君の居るべき場所
このページは藍紅サイドの話です。
俺はいつもの様に桜の木を見に来た。
雪がふんわりと降っていた。
今日で桜の木に来るのは終わりにしなければならない・・・
藍那のお母さんが俺にお見合いの話を持ってきた。
ずっと断り続けていたけど流石にもう限界が来た。
「俺に・・・藍那以外の人を愛せるのかな?」と桜の木に向かって言った。
「もし、君が俺の願いを聞いてくれるのなら・・・」と俺は桜の木に手を付けた。
「もう一度ココで藍那に・・・」と言った。
そしてゆっくり離れて桜の木に背中を向けた。
「また思い出に変わるんだね・・・」と俺はその場所を去った。
「お帰りー藍君。加奈ちゃんから結婚の招待状が届いてるわよ!」とお母さんが言った。
「加奈から?」と招待状を見ると。
「相手は・・・先輩?何で?」と俺は目を見開いた。
「藍那は?何があってこうなったわけ?」と俺は急いで家を出た。
今日はクリスマス。
町は賑わっていた。
ふと立ち止まって店に入った。
そして俺はまた走った。
もうすっかり辺りは暗くなっていた。
はぁはぁ・・・と息を整えて来た場所は、秘密基地だった。
「藍紅・・・」と藍那の声が聞こえた。
基地を見ると「トキ・・・」が居た。
「藍紅・・・待ってるよ。」とトキは笑って消えた。
「・・・・!」俺はまた走った。
息が苦しかった。
もう走れそうになかった。
だけど「もう独りは嫌だ・・・」と辿り着いた場所はお願いをした桜の木がある所だった。
「藍那・・・」と俺は言った。
そこには誰も居なかった。
「ん?」と桜の木の後ろから声が聞こえた。
「・・・・やっと見つけた。」と藍那が出て来た。
俺は藍那に抱き付いた。
もう2度と離れないように強く。
「もう何処にも行かないで・・・」と俺は涙が零れた。
「たっちゃんに降られちゃった・・・」と藍那は俺の胸の中で言った。
「藍那の事をずっと好きで居れるのは俺だけなの・・・」と俺は更にギュッと抱きしめた。
「痛いよ・・・」と藍那が言ったけどそんなの関係ない。
「どうしてココが分かったの?」と藍那が言った。
「藍紅の家に行ったら藍紅ママが藍紅は飛び出して行った。って言ってたから・・・」と藍那は続けた。
「トキに聞いた・・・」と俺は言った。
「多分。桜の木が俺の願いを聞いてくれたんだ・・・クリスマス最高のプレゼントだよ。」と俺は桜の木を見た。
「藍紅の幸せって何?」と藍那が言った。
「藍那と一緒にずっと居れる事・・・?」と俺は答えた。
「そっか。じゃあ藍紅は幸せになれるのね・・・」と藍那が言った。
「藍那の幸せは?」と俺は藍那を自分の体から離して聞いた。
「藍紅と一緒に年を重ねられたら幸せかな?」と藍那は笑った。
「藍那・・・」と俺は藍那の手を取って歩き出した。




