君への気持ちを隠して
このページは藍那サイドの話です。
幼い頃に藍紅と交わした約束を私は思い出した。
だけど・・・たっちゃんを悲しませたくなかった。
藍紅への思いを断ち切ろうと思った。
今更「藍紅への思いに気付くなんて・・・」と自分を責めた。
でもたっちゃんが好きなのは嘘じゃない・・・。
「私はたっちゃんの恋人なんだ・・・」と自分に言い聞かせた。
自分から告白しといて最低だ・・・と私は止まらない涙を必死に手で拭っていた。
それから、私はたっちゃんと毎日一緒に居た。
「藍那、俺もうすぐで卒業じゃん?」とたっちゃんが話していた。
「そうだね・・・もう一緒に学校に通えなくなるね?」とたっちゃんを見た。
「寂しい?」とたっちゃんは私の頬に手をそっと付けた。
「寂しいよ・・・」とたっちゃんの手の上から手を重ねた。
「藍那・・・旅行に行かない?」とたっちゃんが私にキスをした。
唇がゆっくりと離れ「旅行・・・?」と私は聞き返した。
「そう。2人で・・・」とたっちゃんは真剣に答えた。
「そうだね・・・ママに聞いてみるよ」と笑顔で答えると、
「今日、藍那のお母さんに話しに行くよ。挨拶もしとかなきゃ安心出来ないでしょ?」と私の手を握った。
「そういえば、ママも連れてきなさい!って言ってた・・・」とたっちゃんの手を握り返して笑った。
「大丈夫!俺いい奴だし」と照れながらたっちゃんが言った。
「そうだね!」と私は笑いながら答えた。
家の前に着き玄関を開けながら「ただいま」と私は言った。
「お帰り」とママが出てきた。
「ママ・・・たっちゃん連れてきたよ。」とたっちゃんを中に入れると「たっちゃん?」とママは、たっちゃんの顔を見た。
「突然お邪魔してスイマセン」とたっちゃんがママに頭を下げた。
ママは悲しそうな顔で私を見た。
そして笑顔で「藍那の彼氏さんね?」とスリッパを出した。
たっちゃんは頭を上げて私を見て照れた顔をした。
中に入るとママはいつもの様にコップにジュースを注いで出してくれた。
たっちゃんは「お話があります・・・」とママに旅行の話をした。
そして私を見て「藍那が行きたいなら行って来なさい。ママは反対しないわ」と言った。
そしてママは、たっちゃんを見て「私は、恋人なら学校を卒業してもお別れするわけじゃないから焦らなくてもいいと思うけど・・・」
「行きたいなら、藍那を無事に家に戻す事が条件よ!」と真剣な顔でたっちゃんに言った。
たっちゃんは「必ず約束します」と答えた。
そしてたっちゃんを玄関まで見送ると「また明日」と笑顔で帰って行った。




