6-1
「ん...。朝か...。うん6時ぐらいだな多分」
藍は背伸びをした。
「燈!紫音!起きてー!」
「ん~…。おはよう藍。早いね。ほら、燈も起きて」
紫音は寝起きが良いんだな。それに対して燈は......起きない。さぁーて、いっちょやりますか。
「燈...起きないんだな。んじゃーやりますか。起きなかった燈が悪いんだからな」
あ、藍が恐い。一体何をする気だ。
「せ~~の!!」
藍が足を大きく振り上げ、掛け声とともに勢いよく燈の腹めがけて振り下ろした。
ゴンッ!!
鈍い音がした。
「いっってっーーーーーーーーーー!!」
燈が勢い良く床を転げ回る。
「さっ!!昨日集めた缶詰で腹ごしらえをして各自出発する準備をしてここを出るぞ」
藍は燈と紫音に言いながら、昨日集めた缶詰をカバンから出しテーブルに並べた。
「好きなのを選んで食べろ!!」
「「うぃっす!」」
燈は治ったのか椅子に座り紫音と缶詰の奪い合いをしていた。
この二人はまだまだ子供だな。見ていて面白い。
「ほら!!藍も食え!さっさと出発するぞ!」
「うん。そうだな。いただきます」
藍も食べ始めた。
紫音はもう準備に取りかかっていた。
「今日の予定なんだが、今日中に街に着きたいと思ってる。燈、紫音、体調の方は大丈夫か?」
「おう!俺は大丈夫だ!「僕も大丈夫だよ」だそうだ。藍は大丈夫なのか?」
「いや、大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど...敵と戦って以来なんか変なのだ。うん...」
燈と紫音は顔をしかめた。
あまり、二人には心配させたくない。それに、本当に気になんない程度だから......大丈夫だろう。
「余り気にするな。本当に気にならない程度だから」
「そうか。でも、余り無理はしない方がいいよ」
「何かあってからじゃ遅いからな。変だと思ったら遠慮なく言えよ?絶対に無理はするな」