影に染まる夜明け
前書き
神を信じる者、信じない者、そして神そのものとなる者――この世界は、無数の信仰と力が交錯する舞台だ。
かつて普通の高校生だった秋葉陵は、ある日、不慮の事故で命を落とし、異世界へと転生した。その先で目覚めた彼の身体は「カロスト・ダニス」という名の冒険者としての姿だったが、その背後には神の力と神々の陰謀が渦巻いていた。
そして出会った謎の女性――軽蓮。黒髪に鋭い眼差しを持つ彼女は、その背に輝く二対の翼を隠し、神の道を歩む存在だと告げる。彼女の語る世界の仕組み、信徒と祝福、そして「仙神」や「亞神」の頂点へと至る道――すべてが人間としての常識を超えた話だった。
だが、彼女の軽やかな振る舞いとは裏腹に、周囲の空間を裂くほどの強大な力と怒りが潜む。その言葉の端々に感じられるのは、何か失われたものへの哀しみと、遠い過去から続く未解決の宿命。
「三百年前と同じね――神尊、あの奴がまた……。」
語られる秘密と未曾有の危機に、陵は巻き込まれていく。その手には、軽蓮が託した光る人影――見覚えのある気配を持つ魂の瓶。
神々の祝福を巡る戦い、無神論者の強大な意志、そして転生者の運命が交錯する中で、陵は問い続ける。
「僕は、この世界で何を信じ、何を守るべきなのか?」
そして軽蓮の背中に輝く四つの羽が示すもの、それは彼女が辿りついた「答え」なのか、それとも果てのない苦悩の象徴なのか。
今、新たな旅の幕が上がる。信じる者と信じない者の間で揺れる、運命の物語が――。
陵と暗蒼邪教の一団は、その場に立ち尽くし、ゆっくりと昇る太陽を見つめていた。
それは単なる夜明けの象徴ではなく、この戦いに終止符を打つものでもあった。
「陵、これからどうするつもり?」
陵は手に持った彼女の魂が入った瓶を強く抱きしめながら、うつむいて小さく首を横に振った。
「わからない、まだ考えていないんだ」
「それなら……俺たちに加わらないか?」
嵐は手を差し出して陵を引き起こそうとした。その仕草はまるで、あの日の紗雪のようだった。だが、その瞬間、影がいつの間にか二人の間に現れ、嵐の手を叩き落とした。
「本気でこいつを連れてくる気か?こんな役立たずはここには向いてない」
影は片手で陵の額を軽く突きながら、嵐に向かって冷たく言い放った。
「俺は信じてる。陵だってやればできる。磨けば光る素材だよ」
「……まあ、俺と同じ隊にさえしなければ別に構わない」
「いや…」
陵の突然の叫びが二人のやりとりを遮った。嵐と影は驚いた表情で陵を見つめたが、彼は拳を軽く握りしめ、遠くを見据えていた。
「俺にはまだ力が足りない。他人を守れるくらい強くなってから、もう一度選択したいんだ」
「じゃお前は好きにしろ、もうお前と関わりありたくないから。」
「影、あなたはそろそろその口の悪さを治っでくれない」
「はか?きさまうるさいな、もんくあるの?」
嵐と影が言い争いを続ける中、緋はふと遠くを見つめ、少し真剣な顔つきになった。彼女は翼を軽く広げると、二人の会話を遮るように口を開いた。
「ちょっと待って、静かにして。」
その鋭い視線の先に、何かが動いている気配があった。陵もその方向を振り返り、注意深く目を凝らす。
だが、視界には風に揺れる木々と、戦いの跡が残る荒れ果てた大地しか見えない。
「……どうした?」嵐が眉をひそめて尋ねると、緋はしばらく沈黙した後、小さく首を振った。
「……いや、気のせいかもしれない。でも最近、妙な気配が周囲を漂っているのよ。」
影が腕を組んで軽く鼻で笑った。「お前の勘なんて当てにならない。幻覚でも見たんじゃないか?」
「だったらいいけど……」
緋は一瞬だけ険しい表情を見せたが、すぐに気を取り直したように笑みを浮かべた。
「まあ、何もなければそれでいいわ。」
しかしその場にいた全員が、どこか得体の知れない不安を胸の奥に感じ取っていた。
「歓迎するよ。エデタの教会を守るために命をかけた者には、この場所はいつでも開かれている」
緋は陵を一気に引き起こした。その瞬間、陵は彼女の深紫色の瞳と鱗で覆われた全身を間近で目にした。その姿は、彼のモノクロの世界に鮮烈な色彩をもたらした。
「礼として、質の良い武器を作ってあげようか?」
「いいのか?でも……」
陵は自身の倉庫にわずか600テルしか残っていないのを見て、深いため息をついた。
「何を心配してるんだ?金は取らないよ」
「それなら……お願いする」
「武器ができるまでの間、俺たちと一緒にいればいい。その後は君が選べばいいさ」
陵と緋が握手を交わすと、緋は翼を広げて遠くへ飛び去った。一方、影は陵の肩に手を置き、無言で彼を別の場所へ引きずった。
影は静かに仮面を外すと、包帯で巻かれた顔の下半分、そして毒蛇のような鋭い瞳を露わにした。
