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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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百合短編

魔界(まかい)のプリンス女子、お城を買う

作者: 転生新語
掲載日:2024/03/05

 僕(ぼく)は魔界(まかい)のプリンス、そして女子(じょし)さ。魔界(まかい)では珍(めずら)しくないから気(き)にしないで。


「僕(ぼく)も大人(おとな)になったから、彼女(こいびと)と暮(く)らす城(しろ)を従業員(じゅうぎょういん)とセットで買(か)いたいんだよ。内(ない)見(けん)というか、内(ない)覧(らん)はできる? 物件(ぶっけん)の確認(かくにん)だね」


 不動産(ふどうさん)業界(ぎょうかい)では、賃貸(ちんたい)の場合(ばあい)は内(ない)見(けん)、購入(こうにゅう)の場合(ばあい)は内覧(ないらん)って言(い)うらしい。僕(ぼく)は城(しろ)を買(か)うつもりだから内覧(ないらん)かな。


「ど、どうぞ! ご覧(らん)ください」


 不動産(ふどうさん)業者(ぎょうしゃ)の女性がカタカタ震(ふる)えながら、城(しろ)の中(なか)を案内(あんない)してくれた。緊張(きんちょう)しすぎだよ、大(おお)きな取引(とりひき)だからかなぁ。


「君(きみ)、若(わか)いけど新入(しんにゅう)社員(しゃいん)?」


「はい。社員(しゃいん)一同(いちどう)、プレッシャーに負(ま)けまして。失(うしな)うものが無(な)い新人(しんじん)の私ならば、ダメで元々(もともと)だと社長(しゃちょう)から送(おく)り出(だ)されました」


「ふーん。庶民(しょみん)って大変(たいへん)なんだね」


 僕(ぼく)は魔界(まかい)のプリンス女子(じょし)で、後(あと)継(つ)ぎは兄や姉になるから、恋人(ハニー)との新居(しんきょ)暮(ぐ)らしに専念(せんねん)できる。今日(きょう)も僕(ぼく)は恋人(ハニー)同伴(どうはん)だ。困(こま)ったのは、購入(こうにゅう)の決(き)め手(て)が見(み)つからないことだった。


「予算(よさん)は幾(いく)らでもあるけど。何(なん)でも買(か)えるのって、逆(ぎゃく)に買(か)い物(もの)が難(むずか)しいんだよね。君(きみ)、何(なに)か僕(ぼく)に売(う)りつけてよ。不動(ふどう)産屋(さんや)でしょ?」


「無理(むり)ですよぉ。お城(しろ)のことなら、プリンスの方(ほう)が詳(くわ)しいじゃないですかぁ」


 あれこれ話(はな)した後(あと)、新入(しんにゅう)社員(しゃいん)の子(こ)がアイデアを出(だ)してくれた。


「どうでしょう。ここは一(ひと)つ、恋人(こいびと)さまの意見(いけん)を伺(うかが)ってみては」


「いい案(あん)だね。ではハニー、君(きみ)にご希望(きぼう)はあるかな?」


 そう訊(き)いてみると、僕(ぼく)のハニーは、にっこり笑(わら)って言(い)った。


「私、ネコちゃんが欲(ほ)しいです」




「まさか、私も買(か)われるとは思(おも)いませんでした……」


 不動産(ふどうさん)業者(ぎょうしゃ)の元(もと)・新入(しんにゅう)社員(しゃいん)の女性がそう言(い)う。彼女は獣人族(じゅうじんぞく)で、僕(ぼく)のハニーは猫(ねこ)耳(みみ)の彼女を気(き)に入(い)ったらしい。業者(ぎょうしゃ)にも金(かね)は払(はら)ったし、彼女はハニーの専属(せんぞく)メイドとして充分(じゅうぶん)な給金(きゅうきん)を貰(もら)っている。


「結果(けっか)オーライじゃないか。君(きみ)の実家(じっか)に近(ちか)い城(しろ)を買(か)ったし、何(なん)なら家族(かぞく)を呼(よ)んでもいいよ」


 恋人(こいびと)は猫(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)を可愛(かわい)がって、その姿(すがた)を見(み)ると僕(ぼく)も幸(しあわ)せだ。今(いま)なら愛人枠(あいじんわく)も空(あ)いているから、そこの君(きみ)も飼(か)われてみないかい?

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