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ミライマニア  作者: かずぺあ
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シリタイミライシラナイミライ

未来が知りたい。予知能力、未来人、占い、タイムマシン、なんでもいいから未来が知りたい欲求は誰しもが一度は思ったことだろう。

未来を予測することができても、それが確実に起こるかは断言できない。


だが、もし確実な未来を知ることができたら君ならどうするだろう。ギャンブルで大金を得るのか、はたまた流行を先どりしてインフルエンサーになるのか、それは個人の自由である。


私たちは理由がどうであろうが、手段がなんだろうが確実な未来を知りたい。その欲求を満たしたいのだ。私たちと一緒に輝かしい未来をみようではないか!


という手紙が俺の下駄箱に入っていた。


入学式の次の日のことだった。怪しげな封筒にでも入っていれば何も気にせずゴミ箱行きだったのだが、ピンク色のかわいい便箋にハートのシールまで貼られていて、まんまと釣られてしまった。完全にラブレターものだと勘違いした俺は内心ドキドキしながらも、ふーんという態度をとっていた。


早く読みたい気持ちを抑えながら、風呂に浸かり目を瞑り手紙の内容を妄想する。


【さくらの木の下で待ってます。絶対来てね】


ってな感じのとこまで見えてしまった自分が恥ずかしい。


俺が通う高校は割りと進学校なんだが、なかなか斜め上からのアプローチを受けるとは思わなかった。先に言っておくが、進学高でも俺は野球推薦ではいったので勉強はできない。


もしかすると最近SNSで流行ってるドッキリ的なものかも知れない。そうだとしたらあいつの仕業か。


そんなことよりも俺は甲子園で優勝するためにこの高校に来たのだ。少し自慢になるがいわゆる野球留学である。未来を知ると言うのならうちが甲子園に行くのはかなり高い確率の未来だろう。中学全日本代表ピッチャーの俺が来たのだから。それに同じ全日本の4番だったあいつも一緒の高校なのだから。


まぁそんなこともあって正直ファンレターかとも思ったのだ。


そんな輝かしい高校生活が来ると思っていた。


野球部の練習に参加し始めて一週間ぐらいたったときのことだった。仮入部が終わり本入部のときに俺に運命の出会いが。



「花山なつおくんだよね?君に聞くのは失礼になっちゃうかもだけど、本入部でいいんだよね?」



そう言いながら入部届けを持って来てくれたのがマネージャーのはるこさんだ。一目で瞬間的にかわいいと口から出そうになりそうだった。小柄な黒髪ロングで

優しい瞳。これから青春ドラマが始まるなら彼女はヒロインで、俺が主人公のフラグがたったのだと思った。


【甲子園大会決勝、完全試合まで後一人となり、プロ注目のエースなつお。振りかぶって投げた!空振り三振!優勝!プロ野球に入りはるこさんと結婚!】


ここまでの未来が一回の瞬きで見えた気がした。



そんな希望に満ちた未来が一瞬で壊れるなんて



次の日俺は病院にいた。肘が壊れたのだ。選手生命の終わり。呆気なかった。母親は泣いていた。

不思議と俺は泣けなかった。


まだ現実を受け止められなかった。それにピッチャーが無理でも野手でもやれる自信があった。

監督に現状を話して、エースになれなくても野球部で甲子園を目指して頑張ろうと思っていた。


しかし、現実は甘くはなかった。


監督には将来を考えて、進学コースで勉強に打ち込んだらどうだと言われた。そこで俺は気づかされた。ピッチャーじゃない俺には価値がない。甲子園で優勝を目指すような高校には良い選手がゴロゴロいる。

野球推薦で入ったのだから学校を辞めろと言われない

だけマシかも知れない。


同学年の部員が心配して声をかけてきてくれたが、正直うざったく感じていた。完全に腐っていた。



次の日から学校に行かなくなった。

肘の通院と心の整理で一週間休みたいと母親に連絡した。その間にけじめをつけようと思う。今まで勉強してこなかったし勉強に打ち込むか。野手としてやれるとこに転校さしてもらうか。


一週間後


ピロン

「いつも一緒にいるこからLINE聞いちゃいました。はるこだけど、部活でないの?」


はっ?正直神経を疑った。



「みんな待ってるよ」


「とりあえず顔だしなよ」



めちゃくちゃ腹がたった。

けど、きっと悪気があるわけじゃないし正式に部に報告もしてないからしょうがないか。



「明日行くよ」



みんなに短い間だったけどありがとうと言おう。そして次の目標をみつけよう。その為にはちょうどいい連絡だったかもな。



「良かった、明日の放課後屋上集合ね」



その返信のときは気に止めなかったが屋上集合は珍しいな。もしかして、元気つけようと何かサプライズでもあるのか。こういう考えは、楽観的なのか、ポジティブになったと思えばいいのか。そんなことを考えながら屋上へと足を運ぶ。



「ボーイズビーアンビシャス!」



特徴的な声の持ち主は金髪でつり目の多分先輩であろう雰囲気の女の人だった。


「えっ」



そう声が漏れたときに、あぁボカロの声に似ているのだと思った。



「少年よ大志を抱け」



なんか偉い人の名言みたいなことを言っているのは理解できたが、それ以外は一つも理解できていない。



「はっ?誰ですか?野球部は?」



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