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かまってくん

 ある町に、ひとりの少年がいた。

 影が薄く、自己主張の弱い彼は、自分はいてもいなくても変わらない存在なのだと思っていた。

 注目を集めたい。もっとみんなにかまってもらいたい。

 そう願う少年の心に、あるとき魔がさした。


 数人の同級生と一緒に、小高い山の上にある公園で遊んでいたときのことだ。

 少年は、みんなの前から消えてみせた。みんなに黙って、ひとりで公園を後にしたのだ。

 同級生たちは、突然いなくなった少年を心配し、慌てて捜しまわった。

 少年は、追いかけてきた同級生たちを見て、満足する。


 何日かして、少年はまたみんなの前から消えてみせた。

 同級生たちは、今度も慌てて捜しまわった。

 少年は、追いかけてきた同級生たちを見て、また満足する。


 ところがある日、同じように公園で同級生と遊んでいた少年は、足を滑らせ、斜面を転げ落ちた。

 足を挫き、動けなくなった少年は、痛みをこらえながら、誰かが自分を探しに来てくれることを祈った。

 けれども、待てども待てども、助けはこなかった。

 何度もいなくなる少年を、同級生たちはもう捜そうとしなかったのだ。

 彼らはそのまま家に帰ってしまう。

 かわいそうに、少年は怪我を負ったまま、ひとり置き去りにされた。

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