二頁
なんか中途半端なので次はサクッと上げます
「ようこそ喫茶〝ヘルメスの手帳へ〟。」
私がそう言うと相手に笑顔を向ける。
初手イメージは非常に重要だと学んでいる。
ここで笑顔を向けておけば良好な流れに持っていけるだろう、私はそう考えながら相手の方を見る。
「……。」
どうやら相手の方は困惑しているようだ。
(どうしたのだろう、〝此処〟に来る者はみな説明を受けてから来るので大丈夫だと仕事内容に書いてあったのだが…?)
私は不思議に思いながらも相手の方に話しかける。
「どうかなさいましたか?
ご説明をお受けになったのでは?」
「……。」
私が話しかけるが相手の方の反応はなく無言のままだ。
(あれ?おかしいぞ。
彼の方の指示と齟齬が発生してるぞ。
これちょっと確認案件じゃないかな?。)
私は顎に手を当てながら彼の方に繋ぐ。
『ちょっと!?▒▒▒▒様?
これどうなってるんですか?。
説明してあるって言ったじゃないですか?。
お相手の方メチャメチャ困惑してますよ!?。
と言うかお相手の方終始無言なんですが!?一言も喋らないのですが!?』
私が繋ぐと彼の方からの返しはすぎにきた。
『あれぇ?あたし説明するなんて言ったかし………そう言えば言ったわねぇ…。
ごめんねぇ。ついつい忙しくて忘れちゃってたよぉ。
次の方からちゃんと説明しておくから許してねぇ。
あっ、それから今回は忘れちゃってたけど次回から来る方は資料を事前にそっちに送って置くからそれを参考に〝判断〟してねぇ。
今回の資料は今から転送するからちょっと待ってねぇ。
それから、〝そこ〟に来る方は良くも悪くと特殊だからくれぐれも気をつけて。』
繋がりは切れてしまったようだ。
私は軽い頭痛を覚えながらため息を吐く。
(何故だ……なぜ彼の方は自身の言ったことすら遂行できないのだ。
そして資料のことなど一言たりとも聞いていなかったぞ。
極めつけは最後の一言、なんで自身の失敗を脇に置いてあんなに真面目そうに語れるんだ…。)
しかしため息をついてこめかみを揉みほぐしたところで状況が好転するわけでは決してない。
幸いにもちょうど手元に資料は送られてきた。
申し訳ないが少し相手の方には待ってて貰おう。
「すみません突然呼び出してしまった上にこちらもドタバタで。
申し訳ないのですが少しお時間頂けますか?」
私は極力相手の気分を害さないように話していく。
「…………。」
しかしながら相手の反応はないようだ。
まぁ動く様子がないので了承してくれたと見て間違いでは無いのであろう。
私は相手の方に頭を下げるとカウンターの方向に向き直り手元の資料に目を通し始めた。
あの方から送られてきた資料にはこの仕事をするにあたっての目的や行ってほしいことの詳細、そしてその判断基準など前に呼び出された時に離されなかった事がすべて記されていた。
確かにあの後この資料を読んで仕事の準備に取り組み、あの方がここに来る者に説明をしていればもうそれはそれは完璧な仕事として成り立っていたのだろう。
現実は何一つ成り立ってはいないが。
しかし悲観していても何も進むものはない。
先ほど送られてきた資料を参考にしながら必要なことをまとめるとしよう。
① ここに来る者は言葉を話せない。
これは恐らくだがここに来る者は言葉が様々な為話せなくした方がスムーズに進むと考えたのだろう。
代わりと言ってはなんだが言葉の代わりに心の中で思ったことを相手に伝えられるらしい。
もっとも説明を受けた者限定だが。
② 来る者は完全ランダム
これはまぁそういう事なのだろう。
別に特に気にすることもない。
③ 以上、後は自由
(え……?
終わり?もう終わり?あんな資料とか説明とか仰々しかったのにもう終わり?)
私は驚きながらも事実を受け入れる。
つまり私の仕事は此処にランダムで話すことの出来ない者が訪れその次を私が決めるという事だ。
考えてみればそこそこ簡単だ。
ならば今私がこのシステムについて相手に説明してしまえば問題はもう無くなるのだろう。
「お待たせしました。」
私は立ち上がると相手に説明するべく言葉をかけた。
一応手出しはシステム説明会みたいなのが書きたかったので主人公の素が出ていますが一区切りついたら主人公の演技の性格が主になります。
文章の書き方的な物が変わるかもしれないですがお気に召さなければブラウザバックお願いします。
お気に召して頂けると幸いです。