言ってるの?携帯で良いじゃない?寄ってー」
「え…いきなり?」
と急に挙動不審になり始めるサタン。
「行くわよー?」
アテナは気にせずシャッターを押そうとしているので、俺とルシエラは目配せしてサービスで2人でサタンを挟んでハグ。
ルシエラは飛びながら右から腕回して、俺は左からサタンの首に腕回して2人で超笑顔。
真ん中で緊張しまくってるサタン。全身図か…コレは記念になるな。ルシエラとの写真ないし…何気に古株で初めて気になって、お互いマークしてた他人だしな。
「アテナさん、それ下さい。待ち受けにします」
するとサタンが暴れだした。
「いやーーーー!!辞めてーーーー!!」
「あ?レアだぞ?俺ら写真撮らなくてもお互い見てるだけで満足だから写真ないんだぞ?」
「アンタら顔小さい上に身体レベル半端ない!オレがダメなのー!!」
「うっせぇ黙れ…俺らに目を付けられ時点でレアなんだよ。一応2人で初めて認識したヤツだぞ…ルシエラも記念に携帯持つ?」
「必要ないですよ」
キッパリ言うルシエラ…良い子に育ったなぁ。
「おけ…永久保存確定。バックアップしとく」
すると撮ったアテナが…
「こうして見ると…魔王様普通なのね。普段スキャンダラスだらけなのに。王子と姫のサービスが満載で楽しいわね」
「オレ王様なのに王子と姫が眩し過ぎて何か悲しいんだけどー…」
「良かったじゃん。どうせ公式サイトとか隠れサイトの隠し撮りの写真集しか持ってねぇんだろ?同じ素材のイケメンと美少女の満面の笑みだぞ?それとも黒髪の普通が良いか?」
「何…ヤダ…怖いわよ?ロキからそんなに言うなんて」
何故かオネエ言葉になるサタン。
「ルシエラと撮ったので上機嫌なだけですが?」
飄々としてるロキ。いつ見てもルシエラは可愛いなぁ…
「はっ?!コレは指輪と情報だけだとお金足りないじゃん!!」
あたふたし始めるサタン。
「そう言えばそのソロモンの指輪だっけ?何の意味あんの?」
「ソロモンの遺跡もあるからって持って来たのよ…かなり古いし指輪はひとつなのよ」
「ふーん…座標分かる俺の頭に3ヶ所だけ候補あるんだが?」
「アンタの脳内なんて分からないわよ!!」
「なんでさっきから偶にオネエなの?いつもの変態でいろよ」
「乙女なだけよ!肩離してよ近いのよ!」
「てめぇ本当に俺にぞっこんなんだな。ルシエラ最新機種でもやろー?お願い。魔王様の為のにサービスしてやろう?」
俺は自分の携帯を取り出してカメラを起動させる。
「おけー。多分考えてるコトは同じですよ?」
パタパタ近寄ってくるルシエラ。
「俺が合図したら王様を俺と思え。俺はルシエラと思うからな」
「当たり前ですよ…上ですか?下ですか?」
「それは任せる」
サタンがあたふたする。
「え?アンタらちょいタイム。何考えてるの?」
「サービスと言えばいつものコトです」
ねー?とロキに問いかけるように見つめるルシエラ。
「ルシエラ上目遣いお願い押すから」
「らじゃー!」
ルシエラが右の俺が左からのコメカミ上目遣いキスバージョン…サタン真っ赤だな
「いけてますか?ロキ様」
「かなり可愛い。おけ」
「やったー」
サタンがパクパクしてる。
「スキャンダラスだらけな美青年が乙女とかやめとけ…な?俺らピュアよ?お互いに。じゃれ合うしかしないもん…んで、一応聞くけどもコレも要る?アテナさんのガラケーの画質と違って最新機種よ?アップで見ても肌が綺麗」
コクコク頷く乙女な美青年。
「あざっす」
この顔もイイな。あざとい感じのルシエラが可愛い。
「サタン送ったぞ確認しろよ」
「まだ無理ー」
「俺ら半分お前の髪の毛に埋もれてるから目だけで小さいよ?」
画面を向ける。サタンが発狂気味に…
「何なのよこの破壊力ーー!!恰好良い金銀妖瞳と可愛い金色の眼のアップなんで最強過ぎるわよーー!!同じ素材の男女なんて最強過ぎ…」
あ。しなだれた。
「一応即確認とバックアップ基本な?俺完了」
魔王様の中のアイドルって何なんだろうなー。初めて見た時からぞっこんだったのかこの変態?まぁいいや。