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第後話 無題

1年と半年ほど、ありがとうございましたm(_ _)m

 ふぅ……


 気がつけば最後まで読んでしまっていた。


 遥がアメリカに行ってから書き始めた、小説のような何か。当時のガラケーを発掘したら中に残っていた。遥が旅立ってからのことをすっ飛ばしているのはメールで話していたから書くのがめんどくさくなったのだろう。不完全なところが中学生らしい。


 懐かしいものを見つけたな、という感覚で読み始めたけが、そこには今までの全てが詰められていた、そんな感覚がした。懐かしむべき、もう14年も前の事だが、その当時の感覚が蘇ってくる。あの頃は、幸せだったなぁ、なんて年よりみたいな感想を抱いて、「パパー!」と自分を呼ぶ娘の声に、今自分がその幸せの延長にいることを感じとる。


(ゆい)、もうすぐご飯だから座りなさい。結糸も、ご飯出来たよ!」


 昔の事を思い出したからか、遥の声がどこか懐かしく聞こえる。声は当時よりも少し低くなって、その分艶やかになった。遥がこっちに帰ってきて2年ぶりにあった時は大人びていて驚いたのを覚えている。今はその頃より一層綺麗になった。


 ……口調が当時と変わらないというか少し幼くなったのが違和感だが。

 


 そういえばなんとなく、まさに徒然なるままに書いていたからタイトルを付けていなかった。どうしようか…………


「もー、結糸! 聞いてる!?」

「ごめんごめん、…………そういえばさ、今日何の日か覚えてる?」

「…………結糸が私に愛を伝えた日、であってる?」


 自信満々の口ぶりで遥が聞き返す。


 テーブルにはいつもより少し豪華な食事が所狭しと並んでいる。


「正解。よく覚えてるね」

「自分が初めて『恋』をした日、だもん」


『恋』、か…………


「アメリカと日本の時差ってどれくらい?」

「場所にもよるけど、ニューヨークなら14時間くらいじゃないかな?」

「ありがとう、遥」

「なんで?」

「なんでもない。それより遥、」

「何?」


 思い浮かんだタイトルを打ち込む。


「愛してる」

「ふふっ、私も。愛してる、結糸」









   14時間の距離だけど、君に伝えたい『恋』がある。




以上で完結です。

簡潔に完結させました。

一年半使って19話、2万文字と短い小説(知ってましたか?あとがきの字数制限って2万文字ですよ?)で、こんな短い文章書くのに何年使っとんねんとか言われそうなんですけど、兎にも角にもこれで完結です。

ここでちょっと小話をば。


本当はここで終わらせず遥が旅立った後のことをメインに書くつもりで見切り発車致しました。その結果更新ペースが非常に遅くなりまして、ここのまま続けたら終わらない、終わったとしてもたぶん良いものにはならないと思い、ここで切りました。

もう一個『14』という数字について。作品中に何度も鬱陶しいくらい出てくるこの数字は不完全と幸福という意味があります。不完全さの由来は説明が難しいので調べて見てください。幸福については、14を「とよ」とも読めることから「豊」という漢字を当て、幸福を表すそうです。

14歳、中学二年生、ちょうど不完全な時期で、だからこそ、そんな2人の恋愛がキラキラして見えるのかなーと若干16歳の作者は思います。偉そうにすいません。

そんなわけで、14歳の2人の恋愛を描いた物語でした。ここまでお付き合いいただいた超希少な方々、ぜひ次回作にもご期待ください。たぶん感性が似てるので楽しめると思います。

それではまた


皆様に幸あれ。


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