君がキスをした
このページは藍那サイドの話です。
私は教室に戻った。
誰も居ない教室はシーンとしてていつもより広く感じた。
窓側の藍紅の机に座った。
机に顔を付けると藍紅の香りが残っていた。
何だか安心した。
そこに誰かが来た。
声で藍紅だと分かった。
私は慌てて寝た振りをした。
そっと乗せられた手に安心して涙が零れた。
心が藍紅を求めてるのだった。
だけど、たっちゃんを好きな気持ちは嘘じゃない・・・。
もう、分からなかった。
その時、藍紅がキスをした。
私はビックリして起きた。
その時たっちゃんの顔が頭に浮かんだ。
藍紅は何事も無かったかの様に冷たい言葉を放った。
そして藍紅は教室を出て行った。
私は窓を開けて空気を吸い込んだ。
たっちゃんの事。藍紅のキスの事。
全部が心から出て行くように・・・。
その時後ろから抱きしめられた。
「君は僕の事が好きな筈だよ。」と耳元で聞こえた。
藍紅の声だった。
「何で分かるの?」と振り返った。
私は、藍紅の顔が近くて赤くなる顔を下に向けた。
藍紅は「本当に覚えてないの?」と悲しそうな顔をしながら私の顎を少し上げた。
「えっ?・・・」と私は藍紅の顔を見た。
「そっか・・・」と言いながら藍紅は私の手を引っ張った。
「一緒に帰ろう?」と藍紅はにっこり笑った。
私は「うん」と言って教室を出た。




