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第終話 結び 『11月14日(金)』

またもやお久しぶりです

ラスト1話!

 遥無しで過ごした一度目の秋。それを乗り越えてやって来た二度目の秋。遥が日本を去ってもう二年になる。高校生活一年目も中盤が過ぎ、もうす二年目へと突入する。


 この2年間遥とずっと付き合っていた…………わけではない。一度目は遥から、二度目は僕から、相手に別れを伝えた。14時間の距離の壁は想像を絶する以上に大きく、僕と遥の関係を壊すには十分過ぎるほどだった。環境が違うこと、国際電話は高いから月に1度くらいしかかけられないこと、メールすらも起きている時間のズレから、返信が来るまで時間が空いたりして続かない。当然顔を合わすことやお互いに触れあうことはできっこない。


 それでも僕と遥が今こうして繋がっているのは、やっぱり想い合ってるからなんじゃないかと高校生になった頭で考える。


 そして今日、遥が帰ってくる。


 11月14日、僕が遥に想いを告げ、それを遥が受け止めて始まった関係の原点。繋がりの元にある想い出。その日に遥が日本に帰ってくる。今日帰ってくることを聞いたときは高校生らしくないほどに舞い上がって、昨日今日は楽しみ過ぎて寝れず、足して4時間も寝ていないけれど、今僕の脳は活発に動いている。遥が帰ってくるから。


 遥が僕にくれたものはとても大きい。それを実感したのもこの2年間でだ。遥がいてくれたから、受験も乗り越えられた。そもそも高校選びも遥の影響を受けている。遥がいる国はどんな国だろうと、そんなことから興味を持って、それが英語の成績を伸ばして、高校は国際科なんてところに行った。遥と出会う前なら考えもしなかったことだろう。会えなくても、遥の存在は大きくなり続けた。だから、今日という日は記念すべき大切な日。


 空は青く澄み、遥を出迎える。


 16時30分。遥を乗せた電車が駅に着いた。改札に向かって人が雪崩のように押し寄せる。その中からたった一人の、大切な少女を探す。でもなかなか見つからなくて焦る。電車の着く時間を間違えたのだろうか?もしかして寝過ごした?なんて考えながら、少女を探す。


 ほとんどの人が改札を出て本格的に焦り始めた頃、ふいに爽やかな風が吹いた。夕日で辺りが黄金色に染まりだす。


 少女は二年前よりも背と髪が伸び、中学生の頃よりも格段と大人っぽく、綺麗に成長していた。ゆっくり、一歩一歩を踏みしめるかのように降りてきて、そして、目が合う。二つに別れた凹凸がカチッとはまるように、遥と僕の心が繋がり合わさる。その途端遥は小走りに改札を出て、そして僕も遥を迎えるため近づいていく。そして、抱き止める。数瞬の間お互いの温もりを分かち合い、そして遥の顔を少し上に向かせ、二年前の約束を果たす。唇を、ファーストキスを奪う。



 大好きな遥に、『お帰りなさい』と『愛してる』を伝えるために。



 何秒、唇を合わせていたかは分からないけれど、お互いの息が苦しくなってきたところで唇を、名残惜しいけれど離す。そして、二年分の想いを、二言に乗せて伝える。


二人は結ばれる。



「お帰り、遥。愛してる」

「ただいま、結糸。愛してる」




    14時間の距離を越えて

次の話は蛇足となっておりますが、挨拶もしたいのであとがきだけでもよんでいただければ、と思います。それでは二、三分後に((*_ _)

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