君は側に居た
このページは藍紅サイドの話です。
俺は、お母さんの連絡から愛が自分の家に居る事を確認出来た。
「すぐ行くから」と俺は急いで車に乗り込み、実家に行った。
しかし愛は、既に居なかった。
「藍那ちゃんと藍君の秘密の場所を聞いて行ったのよ・・・やっぱり藍那ちゃんなの?藍那ちゃんは、記憶がないの?」とお母さんは泣き出した。
「愛は藍那だよ。だけど今、本人は・・・」
「だけど藍那は見付かった。連れて帰るから藍那のお母さんにも伝えててくれない?」と俺は秘密基地に急いだ。
「分かった・・・」とお母さんも藍那の家に行った。
「愛は思い出したの?・・・」心が愛を心配しながらも、頭は藍那の事でいっぱいだった。
秘密基地に着くと、愛は座って居た。
「・・・・」そこに居るのがどっちか分からずに俺はそっと近寄った。
俺が愛の目の前に立つと、「やっぱり君は天使だった」と言われた。
まだ愛のままなのか・・・と思いながら俺は手を差し伸べた。
「俺はやっぱり君が天使だと思うよ?」と答えた。
愛は俺の手を取り立ち上がって「藍紅・・・私を見つけてくれてありがとう」と泣いた。
藍紅?もしかして「藍那・・・?」と俺は今にも消えそうな藍那を抱きしめた。
「遅くなってごめんね・・・?俺・・・」と言いかけると
「藍紅は、何も悪くないわ・・・私が弱かった。それだけなの」と藍那は笑った。
「帰ろう?藍那のお母さんが待ってるから・・・」と俺は藍那を車に乗せた。
「ただいま・・・」と藍那は自分の家に入って行った。
「あい・・な。!!心配したじゃない!」と藍那のお母さんは泣きながら怒っていた。
「ママ・・・」と藍那も泣いていた。
そして藍那は、藍那が愛として生活していた事を話していた。
先輩の事は誰も口には出さなかった。
そして俺達の家族も一緒になって6人集まり賑やかな食事を取った。
俺は自分の家の部屋に戻り田中さんに連絡した。
「そうかい・・・寂しくなるけど良かった。とりあえずもう一度病院に来てと伝えてくれないか?」とだけ言われ電話を切った。
その時「コンッ」と窓から聞こえた。
カーテンを開けるとオルゴールを持った藍那が居た。
窓を開け「風邪ひくよ?」と中に藍那を入れた。
藍那は中に入りオルゴールを開きメロディーを流した。
「藍紅・・・お願いがあるの。」と藍那が言った。
「何?結婚ならすぐしてもいいよ?」と笑って答えた。
藍那は笑いながら「たっちゃんに会いたいの・・・」と言った。
どうして藍那がそんなに先輩に執着するのかが俺には分からなかった。
「駄目。藍那は先輩に追い出されたんでしょ?なら藍那は振られたの!だから駄目!」と俺は早口で言った。
「大に会った日、私はたっちゃんの家に戻るつもりだった。だけどお腹が急に痛くなって気を失ってしまったの・・・」と藍那は悲しそうな顔をして答えた。
「最後でもいいから!たっちゃんに謝りたいの・・・」と藍那が言うとオルゴールのメロディーが止まった。
「俺も一緒に行くよ・・・」と俺は渋々言った。
「それから明日病院に行こう?田中さんが実家から通う様に伝えてほしいって・・・」と続けて言った。
「分かった。じゃあ・・・おやすみ」と藍那が窓に手を付けた。
「愛・・・愛は幸せだった?」と藍那の背中に問いかけた。
「幸せだった・・・桜の木でもう一度会いたかった。」と言って窓から出た。
そして藍那は振り返って「私は、何度だって藍紅に恋をするわ・・・」と笑った。
俺は涙が出た。
そして藍那をまた俺の部屋に入れた。
「今日は一緒に寝る・・・」と布団の中に藍那を寝かせた。
「どうしたの?」と藍那は笑って俺の涙を拭ってくれた。
藍那の隣に俺は入り込んだ。
「藍紅・・・いつの間にか私達大人になったね・・・」と藍那が言った。
「そうだね。だけど藍那は変わらない・・・ずっと・・・」と俺は眠ってしまった。
「・・・・・・・・・・・」藍那が何を言ったのか聞こえなかった。
俺は夢を見た。
「ありがとう。藍紅・・・僕はそろそろ行くよ。」と幼い男の子が言った。
「トキ・・・俺はトキのお陰で藍那を見つけられた。俺の方こそありがとう。」と答えた。




