君は君?
このページは藍紅サイドの話です。
今日は愛と付き合ってからの初めてのデート。
俺は棚の上に置いてあるオルゴールに手を伸ばして箱を開けた。
メロディーが流れ「藍那・・・」と呟いた時・・・
携帯の着信音がなった。
通話ボタンを押して出ると、愛だった。
愛は「沖田さん・・・ごめんなさい。今日行けなくなっちゃった。」と言った。
「何かあったの?大丈夫?」と俺は言った。
愛は、また連絡すると言って電話を切った。
そして1週間後・・・
田中さんから電話があった。
愛が今、病院で入院してる事。一週間の間ずっと目が覚めない事を聞いた。
俺は電話を切って「何で?」と急いで病院に行こうと準備した。
その時・・・閉じていた筈のオルゴールからメロディーが聞こえた。
「?・・・」俺はオルゴールを手に取った。
オルゴールの蓋は閉まっていた。
「藍那?・・・何かあるの?・・・・・・!」俺は急いで車に乗って病院に行った。
そして、愛が居る病室に入った。
愛は少し痩せていた。
「愛?・・・」と声をかけた。
すると愛は目をゆっくり開けた。
「愛?・・・気が付いた?」と顔を覗きこんだ。
「沖田さん・・・」と愛は抱きついてきた。
そして「私は藍那さんを知ってるかもしれない・・・」と愛は言った。
「記憶の中に藍那が居たの?会った事あるの?」と俺は我を忘れて愛の肩を強く揺らした。
「沖田君止めなさい!」と田中さんに愛から体を抑えられながら離された。
「ごめんなさい・・・」と田中さんに言った。
「沖田さんに話があるのでチョットいいですか?」と愛の病室を出て田中さんに言われた。
そのまま田中さんに案内された部屋に行った。
椅子に腰を掛けると同時に「愛の身に何が起きてるのですか?」と田中さんに聞いた。
「まだ、よく分からないんだ。検査には何も引っかからないから・・・多分、記憶が愛の意思を無視して強制的に出てこようとしてるんだ。
それから・・・愛には黙ってるが、愛は子供がお腹に居たんだ。だけど俺と会った時にはお腹の中で死んでた。」と話し出した。
「だけど一週間前に子供が居たとか言ってたし・・・何らかしら思い出してるんだと思う。」
「それと確認だが・・・沖田君の名前は藍紅かい?」と田中さんが言った。
「はい。沖田藍紅と言います?・・・」と答えた。
「そうかい・・・愛は最初に会った時気を失ってたんだが、その時一度だけ「藍紅・・・」と言ったんだよ。病院で目が覚めて、聞いた時にはその名前が分からないと言っていたから、それ以上は何も聞かなかったんだが・・・沖田君の事だったとは。
それに・・・沖田君と一緒に居ると頻繁に頭の中で声がすると言っていた。
沖田君が言う藍那さんは愛の事なんじゃないのか?と思う・・・」と田中さんは「仮説だけどね」と言った。
「だけど今、愛は混乱してるし精神が不安定なんだ・・・すまないが今は、刺激を与えないでくれ。」と田中さんに言われた。
「分かりました。」と答えた。
俺の心は愛を心配するのと、愛が藍那なのかも知れないと喜んでるのが交差していた。




