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第10話 姫様 『11月18日(土)』

短めです!(二回目)

 今日は土曜日。うちは私学じゃないただの公立中学だからお休みだ。昔は公立でも『半ドン』と呼ばれる土曜日の半日授業があったと母上から聞いたけど、現代っ子は週休二日制なのだ。


 というわけで今日は、ララポと呼ばれしショッピングモールに家族で来ている。友達とかの話を聞くと中学二年生にもなると思春期で、家族で出掛けるなんてのはあまりしないそうだけど、うちは強制連行されるため未だに週末は家族と出掛ける。友達と出掛けるなんてことはほとんど無い。一番の友人であり、生粋のリア充である友人くんの悠仁(ゆうじん)君とはたまに遊ぶくらい。


 そんなわけでララポなう。家族と来るぐらいなら遥と来たかったなあとか思いながら暇を潰す。今時の中学生には珍しく、誠に遺憾ながら、僕はスマホを持っていない。ガラケー、あのパカパカする旧式携帯電話なら持っているのだけれど、ネットは繋がらない、ゲームは入っていない、連絡先は親しか登録されていないという無い三拍子。暇潰しにできることといえば、メモ機能を使って小説擬きを執筆?するくらい。最近は遥との話を日記風に書いたりしている。とても小説とは呼べないような駄作駄文だけれど、それでも暇潰しには丁度良い。今のところは誰かに見せたりするつもりは無いけれど。


「おにー! 置いてくよ!!」

「ん、今行く」


 気づけば妹の(つむぎ)と母上が新たな荷物を抱えて歩き始めている。知らない間にこの店での買い物は済ましていたようだ。


「おにー、はい、」

「紬ちゃん、兄上に荷物を持たせるのに『はい、』はいくらなんでも失礼過ぎない?」

「いいんだー、ママに言っても、あのこと」

「…………その脅し使うの何回目?」

「忘れたけどまあ、おにーが言われても良いなら構わないけど」


 うぐ、的確に痛いところを突いてくる。どうも遥と居るところをイオンで見られたようだ。刺客は片原さんだけでなく、もっと身近なところにもいたようだ。世界はリア充に厳しくできている。


 最初は友達だとしらを切ってみたけれど、階段でのくだりを出されてあえなく撃沈。どこに居てはったんですかね?


「結くん、私も荷物持って」

「その呼び方変えたら持ったげるけど」

「えー、結くんのけちんぼ。紬ちゃんだけ贔屓してる。シスコンさんだー」


 待て母上。周りからの視線が…………


 うちの母上はしゃべり方は若々しいけれど、これでも40手前。見た目の雰囲気と天然的思考回路から、実年齢より15才ほど若く見えるけれど、アラフォー。年相応の落ち着きをもうすぐ来る誕生日にプレゼントしたい。てか結くん言うのやめて。同じクラスのやつとかにバッタリ会ったらどうするんだよ。



 服を買いまくった姫様たちは、従者に荷物を持たせて次の店へと向かう。女性の買い物が長いのはまあ、百歩譲って妥協するけれど、少しは荷物抱えて立ちっぱなしで待たされるこっちの身にもなって欲しい。


 でも遥の服選びならいくらでも付き合うだろうなあ、なんてことを考えて、遥のことが頭から離れない自分に呆れながら、二人の姫様を待ったのであった。


遥が出てこないと話が膨らまない(´・ω・`)


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