「どこに行くんだ?」
「黙って待っていろ」
陵の目の前に黒い霧が渦巻き始め、次に目を開けた時には影と共に馬車の中にいた。
「ついに出てきたか、公爵殿下」
「お前は誰だ?カロスト、君までなぜ……?」
目の前には初老の男性が座っていた。それはセルトの父親だった。影は片手で陵とその男性の間に割って入り、静かに一言を発した。
「うるさい、黙ってろ」
「君の娘はどうなったか知っでる?」
影はどこからか魔晶を取り出し、それを強く握り潰した。漆黒の手袋が魔晶の魔力を吸収するのを確認すると、彼は冷たく父親を見下ろした。
「死んだ、もういない」
「?!お前、なぜ彼女を守らなかった!」
父親は怒りに駆られ、拳を握りしめて陵に向かって殴りかかった。しかし、影はそれを簡単に受け止めた。
「黙れ、ゴミカス」
影は父親の拳を軽く捻ると、骨が砕ける音が響いた。そのまま顔包帯を解くと、右頬には耳まで達する深い傷が露わになった。その傷口を影は舌でゆっくりとなぞり、嘲笑うように父親を睨みつけた。
「もう忘れたのか?俺はお前をずっと覚えているぞ」
影の冷たい声が空間を支配するように響き渡った。
「金のために娘を売ったくせに、今さら何を偉そうにしてるんだ?お前なんか、娘を道具扱いしたクズと同じだ。」
公爵は一瞬目を閉じ、震える声で反論しようとした。
「……俺は……娘の幸せを――」
「黙れ!」影が鋭く遮った。その瞳には怒りと軽蔑が入り混じっていた。
「『幸せ』だと?国での立場の安定を理由にしただけじゃないか。確かに、あいつは何も言わなかった。反対もしなかった。」
「だが、それはお前に失望していたからだろう。家族として、父親として何も期待していなかったんだ!」
公爵の顔が苦悶に歪む。彼は何かを言いかけたが、影の言葉が止まらなかった。
「てめぇは本当に馬鹿か。あの相手がどんな奴か、そして娘が何を考えていたか。だけどお前は無視した。いや、見ないふりをした。国での立場のためだと自分に言い聞かせて――だが、何も守れなかった。」
「お前の脳内は大腸とおんなじものでもはいでいるの?」
「俺は……俺は――」公爵の言葉は途切れ、拳を握りしめた。
「何もかも、そうするしかなかった……!」
影は冷笑を浮かべた。
「そうするしかなかっただと?確かに、立場を安定するための判断だと言えば聞こえはいい。」
「だが、娘を犠牲にして得たその安定は、本当に価値があったのか?お前の選択が、あいつを殺したんだ。」
影は拳を握りしめ、震える声で続けた。
「お前のその口からは、いつも大義名分しか聞こえなかったな。昔も今も。……お前の言葉がどれだけ空っぽか、俺はよく知っている。」
「お前本当に変わっでないな、同じ馬鹿なことしかやっでいる」
公爵は一瞬目を見開いた。
「……昔?」
影はそれ以上は何も言わず、ただ冷たい視線で彼を睨みつけた。その視線には深い怒りと、過去の記憶が垣間見えるようだった。
「お前は俺より覚えているはずだ」
「今からの後悔は遅いんだ」
影の目は憎悪に染まり、その手には怒りが力となって現れた。そして、最終的に父親の骨を完全に砕き、陵を連れてその場を去った。
「あの…君達知り合い?」
「君と関係ねぇだろ」
影は新しい包帯を取り出し、その傷を再び隠した、陵はは彼の体から、まるで蛇に絞られて、呼吸すら出来ないようなオーラを感じた。
「その傷口…」
「いいから黙って」
「先に言いとく、俺は君のこと一度も認めていないから、俺を倒せたならみとめる」
嵐たちの待つ場所に戻ると、影は陵に冷たく言った。
「俺はまだお前を認めたわけじゃない」
その後、嵐と陽が歩き始め、陵も彼らの後を追った。途中で嵐が立ち止まり、静かに呟いた。
「誰も見ていないな。そろそろだ」
地面から巨大な黒い手が現れ、三人を地下へと引きずり込んだ。次に目を開けた時、陵の目の前にはまるで別世界のような景色が広がっていた。
ここは外の都市ほど繁華ではないが、どこか懐かしさを感じる場所だった。
「見つからないようにするため、暗蒼邪教の先輩たちがこの星陸に新たな小世界を創り出したんだ。許可がなければ入れないようになっている」
陵は嵐に案内され、空いている家に落ち着いた。すべてを脇に置いてベッドに倒れ込むと、彼は深い眠りに落ちた……。
はぁ〜〜、二章も、終わり〜〜
三章も、できるだけ早く終わらせます〜
(まぁ…あまり期待しない方がいい)
〇〇:「2\14学力検査だよ、大丈夫?」
僕:「2\14か………ってはや!残り…一ヶ月⁈やばい〜〜〜」
そう、私には、高校入試という問題があったな〜〜
(思考中……………)
まぁ…更新はするけと、前より少ないかな〜
(前もうけっこう少ないけど、週一回もムズイけど、これからどうしよう!!!)
でも!頑張りまーす




