《王都図書館の設計図》
王都中央図書館。
高い書架の間で、ゼノの端末が低く唸っていた。
「……あった」
画面に青い線が走る。
古代兵装分類。
補助ユニット構造。
出力分岐フレーム。
レアが覗き込む。
「これ……要塞の文字と同系統?」
「同じ青だ」
ゼノは短く答える。
「兵装ユニット仕様」
「武器に後付けする前提で書かれてる」
ミーニャが尻尾を揺らす。
「つまり?」
ゼノは端末を回した。
「レアの《零・改》だけの話じゃない」
「全員の武器に噛ませられる構造だ」
アリエルが目を丸くする。
「……私の杖も?」
「できるかもしれん」
ゼノは《スレッド・リーパー》を見る。
「糸制御部に補助演算層」
「暴走域も狭められる」
セレスが静かに言った。
「因果の揺れも、抑えられますね」
ルークは自分のレイピアを見下ろす。
「剣は?」
「雷導路を二重化できる」
「受け流し精度も上がる」
ミーニャが《ツインヘリックス》を掲げる。
「私のはにゃ?」
「回転軸に重力補正」
「固定力と貫通力、両立できる」
レアはガントレット《零・改》を軽く叩いた。
「……ってことは」
ゼノが続ける。
「カード融合型の武装展開」
「理論上は全員分組める」
「成功すりゃ」
ニヤリと笑う。
「クロス零全員、オルタナティブ持ちだ」
セレスが息を飲む。
「……それは」
レアは笑った。
「夢あるね」
ゼノは端末を閉じる。
「図面は持ち帰る」
「イヅナ・ハーミットの工房で試作」
「失敗も山ほど出る」
「構わない」
レアは即答した。
「やろう」
ミーニャが拳を突き上げる。
「全員パワーアップにゃ!」
アリエルは小さく微笑む。
「……楽しみです」
ルークは短く頷いた。
「戦術の幅が広がる」
セレスはレアを見る。
「また、一段先ですね」
レアは図書館の天井を見上げた。
古代の設計。
未来の武装。
「行こう」
「次は工房だ」




