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 皆さん、こんにちは、私は高白です。

 え? 誰だって。まあ、皆には名前は知られていないというか、そう呼ばれてないな。歴史の教師とか皆に言われる人だ。

 今日は私の知識から話をしようと思う。え? 聞きたくないって、まあまあ、そう言わずにとりあえず、聞くだけ聞いて行きなさい。


 白池村には神社があるのはご存知かね? 白池神社だ。白池につながっている道のふもとあたりにある神社だ。すごく小さい神社だ。

 あそこに祀られている神様を知っているかね? まあ正しく言えば神様は祀られていない。あそこの神社には、骨壷が一つあるんだ。

 その骨壷の中には誰の骨が入っていると思うかい? それは、なんと龍神の骨の一部が入っていると言われている。先生も詳しくは分からないが……。

 まあ、ホラースポットまでなっているぐらいだから、誰も知りたがらないんだがね。

 その骨壷の骨は龍神へと願いを伝える役割を果たしているんだ。古い文章によると、白池に在りし条件が満ちる時、願いを神へと届け舞う。と、書かれているんだ。

 白池に有りし条件……、それはつまり壁画のことだと先生は思っている。つまり、白池にある壁画の要素には泉や星空があっただろう。それと同時に、実は、壁画にあることは人々の願いでもあるんだ。

 龍神がいる、星空が永遠に続き、村には沢山の人がいる……。つまり願いだ。

 壁画と龍神と骨にはとても複雑な関係があるらしい。まだ、よくわかっていないがな……。

 まあ、要するにだ。この前の石拾いイベントの日に白池神社へ願いを込めてお祈りしたものは、その願いが叶うということだ。

 石拾いイベントの後に調べた内容だから、先生は何もお祈りできなかったんだがな……。


 夢は瞬く間に覚める。僕らはどうすればいいんだろう。そんなことを思いつつ、もう四回も朝が来てしまった。

 ダムの建設は決定したらしい。だが、住民の意思が何とかで、着工にはまだ入っていない。

 この前の工事車両的なのは、ボーリング調査だとか言っていた。地盤がなんとかだとか。

 もう、この村は……。

 僕らは、久々に優花の家へと集まっていた。あのまま毎日話し合っても、解決策はわからないという結論になってしまい。自分でゆっくり考えることに鳴ったからだ。

 草は咳払いをして、話し始める。

「アイディア、思いついたか?」

 誰一人として手を挙げず、話そうともしない。本当にアイディア不足なんだ。

 この場を乗り切るには、もうコレしかない。僕はアイディアを考えてきておいたのだ。

 僕はゆっくりと手を挙げた。

 すぐに、草にさされる。

「日月」

「はい」

 僕は少し間を置いて話し続ける。

「神頼みだ」

「「「神頼み?」」」

 皆僕の方を向いて頭をかしげた。

「このまま、アイディアは出てこない。だから、神に頼むんだ。村が、壊されないように。と」

「それ、本気でいってるの?」

 ヒカは疑いの目で僕を見つめながら言った。

「ああ、本気だ」

 僕は低く力のある声でそう言った。

「確かに、いいかもしれんな」

 草はそう言った。

「神頼み……。何かとこの村は伝説が色濃く残っているからね。なんとかなるかもしれないよ」

 千紗も同じく賛成してくれたらしい。

「でも、神頼みってどうするのかしら?」

「それだが、神社にお参りしてはどうだ」

「そうだな。このまま何もしないよりはいいだろう。ちょっと神社にお参りしてくるか」

「そうしよう」

 こうして、僕らは白池神社へと向かった。


 白池神社はいつ来ても人気がなくて不気味だ。

 社殿の前に着いた。

「さあ、お参りするぞ!」

と、僕はいって、五円玉を放り込んだ。

 そこで四人並んで皆で一緒の願いをお参りした。

 こうして、僕らは帰ろうとした時、ふと僕らの耳に声が届いた。

「おい」

 僕らはびっくりして、社殿の方をふり返った。

 そこには、何も居ない。

「おかしいね? 日月君も聞こえたよね」

「ああ、聞こえた」

「私も聞こえちゃったわ。なんかみんなであんなことばっかり考えてるから、おかしくなっちゃったのかしら」

 ヒカはそう言った。僕らは、また歩き始める。

「おい、そこの四人、神の話を聞けないのかッ!」

 空耳ではない。僕らは振り返って、社殿へと近寄った。

「もしかして、神様……?」

 ヒカは怯えながら、社殿に向かって話した。

「そうだ。神……、ではなくとも祀られの身だ」

「すごいね、神様が喋ってる。こんなの初めてだよ。やっぱり、白池村はすごいね」

 千紗が納得しながらそう言った。

「君達、願いを叶えたいんだろう?」

 社殿から聞こえてくる怪しいこえはそう言った。

「ああ」

「そうです」

「お願いします」

「もちろんだ」

 僕らは全員、同じ意思だ。

「それなら、壁画にある条件を加えた後、願いをその壁画に書き加えるんだ……」

「え……」

「壁画……」

「神様。嬉しいが、何で俺達には教えてくれるんだ。こんなヒントを」

 草が神様のいると推定される社殿にそう言った。

「それは、私も身の危険を感じているからだ。水の大きな波が押し寄せてくる。そんな感じがするからだ。お前たちに私の代わりに、村を救って欲しい。これは龍骨の望みだ」

「龍骨だったの!? 神様」

 ヒカは驚いている。まあ、僕も驚いていることには変わりないんだが。

「さあ、さっさと村を救ってこい。新しい時代の白池の主達よ……」

 僕らは、そんな龍骨さまの言葉なんか聞いちゃいなかった。その前に、僕らの足は既に動き出していた。見たこともない速度で……。


 僕らは、村中の人に事情を説明した。そして説得させた。

 夜、村人を白池に集結させることのために。だが、それでも、人は全然足りない。

 だから、優花にお願いして、病院の人たちをなんとか、説得してもらうことになった。

 それにそれに、僕らの親戚などにも、事情を説明して、村に人をすごくたくさん、たくさん、たくさんに、数えきれないほど、村が破裂しそうなほど、人を集めた。

 勝負は今夜限り。今日を逃したら、もう絶対に龍神に願いは届かない。そう僕の心は感じていた。

 たくさん準備をした。流れだしていた、石もすこし回収して、池に持って行ったり、池の掃除をしたりと………………。

 僕らはボロボロになるまでに村のために働いた。


 そして、ついに来る勝負の夜……。

 日もまもなく落ちる。池の畔には村の人たちが集まっている。村の人達だけではなく、遠い場所からやってきた人も。

 優花も来てくれていた。


 そして、白池は光りだす。


 僕らを歓迎してくれているかのように。

 僕らは、僕らは……。

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