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《最強の僕っ娘、冒険者ライフしたら専用武器が超ハイスペックで無双する》  作者: やはぎ・エリンギ


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《報酬と説教後の一杯》

ここは、ラスティアの街にある冒険者ギルド――その名は、

南端の砦(Fort of the South End)。


僕は、さっきまでアスカの森奥の廃神殿跡での

“ゴブリン大量発生事件”の事情聴取を終えたばかりだった。

ギルドの二階、酒場兼休憩所。

喧騒の中で、僕は焼いた肉をフォークで突き刺し、無言で口に運ぶ。

香ばしい匂いが鼻を抜け、

舌の上で油が弾けた。

「……ふぅ、やっと落ち着ける」

椅子の背にもたれ、木製の皿に残った肉を見下ろす。

討伐報告、素材提出、事情聴取。

どれも時間を食ったが、報酬は悪くない。

問題は――

あの廃神殿跡で見た“アレ”の正体だ。


僕は肉をかじりながら、さっきの事情聴取を思い返していた。

「闇商人がゴブリンを捕まえて貴族に高値で売ってた、ねぇ……」

その話は、聴取の最中に職員がポロッと漏らしたものだった。

どうやら珍しい個体ほど高値で取引されるらしい。

だが、そいつらは廃神殿の地下で――

古代の封印を解いちまったそうだ。

「おかげで、あの森は今やモンスターの巣窟か」

商人たちは慌てて逃げ出したらしいが、

その途中でカイルが偶然出くわして――

結果、奴だけギルマスに呼び出されてこっぴどく怒られていた。

「あははっ……運が悪いな、カイル」

僕は酒を一口あおり、

ひとり静かに笑った。


皿の上の肉を片づけ終えた頃、

僕は懐から一枚のカードを取り出した。

――《古代兵ゴーレム・デストロイ》。

廃神殿で倒した“古代兵のゴーレム”のカードだ。

ギルドに持ち込んで鑑定を頼んだんだけど……

「鑑定不能、ね」

受付嬢の言葉がまだ耳に残っている。

魔力反応は確かにあるのに、

属性もランクも、誰にも判別できなかった。

当然、売値はゼロ。

普通の冒険者なら落ち込むところだけど――

「ま、使用許可は下りたし。売るつもりない僕としてはラッキーさ」

レアは笑い、カードを指先で弾く。

淡い光が走り、一瞬だけ石のような紋様が浮かび上がった。

ギルドのざわめきの中で、その光は誰にも気づかれずに消えた。


階段の下から聞き慣れた声がした。

見ると、カイルが肩を落としながら上がってくる。

どうやらギルマスの説教タイムが終わったらしい。

「よう、カイル! 散々だったね~」

レアが笑うと、カイルは顔をしかめた。

「なんだよ、レアか……笑いごとじゃねぇよ。

 本っ当に散々だったんだからな」

「でも、しっかり生きて帰ってきたじゃん。ほら、立派立派」

「お前なぁ……。

 ま、でも金はそこそこ入ったし、帳消しだな」

カイルはそう言って、テーブルの前の席にドサッと腰を下ろした。

「じゃ、ここは僕が一杯奢るよ」

「おお、わりぃな。助かるぜ」

二人分のジョッキがテーブルに置かれ、泡が音を立ててこぼれる。

カイルがひと口飲んで、深く息を吐いた。

「……生き返る〜」

「説教よりも酒のほうが効くって顔だね」

二人の笑い声が、酒場の喧騒に溶けていった。

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