兄弟と運命
初めまして。猫柱と申します。
この小説は完全なフィクションです。
シリアス・死ネタ・弱グロが含まれております。
僕等の父さんは偉大なる警視総監であった。
父さんは、拳銃の腕前が良く、犯人を殺さないように撃てた。狙った部分に必ず撃てた。 「英雄」と称されたほどだった。
僕等はその英雄のもとに生まれた仲の良い兄弟。兄・国柱栄羽 弟の僕・国柱玲羽 年は3つはなれている。
兄は父さんをとても尊敬している。「父さんのようになりたい。」と父さんに拳銃や体技を習っていた。
それは僕が14歳の夏だった。
今日も練習場から銃声がきこえる。兄さんだ。僕は兄さんの所へ行って、黙って練習を眺める。何事にも真っ直ぐ真剣に取り組む兄さんはかっこいい。優しいし、頼れるし、僕は兄さんが大好きだ。
バンッと銃声が鳴る。その時兄さんは初めて狙った部分にあてた。
「玲羽!見たか!?」
「やったね兄さん!!」
僕はとび跳ねて喜ぶ。不器用な兄さんの努力が実ったのだ。
「すごいじゃないか。栄羽。」
ちょうど父さんが見ていたようだ。
「父さん!!俺頑張ったよ!!」
「そうだよ!兄さんすっごく頑張ってたよ!!」
「どれ、玲羽も撃ってみたらどうだ。」
僕は基本を手短に教わり、ダーツの的に向ける。
一発目。銃弾は的にもあたらなかった。
二発目。またあたらない。
「ははは。最初はそんなものだ。」
父さんがそう言い放った後の三発目。 思えば悪夢はここから始まっていた。
銃弾は的の中心を綺麗に打ち抜いた。四発目、五発目も。
全員言葉を失い、しばらくその場には沈黙がひろがった。
「す、すごいな玲羽!!」
沈黙を破ったのは父さんだった。
玲羽には才能があった。反射神経・運動神経・判断力・勘。 何より賢くて器用だった。
玲羽が栄羽を超すのにはそう時間はかからなかった。
だんだん父さんは僕ばかり相手するようになった。
練習場にはもう兄さんの姿はなかった。
あの日から一年ほどたっただろうか。
「あ 兄さん!」
階段を下りてくる兄さんに僕が話しかけた。
兄さんの口数はぐーんと減っていた。
「ねえ、また練習しようよ。」
「・・・。」
「僕、一緒に練習し「うるせえ!!」
兄さんは僕を睨み、足早に去っていった。
あんなに怖い兄さん、初めてみた。
・・・正直、腹がたった。
それから僕も兄さんに話しかけなくなった。
兄さんは部屋にこもるようになった。
あの仲の良い兄弟と大好きな兄さんはどこにもいない。
あんな兄さん大嫌いだ。
「ただいま。」
僕が塾から帰ってくると、父さんと母さんは何かを見つめ、楽しそうに話していた。
パンフレットだろうか。なんで急に。
「ああ、お帰り玲羽。」
母さんがにこにこしながら言った。
「・・・何それ。」
「旅行に行こうと思ってな。みんなで。」
「・・・兄さんは?」
「つれて行くよ。これを機会に話し合おうと思う。それで謝ろうと思うんだ。」
「父さん・・・!」
嬉しい。またあの日々が帰ってくるかもしれない。
兄さんが、兄さんが元にもどるかもしれない!!
「あのさ、僕・・・!」
その時、ガチャリ、とドアが開いた。
「兄さん・・・・・!!・・・」
滅多に顔を出さない兄さんが現れた。
・・・右手に拳銃をもって。
僕は危険を感じとり、すぐさまに隠れ、身を潜めた。
兄さんの奇声とともに、乱射される拳銃の銃声、父と母の悲鳴。
悲劇の音が鳴り響き、僕の耳に突き刺さる。
きっと父と母は、もう。
それからゆっくりと僕に迫る足音。だらだらと流れる冷や汗とはやまる鼓動が僕の恐怖を倍にする。
(・・・今だ!!)
僕は兄さんの拳銃にとびかかり、奪おうとうでをねじる。
兄さんも奪われまいと必死に抵抗する。
激しい奪い合いが続く。
「や、めろ!兄さん!!」
「放せ!!撃つ、ぞ!!」
「馬鹿な、こ、と言う、な!!兄、さん!!!」
「だまれ!!!!」
「こんなことしたって!!解決しない!!!」
「だまれだまれだまれええええ!!!!」
ズドン。
嗚呼、運命とは、いかに残酷なものなのだろうか。
銃弾は見事に兄さんの左胸を撃ち抜いた。
つづく
改めまして猫柱です!
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