オセロ【創作小話】
「白眼の時って何にも見えなーい」
白目を剥きながら話しかける。
黒目に戻ると
「目ってオセロだよね」
「急にどうした、脈絡ないね」
「あるよー、めちゃめちゃ!
白目の時は視界が黒く、黒目の時は白いじゃん。これってオセロと同じ白と黒が表裏一体って言うの、そんなみたいじゃん」
「でもさ、世界はいろんな色で溢れてるから白とは言えないんじゃない?」
少し上を向いて、
「でもさ、黒目で見てるのは光でしょ。
光はどんな色が重なっても最後は白になるんでしょ?」
確かに…
「ってことは、世界は白いとも言えるんじゃない。」
「そう言われたらそんな気がするわ」
それからと言うもの、オセロを見ると白目がチラつくようになった。いい迷惑だ。