君を忘れない
このページは藍那サイドの話です。
私の胸の中で藍紅は眠りについた・・・
「藍紅・・・あなたとまた生きたい・・・」と私は藍紅のおでこにキスをした。
私は洋服を着てオルゴールの蓋を静かに閉じた。
「全てをこの中に・・・」とオルゴールを指でなぞった。
「さよなら藍紅。あなたを忘れない・・・」
私は自分の部屋に窓から戻った。
オルゴールは藍紅の部屋に置いたまま・・・
そして私は両親に手紙を書いた。
書いた手紙を机に置き、家を出た。
まだ暗闇で道が見えなかった。
「たっちゃん。今から行くからね・・・」と言って私はたっちゃんの家に向かって歩き出した。
ピンポーン
ピンポーンピンポーン
「朝から誰?」とたっちゃんは出てくるなり驚いた。
「藍那・・・何で?」とたっちゃんはまだ驚いてる。
「ごめんね。あの日、帰るつもりだったんだけど帰れなくなっちゃって・・・」と私は下を向いた。
「遅くなってしまったね?」と私は笑って中に入った。
「何で帰って来たの?俺は藍那に酷い事ばかりした!沖田の所に戻れば良かったじゃないか!?」とたっちゃんは声を荒げて叫んだ。
「たっちゃん。私にはたっちゃんしか居ないの・・・トキがあなたを心配してたわ。」と私は散らかった部屋を片付け始めた。
「トキ?」たっちゃんは散らかったゴミの上に座った。
「死んでしまったの・・・あの日。たっちゃんとの間に出来た子供が・・・」と私はたっちゃんをゴミのない方に座らせた。
「その子の名前がトキ。」と私は、手を止めてたっちゃんを見た。
「子供が居たのか?」とたっちゃんは更に驚いた。
「きっと雨に濡れたのが駄目だったんだと思う・・・」と私は片付けを再開した。
「俺が殴ったからだろ?・・・」とたっちゃんは下を向いた。
「トキはたっちゃんを恨んでなんかなかった。私にたっちゃんを助けてほしいってお願いしてきたの・・・だから、たっちゃんのせいじゃないわ」と私はたっちゃんの前に座り笑った。
「ご飯作るね?お腹空いた?」と私は朝食の材料が入った袋を持ってキッチンに向かった。
「藍那・・・ごめんな?」とたっちゃんが後ろから抱きしめた。
「たっちゃん・・・遠い所に行かない?そして全部をやり直すの!」と私は振り返って言った。
「俺はいいけど・・・?」とたっちゃんは答えた。
「じゃあ荷物纏めてて?」とにっこり笑ってご飯を作り始めた。
「終わった!」とたっちゃんが叫んだ。
「それじゃあ・・・食べよう?」とご飯を出した。
「荷物、少なくなってるね?」と食べながら私は言った。
「あぁー捨てたんだ。藍那の荷物・・・」とたっちゃんが言った。
「そんなぁー・・・」と私は落ち込んだ。
「まぁーまた増やすからいっか!」とご飯を食べ終えた。
「たっちゃん髭も剃ってよ?せっかくカッコイイ顔なのに見えないのは寂しいよ?」と今はたっちゃんの身支度中。
「まだイケるかなぁ?」とたっちゃんも冗談交じりで答えた。
たっちゃんは藍紅が来た日から禁酒を始めたらしい。
そして私達は少ない荷物を持って家を出た。
「さよなら・・・」とドアを閉めた。




