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Scene 2 蝙蝠


某日未明。

東京都調布市付近、仙川河岸。


警視庁捜査一課9係 主任の(ひいらぎ)俊朗(としろう)より、未発症《欠番》田沢(たざわ)純希(じゅんき)が覚醒したとの通報を受けた夜警は、仙川河岸へと急行した。


夜警特殊部隊二番隊隊長である須賀(すが)威貞(たけさだ)が現着した頃には、覚醒したと言う田沢本人の姿は既に無く、夜警担当の科捜研職員が、既に爆発炎上して死亡したと言う田沢の飛散した肉片を丁寧に採取していた。



当該事件の現場となったのは河川敷の少し広くなったところで、須賀も現場を散策したが、田沢とともに覚醒したと言う女子高生の遺体さえも既に搬出済みで、

須賀の出る幕はまるで無さそうであった。

そんな彼が、忙しそうに動いている夜警職員たちを目で追っていると、

通報者である警視庁の柊と倉木が、夜警職員とともに実況見分を行なっているのが見えた。


「──強硬派の連中は、ろくでもない雑種なんか作りやがって、まったく──」


夜警職員とのやりとりが終わった柊が、

(ひま)そうにしている須賀を見つけるや否や、(せき)を切ったようにボヤき始めた。


「それは、夜警全体としても防衛手段の一環としてですね──」


「攻撃手段の間違いだろう、己が刀を抜けば彼もまた刀を抜く」


「まあ、そうですが敵を知ると言う意味合いもあるんです──」


一応、六芒院の決定を擁護した、須賀ではあったが、その内に秘めた憤りは隠して置けるものではなかった。


「──ですから(ひい)さんが夜警に戻って仕切ってくだされば、霊泉(れえぜい)(きょう)率いる強硬派の非人道的な行いを黙認しなくても済むんです──」


と言う須賀の言葉に、柊は少し黙り込んでから、


「復帰するにしても、今、目下交渉中の案件があるから、その先方と話がついてからだな──《カウント》の動きも活発になって来たしな」


柊のそんな言葉を聴いて、須賀の顔が明るくなった。


「非人道的と言えば、柊さんの御祖父様は戦時中、中野陸軍学校の理事をなされていた時期がございますよね?」


須賀は突然話題を変えた。


「なんだ唐突に、うちの爺さんが非人道的?──まあ大本営にいたから、間違いないだろうが」


と柊は、怪訝な表情を浮かべたがすぐに納得した。


「“玉城十郎”博士が行っていた《欠番》を使った人体実験について今調べているんです──731部隊の、」


須賀は、顔を顰める柊に恐縮しながらも、食い下がるように柊の顔を見つめた。


「玉城十郎って──731部隊の活動拠点は満州だろ?──何を今更調べてんだよ?」


柊は尚も面倒くさそうに顔を顰めたまま、河川敷の土手を登り始めた。

その後を須賀は執拗に追いかけた。


「当時、兵士の養成機関であった中野陸軍学校の主導で行われた兵士強化を目的とした人体実験もあったようで、玉城は度々満州から内地へ渡航していたようなのです、終戦直後、満州の施設で行われた分の実験記録は戦犯免除と引き換えに玉城が米国へ引き渡しましたが、中野陸軍学校主導の実験結果は、まったく藪の中、その実験施設がどこにあったのかも、うやむやなままで──」


「そりゃ、軍事機密だ証拠隠滅はとっくになされておるだろう、しかし夜警の情報網を持ってしても、そんな施設のひとつやふたつ見つけられんのか?」


「兵士強化施設は4つ、うち、見つかっていないあと1つが《欠番》を隔離し覚醒実験を行なっていたものと考えられます」


「お前がどんな絵を描いているかは知らんが、この70年間何も起こっていない、夜警だって警察同様、事件が起こってからじゃなけりゃ動けん──」


と柊はあまり興味が無いようで、

退屈そうな表情のまま愛想よく笑って見せた。


「我々は旧関東軍が、《欠番》覚醒増進剤の開発成功に至った経緯を明らかにすべきですし、もしかすると当時の被験者が覚醒予備軍として未だにどこかに潜んでいるかもしれない、それが我々夜警の預かり知らぬことでは困るんです」


そんな須賀の話を聞きながら、柊は俄かに足を止めた。


「そう言えば、俺が夜警に居た頃、白井もと子さんて女性に会ったことがある、当時早稲田にあった中野学校の研究棟でタイピストをされていた女性だ、もしかするとまだご存命かもしれん──戦時中、彼女がタイピングの練習のためと称して自宅へ持ち帰った書類の中に多くの軍事機密が含まれていてな──それも膨大な量だった」


