君が分からない
このページは藍那サイドの話です。
今日も先輩改め、たっちゃんと帰宅中。
たっちゃんとは今でも付き合った頃みたいにラブラブ進行中。
だけど・・・私は藍紅の事が頭から離れなかった・・・。
「どうしていきなり冷たくなったんだろう・・・」と呟いた私にたっちゃんは
「俺何か冷たくした?」と焦って言った。
「あっ!たっちゃんの事じゃないの・・・」と私も慌てて答えた。
「じゃぁー幼馴染の沖田の事?」とたっちゃんは私の顔を覗きこんだ。
「俺と居るのに沖田の事考えてたの?」とたっちゃんは、悲しそうな顔をした。
私は「ごめんなさい・・」と答えた瞬間に唇に何かが当たった。
キスをされた事に気付いた。
私は自分でも顔が赤くなっていくのに気付いた。
「俺の事しか考えないで・・・」とたっちゃんは唇をもう一度重ねた。
私は目を閉じた・・・。
目を開けるとたっちゃんは笑って「また明日」と耳元で吐息の様に囁いた。
私は恥ずかしくなって俯いた。
前を向くと藍紅が目の前に居た。
見られた・・・と私は恥ずかしくなって家に入ろうとした。
「人の前で堂々とキスなんて・・・斉藤さんも意外とやるね。そんなに見せ付けたいものなんだ?」と藍紅は馬鹿にした様な口調で言った。
「何でそんな事ばかり言うの?」と私は怒りながら言った。
「さっきのは突然だったの」「それに藍・・・沖田君には関係ないでしょ!」と私は家に急いで入った。
「何なのよ・・・」「藍紅のばか・・・」と呟きながら玄関で靴を脱いだ。
「お帰り・・・藍紅君と喧嘩したの?」
「家の中まで聞こえたわよ・・・」と言いながらママが出てきた。
「最近藍紅君のお迎えが無いのと関係あるの?」とママはコップにジュースを注ぎながら食卓の椅子に腰掛けた。
私もママの隣に座った。
「たっちゃ・・・彼氏が出来た途端に藍紅が冷たくなったの・・・」とコップに手を伸ばした。
「藍那に彼氏が・・・」と驚いた顔をしてママは話を聞いてくれた。
話と言うか愚痴をひたすらママに聞いてもらったのに私は何だかスッキリしなかった・・・。
「今度彼氏を連れて来なさい。」とママは微笑みながら言った。
「うん。ジュースご馳走様・・・」と私は部屋に上がった。
「藍那は藍紅君との約束を忘れたのかしら・・・?」と藍那の母市那はボソッと呟いた。
そんな市那をよそに私は携帯を手に取った。
「藍紅に酷い事言ってしまったな・・・」と電話帳の欄から藍紅を探した。
番号を出してから、私は窓を開けた。
カーテンが閉まったままの藍紅の部屋を見た。
もう・・・ココで藍紅の顔は見れなくなるのかなぁ・・・
私は携帯をギュッと握り締めた。




