炎に燃え切った命
恐怖と葛藤に縛られる陵は、荒れ果てた村を守るため、魔晶を用いながら戦いに挑む。侵入者たちを前に彼は迷いと絶望の狭間で揺れるが、失うものが何もないことに気づいたとき、自らの命を懸けた反撃を決意する。圧倒的な防御力を持つ敵リーダーとの対決を通じ、彼は追い詰められながらも、破壊という「神の一手」を繰り出す覚悟を胸に戦場へ飛び込む。
陵は頭を上げて、その空を見つめた。太陽の光はすでに見えなくなっていたが、それでも無数の火花が周囲を照らしていた。額から流れる鮮血が一瞬で目に入り、視界を遮るように広がった。
「戦うか…来い、命なんて、どうせ一文にも値しない」
鮮血に染まった目で、陵は群衆をじっと見据えた。その後、彼は身をかがめ、獲物を狙うように重心を低くして立ち、乾ききった唇を舐め、半分の鎌をぎゅっと握りしめた。
「ガキ…何を威張ってるんだ!」
そう言って、リーダーが拳を振り上げ、陵に向かって突進してきた。
しかし、その拳が近づく瞬間、陵は激しい火炎に飲み込まれ、赤い炎が彼の背後に広がった蒼時教の神殿を照らした。
だが、炎の中に立つ陵は何の痛みも感じず、疲れも一瞬で消え去り、全身に力がみなぎった。彼は目の前に広がる人々を見渡し、まるで時間が遅くなるように感じた。
「こいつ…本当に命を捨てる気か、みんなで行け!」
後ろの集団が波のように陵に向かって突進してきた。しかし、陵はその場に立ち尽くし、彼らを冷徹に見つめた。
「来い、試してみろ」
「魔力付与」
陵は壁を蹴って群衆の中に飛び込むと、まるで戦神のようにその命を奪い始めた。近づいてくる者はすべて、燃え盛る烈火に焼かれ、皮膚が炭化していった。
陵は群衆の中を縦横無尽に駆け回り、彼の目には仇恨と血の色が広がっていた。血しぶきが飛び散り、周りの者たちはその光景を見て、恐怖で後退していった。
戦いが長引くにつれて、陵のマントは星のように周囲に火花を散らし、彼の皮膚も次第に焼けていった。それでも陵は躊躇することなく群衆の中に突進し、その口元には微かな笑みが浮かんでいた。
殺す者が増えるにつれ、理性がどんどんと離れ、今、彼の脳裏にはただ一つの考えがあった。
「こいつら、全員殺す」
矢が体に突き刺さっても、手を止めることなく、ついに彼はリーダーの前に立つ。片手で鎌を構え、彼に向けて突き出す。
「終わりだ」
「何が偉そうに…お前、誰だと思ってる!」
リーダーがそう言って側蹴りを放ち、陵の腰に直撃した。だが、彼は火炎の焼け爛れを無視し、ただその小僧を倒すことだけを考えていた。
陵は立ち止まり、リーダーの拳が目の前に来るのを見つめ、そのまま鎌で拳を弾き、続けざまに手首を切り裂いた。熱い鎌が肉に触れると、すぐに出血が止まった。
数回の衝突の後、陵の鎌はひび割れ、彼の拳も焼け焦げていた。陵は治療薬を取り出そうとしたが、いつの間にか使い果たしていた。残る鎌の残骸を投げ捨て、彼は拳を交わし始めた。
二人は一撃一撃をぶつけ合い、だが体格差から陵が倒れる。しかし、リーダーもまた焼け死んだ。
だが…陵はまだ後ろに残る多くの敵を見て、再び立ち上がった。
「3、2、1、0、任務終了」
鈴の音が響くと、周囲の者たちは瞬く間に地面に倒れ、暗紅色の雷光がその場を照らした。
「安らかに眠れ」
突然、深紫色で白い両目から赤くて、まるで涙が出たような仮面をつけた人物が現れ、陵の前に立った。その人物は、あの時、彼を助けた「緋」だと気づいた。
「『嵐』、魔力暴走の人がいる、レベルは6以上の可能性」
「了解!」
半分の面をつけ、ニミ目の美少年が陵を蹴り倒し、陵は一瞬にして火炎の痛みを感じた。
「冷静になれ、すぐに治る」
少年は手を陵の胸に当て、淡い青い光が二人を包み込んだ。
「世の仙霊よ、この迷子の雀を広い空へと導いてくれ」
「アマノマサリー」
その瞬間、陵の体の痛みが大きな手に支えられるように感じ、痛みと共に青い光が消えると、彼はすぐに回復した。しかし、その少年はすぐに動き、周囲を覆う巨大な魔法陣を展開した。
「魔晶、頼む」
「え…うん、分かった!」
慌てて小柄な女性がポケットから魔晶を取り出し、それはまるで命を持つかのように鼓動していた。
「偉大な神々よ、迷い、深淵に落ちた者たちに温かさを与え給え…」
そう言いながら、彼は両手を広げて空を見上げ、背後に二対の翼を広げて、周囲を照らし始めた。
その瞬間、明るい光が町を照らし、周りの黒い霧と対照的な場所が現れた。
「サード・ゴットズ グラージアンドマーシ」
周囲が白い光に包まれ、温かく細やかな気配が陵の体を満たし、彼の目は元のように戻った。
「それで…大丈夫か?」
少女が槍を抱えたまま怖がりながら陵を見つめ、少しずつ近づいてきた。彼女の腰には、黒と白に分かれた無傷の面が掛けられていた。
「どう思う?」
陵は彼女をじっと見つめ、彼女は自分が間違ったことを言ったのだと察して、すぐに頭を下げた。
「す、すみません…こんな状況で無事なんてありえませんよね…私はバカです…」
「いいえ…大丈夫だよ」
「はぁ……良かった」
陵は目の前で安堵した彼女とその男性を見つめ、彼らの面が何を意味するのか考え始めた。
「ここは緋、暴乱処理完了」
「了解、すぐに来て」
緋が太刀を握り、雷光が閃くと、まるで稲妻のようにその場を離れて行った。
「小さな可愛子ちゃん、僕らも行こうか」
その男性が少女の頭を撫で、彼女はその手に応じて頬を擦り寄せた。
「うん、分かった!」
「それで…」
陵は彼らが去ろうとするのを見て、手を伸ばして呼び止めた。二人が疑問の表情で振り返ると、陵は言った。
「一緒に連れて行ってくれないか?」
「うん…」
男性は少し考えてから、陵の手を引いた。陵は驚き、彼がすぐに自分のお願いを受け入れてくれるとは思っていなかった。
「行こう。俺のコードネームは『嵐』、彼女は『陽』だ、行こう」
そう言って、流は手招きし、陵と陽は彼の後ろをついて、小さな町を後にした…