柊はそう言うと、倉木が回して来た車の助手席へと乗り込んだ。


「──今もご存命なら、中野坂上に住んでいらっしゃると思う」



柊のその言葉を頼りに、須賀はその足で東京都中野区の中野坂上へと向かった。





東京都奥多摩のとある山中。


ウェブマガジンの記者である如月とカメラマンの植村は、勾配のきつい斜面を一心不乱に登っていた。


過去に鍾乳洞まで向かう山道が整備された事があるというのは、階段跡や道脇の側溝の跡で見て取れた。

しかし、

タクシーの運転手の話では、林野庁の職員がたまに巡回していると言うことだったが、しばらくは人が踏み入った形跡がないと如月は思った。


しばらく行くと樹々の枝葉が揺れる向こう側に、白壁の角張った建物が見えて来た。

いままで足が取られるほど、落ち葉がいく層も堆積していた路面が、急に開けてひび割れたアスファルトが顔を出していた。


「ホテルか何かですかね?」


と植村が、建物の大きさを見て如月へ尋ねて来た。


「ホテル、ホテルがあるなら道ぐらい整備されている筈だろうが──」


それでも誰かいるなら絶対インタビューしてやろうと、如月は建物を取り囲んでいる塀まで駆け寄り、何処か入口はないものか、そわそわと探し回った。


塀は質の悪いコンクリート製で、ひび割れはいるがどこも崩れていたりはしてない。


建物は5階建ぐらいの大きさだが、

外壁に窓がきわめて少なく、外から部屋数が推測できない以上、正確に何階建てとは断言できない状態であった。


一階部分にはいくつか窓が見えたが、その全てに錆びついた鉄格子が付いていた。


「これは、きっとホテルなんて華やいだもんじゃない、病院、隔離病棟、サナトリウム?──」


背丈ほどまで長く伸びた草が、門の鉄柵を覆い隠していた。

如月は邪魔な草木を鉈で打ちはらい、柵の隙間から敷地内を覗き込んでみた。


最初に建物の入口に材木が打ち付けてあるのが見えた。

外壁のペンキが剥がれ落ち、コンクリートの地にはカビや苔類が蔓延っている。


「廃墟だ──」


普通の廃墟ならば、門などに管理者の名前や連絡先が記された看板か何かがあって、人的損壊を防ぐために立ち入り禁止の札ぐらいは下げてあるものだが、そう言った措置はまったく取られていないようだった。


“と言うことは管理地ではないのか?”


更に如月は、バックパックから小型のスコップを取り出し、柵の下側に堆積した土砂を掘り始めた。

まもなく柵の下側に隙間が見え、

彼女はしめしめと鉄柵を力いっぱい揺すった。

しかし鉄柵は長年錆びついていたのか容易には開かなかった。


すぐにでも廃墟に踏み込んでやろうと躍起になっている如月をよそに、植村は建物前を通り過ぎて、さらに森の中へと分け入って行ってしまった。


「こらこら、カメラマン、この画を写真に収めようとか思わないのか?──だいたい手を貸そうって気もないのかい、女子が1人で、この固いのをこじ開けようと必死でやってるのに──」


如月は、吸い込まれるように森に入って行く植村の背中に向かって頻りに吠えたが、彼はまるで聞く耳を持っていないようであった。


「まさかの無視か!」


深い森の中からは生暖かい風が、吹いて来ていた。


如月は建物内へ入る事を諦めて森の奥へ奥へと分け行ってゆく、植村の後を追った。


森の中は昼間だと言うのにとても薄暗かった。樹々の枝葉が日光を遮っているのだ。

地面には枯葉が敷き詰められ、所々で倒れて固くアーチを成した多年草が、如月の足を躓かせた。


「おい、植村──」


呼びかけども彼は答えない。

如月はどんどん不気味な暗がりへ入り込んで行くしかない今の自分の境遇を憂いながらも、必死で先を急いだ。


「──ったく、写真を撮れってぇの、奥多摩までタクシー使って来たのだって編集長に叱られるに決まってんのにさ、こんなところまで来て手ぶらで帰ったら何されるか分かんねぇわ」


如月は吐き捨てるようにガーガー文句を言いながらも、足下の多年草を丁寧に踏みしめながら前へと進んだ。


彼女は結局殆ど足下ばかりを気にしていて、前方に突っ立っていた植村の背中に激しく頭をぶつけてしまった。


「──んなところにボーっと突っ立ってんじゃねぇよ!」


そう激昂する如月に比べ、植村は至って冷静に振り返った。


「──如月さん、有りましたよ」


そう満面の笑みを浮かべる植村の顔を、如月はひと思いにぶん殴ってしまおうかと思ったが、彼の指さす先にあんぐり口を開けている鍾乳洞らしき洞穴を見つけて、拳を握り締めていた事すら忘れて走り出した。


