君にさよならを
このページは藍紅サイドの話です。
あの日から藍那とは一切会わないようにした。
もう藍那は僕に振り向かない。
僕も疲れた・・・。
こんなにも苦しいなら心なんかいらない。
藍那も思い出も記憶も全部無くなればいいのに・・・
そんな事を考えてたら。
「藍紅・・・悩みがあるの?」と藍那が顔を近付けた。
僕は「藍那?・・・」と顔をばっと上げた。
だけどそれは消えて行った。
加奈が目の前に居た。
「藍那なんか居なくなればいいのに・・・」と加奈は僕にキスをした。
僕は加奈を突き飛ばして急いで水道に口を洗いに行った。
口を制服の上から腕で必死に拭いた。
その時「恋人を悲しませてまで藍紅と一緒に居られない・・・」とあの日藍那が言った言葉が頭に浮かんだ。
加奈が後ろから「いつまで藍那の代わりをすれば藍那を忘れられるの?・・・」と抱きしめてきた。
僕は加奈を離しながら「加奈は藍那にはなれない・・・別れよう」と言った。
加奈は「別れるなんて嫌・・・加奈だって藍那より藍紅を好きだよ。」
「藍那は藍紅じゃなくて先輩を選んだじゃない!」と叫びながら僕の胸の中に入ってきた。
「加奈・・・もう藍那の事はいいんだ。」と僕が言うと、加奈は「なら別れなくていいじゃない」と涙を流した。
「だから・・・最後まで話を聞いて?」と僕は加奈の肩に手を置いた。
「これからは加奈とちゃんと向き合って付き合う。だから今までの付き合い方と別れて、僕と恋人になってくれる?」と首を傾げながら加奈に言った。
加奈は泣きながら嬉しそうに「本当に・・・?」と言った。
「嘘なんか言わない・・・」と僕が微笑みながら言うと、加奈は抱きついて「恋人になりたい・・・」と言った。
僕は藍那と・・・さよならするべきなんだと心に言った。




