恋はハリケーン
また少し遅くなってしまった。
次の会場には冒険者と思しき人たちがいっぱい集まってた。みんな、パーティーごとにかたまっているようだ。
「なにがあるんだろ~ね~」
「さあな、でも試験だってことに変わりはねえ!」
「人多い....しんどい」
いろんな声が聞こえる。まだ誰も説明を受けた様子は無いらしい。とりあえず、僕たちは人ごみの中に混ざるのは気が引けたので、端っこのほうで様子を見る。
「ヒロトさん!お疲れではないですか?良ければ、肩に寄り添って寝てもらってもいいですよ?」
ソフィーが上目遣いで心配してくる。これは好意なのか?それとも恋意?いや、なにを考えてるんだ僕は。これはきっとソフィーのやさしさなんだ。僕はもう失敗しないと心に決めたんだからな。
「大丈夫だよ。ソフィーの気持ちはありがたく受け取っておくよ」
僕は唇をかみ締めながらも、欲望に耐えて見せた。
__ソフィーの心の中
うう。ヒロトさんは鈍い人です。恋には気づかないとしてもせめて好意としては受け取ってほしかったのに。師匠!!!わたしは一体どうすればいいのでしょうかあああ。
「うう、師匠...」
ソフィーは師匠であるギルのことを思い出しながら、次に歩みだそうとする。
「ソフィー、大丈夫?」
そうだよね。ギルと離れたくなんかなかったよね。僕なんかより、ギルのほうについて行きたかったはず。せめて、僕がギルの代わりになるくらいには頑張らないと!
こうして、ヒロトの勘違いはどんどん深まっていく。
「ヒロト様、お疲れなのですか?それは気づきませんでした。すいません。どうぞ、ここにあたまをおかけください」
そう言って、イロハさんは自分のひざに手を置く。
「イロハさん!?」
ほら、さすがに、ソフィーも驚いちゃってるよ。そりゃあ、そんなの恋人がやる行為だしね。もしくは、子ども扱いか。思ってて、泣きそうになってきた。
「イロハさん、さすがにそれはな....ガフ!?」
「はい、どうどう」
あれ?なんか、天地がひっくり返ったような、そういえば、あたまになにかやわらかい感触があああkyfyufdyf。
目を開けてみると、目の前にイロハさんの顔があった。いや、正確には僕の上?いや、そういうことじゃない!一体なにが起きた?
「イロハさん!!」
そうだ、ソフィー言ってやれ。そういうことは良くないって!!
「ずるいですうううう!」
は?......ん?あれ?僕の思ってた言葉と違うんですけどおお!
「イロハさんが膝枕するならわたしはせめて、手を握ってます!」
ん?あれ?おかしくない?なにが、どうなってこうなったのかな?とりあえず、冷静に今の状況を分析してみようう。
後頭部にはやわらかい感触。うん、これはイロハさんの膝枕というやつだね。うん.......この時点でもうなんでこうなってるのかわからない。顔の上にはイロハさんの顔が僕をのぞきこんでるうううう。これははずかしいいい。
なのに、イロハさんってば、僕の頭、手で固定してるから動かせない。これは羞恥以外のなにものでもないんだけど.....しかも、顔の近くにふたつの山があるっていうね。
.............眼福です!!しかもいい匂いが!!そして、僕の手はソフィーがにぎにぎしてる。ひんやりしててやわらかくてきもちいい....じゃなああい!これじゃあ、試験の前に恥ずかしさで死ぬ。
なぜ今になって、こんなリア充イベントが......しかも恋じゃないんだろ~な。これは母性愛ってやつだよね~。泣きそう。あ~、でもなんか幸せな気分なってきて疲れが癒される~♪
あ~、眠くなって........
「寝ちゃいましたね~」
「そうですね、ヒロト様の寝顔かわいいですね」
「やっぱり、イロハさんってヒロトさんのこと好きなんですよね?」
「好きですよ!ソフィーと一緒ですね」
「な、な、な、なにを!?」
「そんな動揺しなくても、さすがにわかりますよ」
「さすがに普通はわかりますよね.....ヒロトさんは鈍すぎます!!」
「まあ、それが好いとこなんですよ。かわいいし」
「そうですね!これからもヒロトさん好き同士一緒に頑張りましょうね!」
「そうですね。ソフィーさん、改めてですがよろしくお願いします」
こうして、ヒロトが眠っている間に、結束を固めたふたりがここにいた。
これからもよろしくお願いします。
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