「──植村ぁ、ボーっとすんなぁ、写真を撮れぇ!」


如月は狂ったように叫びながら、ゴロゴロ岩の転がっている足下を気にしながらも、鍾乳洞の中へと入っていった。


しかしすぐに何やら頭上を手で払いながら悲鳴を上げて外へ飛び出して来た。


「──コウモリとか、マジで私ダメなヤツだわぁ」


外では、植村が岩場に三脚を立てるのに悪戦苦闘していた。


「てめぇ、三脚なんかいいんだよ!」


顔を赤らめて怒鳴りつける如月の髪の毛に小さなコウモリの姿を見つけて、植村は奥多摩に来て初めてのシャッター切ったのだった。


「私なんか撮らなくていいんだよ、引きで鍾乳洞を撮れぇ」


「いや、如月さんじゃなくてコウモリ──初めて見たぁ」


「お、お前、早く取れって!」


「はい、撮ってます」



「──じゃなくコウモリを取ってってぇ!」


「──ですから、コウモリ撮ってます!」


慌てて我を失った如月は、軽快にシャッターを切り続けている植村の顔目掛けて履いていた重厚なトレッキングブーツを脱いで投げつけた。


数分後、2人は揃って鍾乳洞の入口を見つめたまま立ち尽くしていた。


「──どうすんすか、ここまで来て」


と植村はカメラを構えたまま、髪がボサボサになったままの如月を見つめた。


「こっちのセリフだわ、お前が中入るしかないわ」


「俺、無理っすわ」


「私だって無理だわ、でもこのまま手ぶらで帰るわけ行かないっしょ──植村行け」


「いやいやいや、この記事モノにして紙媒体復帰を目指すって息巻いてたの誰っすか?──ここは如月さん」


「お前、ずいぶん偉くなったな──」



更に数分後、2人は一緒に鍾乳洞へ入ることで合意した。



説明が遅くなったが、そもそもこの2人がなぜ鍾乳洞散策(ケービング)をする羽目になったかと言うと、

都市伝説など怪奇ネタを売りにしているウェブマガジンの記者である如月はこのところ中々高閲覧数を叩き出すネタにありつけないでいた。

それが昨日、偶然にもSNSである書き込みを発見したのだった。


“奥多摩の山奥には、風とともに人の呻き声のようなもが聞こえてくる鍾乳洞がある”


すぐに書き込みを注意深く確認した編集長は、投稿されたのが10年近くも前であることを指摘し、一旦ボツを言い渡したが、ネタに飢えていた如月は言うまでもなく「たかが10年──」と食い下がりそれを押し通した。


現場、鍾乳洞の前に立つ如月の耳には呻き声のようなものは聞こえない。

意気揚々と奥多摩まで遠出したまでは良かったが、

「ガセ?──」

女の心中には当然の如く一抹の不安がよぎっていた。

しかしながら、噂の真偽の程を確かめるためにも、内部を散策せねばなるまいとも同時に思った。


如月はその時点で初めてバックパックからヘッドライトを装備したヘルメットを取り出して、頭に被った。


「ちゃんと用意してあんじゃないっすか──あれ、僕の分は?」

笑顔から一転して真顔になった植村の言葉を如月はまるで意に介さずスタスタと歩き始めた。


2人が鍾乳洞へ立ち入って直ぐ、外からの音が一切遮断された。

何も無いように感じた外界にも、樹々の枝葉のさざめき、小鳥のさえずりなど生命の息吹があったことに改めて気づかされる。

発泡状に細かな穴ぼこだらけの石灰岩が丸みを帯びながらも激しく凹凸している岩肌。

それらが音の反響を打ち消し吸収してしまうのか、

洞内は異空間を思わせるほどの静けさに包まれていた。


ツララのように天井から垂れ下がった鍾乳石。

その先端からゆっくりと染み出し滴り落ちる水滴の、“ピトッ”と言う些細な音にさえ、如月や植村はいちいち慄いた。


如月は首筋に水滴が落ちようが決して天井は見るまいと頑なに前だけを凝視した。

ヘッドライトの灯りに照らし出された視界には、流木のように有機的な造形の奇岩がまるで墓標のように地面からいくつも突き出し、2人の行く手を阻んでいるようにすら見えた。


