神様、兆万長者
少し壊れたルシエラが元に戻る迄テレサに思念伝達でお茶を頼んで持って来て貰ったので飲むとする。
「ロキ様ー?遺跡に行くぞって言ってましたけど何処のですか?天界にあるんですか?」
ルシエラ…あほになったか?
「下界か魔界か冥界のどれかだな。これだけあれば全制覇行けるか?」
ひーふーみーよーと指折り数えるロキ。
「えー?私翼人なので天界か魔界とかしか無理ですよー?」
不貞腐れて机に突っ伏すルシエラ。
「大丈夫!対策ならしておく」
「分かりましたぁ…あ!そう言えば前々から気になってたんですが地下室の研究所とかどうなったんですか?」
「あぁ?アソコか?既に改装は終わってるが」
「えぇ!!聞いてませんよ!!私の産まれた所…」
しゅんとするルシエラ。
「ルシエラの研究所だけ手付かずにしてるんだけどな」
「他の部屋はどうしたんですか?」
「金庫にしたが?」
あれ?またルシエラがフリーズした。
「え…?あの巨体な空間全部金庫ですか?」
「だからルシエラの研究所は置いてるってば…」
「いやいやいや…何部屋あったか覚えてますか?」
「屋敷の主だぞ?勿論だ。30畳が9部屋!ルシエラの研究所と併せたら10部屋」
「あの偶にロキ様の脳内見たいんですけど…」
「戻してくれるならしていいが?」
「いえ、そう言う意味ではなくて…どうなってるんですか脳内」
「写真集みたいになってる」
「はい?」
ルシエラがきょとんとしている。
「見たもの全て記憶される絶対記憶能力って稀な脳なんだけど…あれ?ルシエラは違う?」
「ロキ様…私それ遺伝してませんよ…普通に知性が高いだけで忘れますよ?」
「あれ?俺何か失敗した?飲み込むの早いから同じかと思ってたわ…2年で何ヶ国取得出来た?」
「今28個目です」
「充分じゃないか?」
「努力してない天才に言われたく無いです。ロキ様は2歳の頃何覚えようとしてました?」
「プラズマについて」
「気付くの早くないですか?プラズマなんて最先端技術ですよ?」
「だから前に見せたじゃん。写真の杖あれ4歳の時だからな?」
「ゼウス様が雷の杖使う原因ロキ様ですか?!」
「そうだが?4歳だからあの爺40000枚位でいっかって持って来たんだし。後、サタンのアクセサリーは聖金貨1万枚で取り引きした」
「スケールが違い過ぎました」
項垂れるルシエラ。
「後さ俺少しの未来予知も出来るよ?因みにもうすぐファントムが来るよ」
「え?」
2人して扉を見詰める。数分待つとノックの音がしてファントムが来た。
「おや?お二人して此方に気付くの早くございませんか?旦那様こちらを」
「ありがと…うん。金庫の鍵数合ってる」
「ロキ様何で分かったんですか?」
俺が応えようとしたら、先に空気化してたテレサが応える。
「旦那様は昔からこうですよ?見透かしてるかのように見えるんです」
そこにロキが割って入る。
「あー、違う違う。誤解招くな…未来予知も効くのは造ったルシエラ以外の行動だけ。ルシエラは見えない。AIの眼のセンサーが気になって全員の繋げたら繋がったんだよ。それだけだ多分」
「私はホムンクルスに近くて良かったです…あ、じゃあ!イヴさんの目に繋げて貰えませんか?」
「何で?」
「後少しでお昼ご飯です」
「メニューかよ…おけ。オムライスとオニオンスープ…またトマトのカプレーゼ?そろそろトマト辞めない?」
「え!!イヤです!!」
くすくす笑うテレサとファントム、膨れるルシエラ。
「まぁ良いけど…あれ?メニューが2人違う。俺のバーニャカウダとかアヒージョとかスペイン料理メインだわ。流石イヴだ察して来てるな」
「どうして違うメニュー何ですか?」
「俺トマト特別好きな訳じゃないし。地方料理が好きだからな。今度日本各地の料理本とヨーロッパの本渡しておこう」
「イタリア!!」
「俺は違う地域の喰うから。でも、そろそろ食べるの飽きて来たからまた仙丹でも頼もうかな」
「仙丹って何です?」
ルシエラがきょとんとしている。あれ?本に載ってなかったっけ?
「桃源郷の妙薬だが?飲むと暫く何も食べなくても体力も気力も持つ丸薬。遺跡に行く時持って行くか考えてたんだよな」
「食べないんですか?!」
「ん?俺食べなくてもいけるから食べないが?ルシエラお留守番する?イヴにはご飯頼むけど?」
「秘境への一歩。所で先程から何に集中してるんですか?」
「衛星の映像。まだ秘境の遺跡を探索してる所」
「もう既に探してたんですか。って!天界でパソコンとかどうなってるんですか!」
「自作だから問題ない。てか、天界でもネットワークはあるぞ?」
「考えてみればゴーレムとAIの知識15歳くらいの頃にあったんでしたね…作れますよね」
「下界のも質いいから使ってるけどね。遺跡用にルシエラ専用ゴーレムとか造ったら?」
「知識がないです!」
「医化学本とか人体構造の本確か読んでたよな?行ける行ける」
「無理ですよー」
「そっかー…んー。大体把握したかな?疲れたわ。ルシエラご飯出来てたから行くか?」
「タイミング合わせてたんですか?」
「早く食べて続けるに決まってるだろ?」
「この部屋イヤですー!壁一面に衛星映像流すだけとかー」
「それなら遊戯室にノイヤーとミア居たから2人と対戦してきなよ?最新機種入れといたから。何台かアーケードゲーム置いてるぞ?」
「ロキ様。この屋敷の光熱費が気になります。天界だからないのかと思ってたんですけど、この屋敷が異常なんですよね?」
「お?温室育ちなのに気付くの早くない?」
「ヴィーナ様の館と前回までで学びましたよ。ロキ様億万長者ですよね?!」
「惜しい!も1つ上」
「そんな単語ありますか?!兆万長者てなんですか!!」
「あるにはあるだろう?確か」