君とした約束
このページは藍那サイドの話です。
藍紅と久々に帰る道は静かだった。
藍紅は何も喋らなかった。
私も藍紅に手を引かれながら静かに歩いた。
たっちゃんと帰る道と少し違って見えた。
家の前に着くとたっちゃんが居た。
私は慌てて手を離そうとした。
だけど藍紅がそれを許さなかった。
「藍那を泣かせるなんて先輩らしくないじゃないですか?」と藍紅は私の手をギュッと握った。
「藍那・・・今日はごめん。悲しませるつもりじゃなかったんだ・・・」とたっちゃんは私と藍紅の手を離して私の手を掴んだ。
「ううん。私が悪かったの・・・」と私は言った。
そう。私が全て悪いの。たっちゃんが好きで告白したのに、藍紅が気になるなんて最低なんだから。
「たっちゃん・・・明日は迎えに来てくれる?」とたっちゃんに笑顔を向けた。
「当たり前だよ・・・。」とたっちゃんも笑った。
そして藍紅の方を見たけど藍紅の姿は何処にも無かった。
家の中に入ると中から「おかえり」と2人の声が聞こえた。
覗いてみると「藍紅ママ!」がママと居た。
ママと藍紅ママは仲良しで暇さえあったらこうやって2人で話しているのだ。
「市那は可愛い子を産んだねぇー」と藍紅ママが私の髪を触った。
「あら二子だってかっこよくて優しい子を産んだじゃない!」とママが笑顔で答える。
「幼い頃から藍君は藍那ちゃんの後ろばかり付いて行ってたよね・・・」と藍紅ママは、話し出した。
「そうね・・・なのにある日2人が遊びから帰ってきた時に、藍紅君は藍那の手を引っ張ってたのよ。」とママが私にジュースを注いでくれた。
藍紅ママとママは食卓テーブルに並んで座った。私も2人の前にちょこんと座った。
「そう言えばこの間から気になってたんだけど・・・」とママが私を見た。
「藍那は藍紅君との約束を忘れたの?」と聞いた。
「約束?」と私は記憶を探した。
だけど藍紅と約束なんて沢山してるし・・・と探すのを止めた。
「あら藍那ちゃん藍君との約束忘れちゃったんだ?」と藍紅ママは驚いた顔をした。
「あの時はビックリしたわよ!」と2人はクスクスと笑った。
「そうそう!確か大人4人でバーべキューの準備をしてた時だったよね?」とママが言った。
私が首を傾げると・・・。
ママが「藍紅君が突然『ぼくとあいなちゃんはおおきくなったらけっこんします』ってパパの前で宣言するもんだから
パパが『まだ許さん』って本気で言ってたんだから。」と再現した。
私は微かな記憶を見つけた。
幼い頃私と藍紅だけの秘密の場所があった。
その後もママ達は喋り続けた。