天井には大小様々なコウモリが、岩肌が見えなくなるほど隙間なくびっしり蔓延っていた。


地上の鍾乳石には、その夥しい数の糞が容赦なくこびりつき、異様な臭いを発していた。

天井を絶対見ないと決めた如月だったが、糞の量からその生息数は容易に推察する出来た。


「アス、アスス……アス!」


植村には天井でひしめき合うコウモリよりも、如月が一歩踏み出す度に息とともに漏らす妙な掛け声が不気味で仕方がなかった。


その掛け声のお陰か、如月はボコボコ突き出ている鍾乳石をモノともせず、ぐんぐん洞穴の奥へ奥へと進んで行くのだった。


「植村ぁ、この先行き止まりだ──」


と如月は喜び勇んで振り返ると、1人立ち止まったままの植村へ向かって両手を振って見せた。


しかし次の瞬間、如月の姿が暗闇の中で忽然と消えた。


「はっ──如月さん⁈」


植村は脆弱なスマホのライトで地面を照らしながら、たった今まで如月が立っていた地点まで急いで駆け寄った。


彼のスマホのライトが照らし出したのは、幅にして1mほどの縦穴。


「マジか〜」


植村はとっさにスマホを取り出したが、電波がないことに気づき、鍾乳洞の外を見た。

さっきのタクシー運転手が、非常電話がどうのこうの言っていたが、だいぶ遠いに違いないと彼が頭を抱えていると、


「植村ぁ、上に居るか?」


と縦穴の中から如月の元気な声が聞こえて来た。


「はい、居ます、如月さん大丈夫すか?」


「うん、大丈夫、それよりカメラ持ってこっち降りて来い」


「はっ?──」


植村は如月に言われるがまま穴の中へ入って行った。


慎重に穴の中に足をかけて下って行く植村だったが、スニーカー履きが災いしてすぐに足を滑らせ転落してしまった。







東京都中野区、中野坂上駅付近。


須賀威貞は、柊から教えられた白井もと子宅の玄関に居た。

彼を出迎えたのはもと子の娘だった。


娘の話によると、もと子は既に3年前に他界したと言うことだった。


須賀は話せる範囲で事の経緯を娘に話し、戦時中にもと子がタイピストとして軍施設から持ち出したと言う資料の写しの閲覧を申し出た。


娘は生前の白井もと子の方針を反映し、特高警察の流れを汲む公安警察及び国家機関一切への書類の引き渡しは現在も拒み続けていると言う。


その代わりマスコミ及び個人への情報公開に関しては、割とまめに対応していた。

須賀は、捜査上必要な情報を得るため閲覧が必要な旨、公安当局で書類を証拠として押収することはないと説明し、娘の了承を得た。


その書類はもと子が書斎として使っていた部屋の鍵付きの書棚の中に綺麗にファイリングされ収められていた。


もと子の資料の中で主に登場するのは、

中野陸軍学校系列の機関であった早稲田の施設で行われていた研究に関する内容だった。


満州の731部隊は、毒ガス研究に関する記述で頻繁に登場する。

早稲田で研究開発された毒ガスが、満州の実験場へ頻繁に送られていたことが示唆できる内容の記録があり、

延々と、

毒ガスの種類、製造日や出荷量、出荷した日付け等々、詳細なデータが記されていた。


須賀は期待を込めて次々とファイルのページをめくり続けた。


十数冊のファイルを読破したのち須賀は、

中野陸軍学校、隔離研究棟へ薬剤の供給記録という記述を発見した。


薬剤は毒ガス同様、記号で簡略に記されていたが、彼は夜警職員としてだいたいの記号は把握していた。


「“PPS”の試作品は、カの十二、行き先は──」

須賀は、書面上を人差し指でなぞった。

「──“オク十三”とは何だ、場所か?」


同様の書類には、“オク十三”という文言が頻繁に登場した。

“オク十三”へは週に一回のペースで薬剤が出荷されていた。

月に三度ほど受領者の欄に玉城十三の名前が記されてある。


須賀は確信した。

「《欠番》の人体実験が行われていたのは、この“オク十三”と言う場所で間違いない──」


彼はすぐその場で柊へ電話をかけた。


「── 柊さん、須賀ですがお聞きしたいことが、“オク十三”と言う呼び名に心当たりはありますか?」


「お前、随分と俺にばかり質問してくるな──」


電話の向こう側では、柊俊朗が呆れて大笑いしていた。

しかし、その割に柊は、丁寧に須賀の質問に答えた。

「──“オク十三”と言うのは、おそらく奥多摩のことだ、以前別件で調べたことがあるが、奥多摩地区には多くの鍾乳洞が点在する、当時、防空壕など軍事的に利用された鍾乳洞は区画ごとに呼称が付けられていた、奥多摩の第十三区間の鍾乳洞と言う意味だと思うが、それがどうした?」


「ありがとうございます」


須賀は、説明もおざなりに一方的に電話を切った。



「なんだ、アイツ」


その頃、騒々しい新宿のラーメン屋で塩バターコーンラーメンのドンブリに箸を突っ込んだまま応答していた柊俊朗は、急に切れた電話を見つめながら、改めてラーメンを啜った。


「チャーシュー食わないなら、もらっていいすか?」

と言う倉木の顔を見つめる、柊はえもいわれぬ胸騒ぎに襲われていた。


「お前な、ラーメンのチャーシューってのは最後に食うものなんだよ」








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