異世界 1
ピピピ...ピピピ...カチッ
「もう朝か...」
私はパジャマから制服に着替えた。
下に降りると母がリビングに朝食を用意して仕事に出掛けた後だった。
今日の朝食は私の好きなフレンチトーストだった。
時計を見るともう7時45分で、珍しく寝坊してしまった。
急いで朝食を食べ終えると、学校に行くため準備をして大事な刀を持った。
「行ってきます!!」
私は玄関の鍵をかけ家の敷地から出た。
学校に向かって歩いていると後ろから「藍!!」と私の名前を呼ぶ声がした。
振り返るとそこには、鮮やかで燃えるような赤色の髪をした男子が駆け寄ってきた。
自己紹介が遅れてしまったな。
私は橘藍だ。
名前の由来は今もそうなのだか、産まれたときに藍色の髪をしていたところから父さんが名付けたと母さんが言っていた。
そして、高校2年生だ。
そして、彼は柊燈。
活発でうるさい男だ。
同じく高2。
私達は家が隣同士で幼稚園のころから一緒という事もあって仲が良い。いわゆる幼馴染みというやつだ。
そして、私達の両親も仲が良い。
私達は他にも共通点がある。
それは刀を持っていて剣道をやっているということだ。なぜか、どちらの両親にも私達は刀を持たされ、刀を振るっていた。
なんか「これから自分を守りながら戦わなければならない」と謎の言葉を言われた。剣道はその基本となるためやらされていた。
「おい。藍、お前何一人でぶつぶつ言ってんだ?」
「すまない、ちょっと...な」
燈は不思議そうに私を見ると首をかしげた。
そういうところは可愛いんだかな。
「それよりも、お前いつも刀持ち歩いてるよな。重たくないのか」
「それを言うならお前もだろ。それに小さい頃から扱ってるんだからもう慣れた」
当然だろう。とでも言うようにこちらを向いて藍は笑った。
俺はこんな風に笑った藍の方が良いと思う。
いつも楽しく話してる姿や集中してる時のクールな姿も良いけど、たまに見せるこの笑顔が一番良い。
俺は幼稚園の頃からあいつと一緒にいるけど、笑うは笑うけど満面の笑みを見る事が凄く少ない。
下らない話をしながら藍と燈は学校に向かった。
その時、突如地面が揺れた。
地震にしては、凄く大きな揺れだった。
「なんだ今の揺れは。地震か?」
「分からねぇ。でも、嫌な予感がする。藍...何となくだけど気を付けた方がいい」
真剣そうな顔を私に向けた。今までに無いくらいの真剣な顔だ。
「野生の勘ってやつか燈」
「バッカ!!猿じゃねーし!」
「誰も猿とは言ってないぞ」
藍はニヤニヤさせながら俺を見た。
全くこんな時にふざけやがって。まぁーこの状況でこれは藍らしいがな。
今の揺れは何だったのだろうか。私的には地震では無い気がするが。その、なんというか重いというか、揺れというよりか振動のようだった。なんか、気持ち悪い、頭が痛い。
そう思ったとたん藍は目眩に襲われた。
バタン
「!!藍!!どうした!!何が起きた!」
あぁー気が遠くなる感じがする。
燈が読んでいる起きないと。
それなのに私の体は重くなって起きれない。それどころか、どんどん燈の声が聞こえなくなってきた。私はどうなってしまうんだろう。
「藍!!起きろ!!藍!!藍...藍...あい...あ...い.........」
そして、私の記憶は途絶えた。
「くそ、藍...。俺はどうなるんだ」
藍がいなくなった今、どうすればいいか分からなくなった。
そのとたん、俺は激しい頭痛に襲われた。
「う、うぁぁぁー。頭が痛い。痛い、痛い、痛い、いたい、いたい、いたい、い...た...い、い......た...い.........」
そして、ついに燈も倒れたのだった。
読んでいただきありがとうございます!!(≧▽≦)