5 式神
完全に別たぬき
完全に異世界物
野生のたぬきが一匹森で生活している。
森の近くの丘の上に一軒家が建っている。
ある日たぬきは熊に追われて傷を負う。
逃げた先は丘の一軒家。
一軒家に住む老女(綺麗)
薬や魔法を扱ういわゆる魔女。
たぬきは魔女に助けられる。
毎日呪文と共にたぬきの怪我が暖かく光る。
薬草を併用した治癒魔法である。効力は低いが薬の効きが良くなる。
怪我が治る頃には魔女の言っていることがなんとなく分かるようになり、彼女を助けたいと思い始める。魔法を受けて絆が繋がったと思われる。
治癒の影響か魔力の感覚が分かるようになったたぬきは変化を覚える。
最初は単純な二足立ちから徐々に人に近づくたぬき。
調薬のお手伝いをしながら言葉を覚えたり、本を読んだり
魔女とすごす楽しいひととき。
しかし獣としての寿命からは逃げられないたぬき。
弱っていくたぬきを悲しむ彼女のため
たぬきは式神となる。
実体の無いたぬきは元の毛皮と魔女の魔力を載せた薬草を依り代として治癒のたぬき(普段は青年姿)として再び幸せな日々。
近くの村人達の怪我や病気、小さな事件を解決するドタバタ劇。
そんな楽しい時間も終わりの時がくる、魔女の寿命である。
村人を助けながらたぬきは魔女の家で1人過ごす。
彼女と過ごしたこの家を守るため。
そんなある日、勇者、ドワーフ、エルフの三人が訪れる。
魔王討伐の為の回復要員として。
そう、たぬきのような治癒力がある魔法は現在なかったのである。
悩んだたぬきだが村やこの家を守るため勇者パーティーに参加する。
魔王までの道をなんとか切り抜けた勇者達。
最後の夜にたぬきは自分の正体を打ち明ける。
そんなことかと笑い飛ばす仲間達。
笑顔で過ごすたぬきがそこにはいた。
翌朝魔王の元へ行く勇者達。
魔王との戦いは熾烈を極めエルフ、ドワーフと倒れていく。
希望の勇者の為にも魔力を無駄に出来ないたぬきは二人を死なない程度にしか回復出来ない。
しかし二人のお陰で魔王も力を消耗している。
最後の力をふるい魔王を押す勇者とたぬき。
最後の最後で限界を迎えた勇者に魔王の凶刃がふるわれる。
たぬきは勇者の前に立ちその刃を受け止める。
刃を受けながらも全ての力を勇者に送るたぬき。
涙を流し叫びながら刃を受けられ咄嗟に動けない魔王を両断する勇者。
依り代の薬草と毛皮を持ち、ドワーフとエルフの元へ行く勇者。
たぬきから与えられた光が二人に注がれ瀕死の状態を免れる。
以降勇者の一族は治癒の力を持つ者として万人を助けることとなる。
そして丘の一軒家の近くに埋められた依り代から治癒力の高い薬草が家を守るように生い茂っていた。
そう、魔女とたぬきのように。
こっち物語の方が良い位のまとまり方。