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1-5 襲われた村

 道を進むと異変に気が付いた。


 畑に投げ出された道具や道に放置された荷車など、つい先程までここで誰かが使っていたであろう物が散乱している。


 なのに近くに人の気配が全く無い。周りを見渡しても無人の畑があるだけだった。


 時間としては昼を回った頃であり、人が居ないのは昼食をとっているのだと考えるにしてもこの状況はおかしい。


「何かが起こっているのかもしれない」


 そう言われてレオと二人で辺りを調べているとリーナがこちらを呼んだ。


「二人ともちょっとこっちに来て、村が魔物に襲われているみたい」


 呼ばれて何故か目を閉じているリーナの元へと向かう。


「どうしたんだよ行き成り?魔物ってどう言う事だ」


「魔法で上から見てたの、ほらアンタ達にも見えるようにするから頭下げて」


 言われて二人とも頭を下げるとリーナが手を置いた。


 すると温かなエネルギーの様な物を感じた瞬間、意識が空へと飛び眼前に村の光景が見えた。


「うわっ何だこれすげえ!」


「魔法で思念体を作って、それに感覚をあわせてるの。もう少し降りましょうか」


 そう言うと視界が羽ばたき高度を下げた。


 木造建築が中心的な村の中央に人々が集められ、魔物たちがそれを囲んでいるのが見える。


「村人は集められているだけで無事みたいだけど、魔物の何体居るんだろう……正面に2、囲んでいるのが3、見回りが3、他にもまだ居るみたいだ」


「なぁなぁこれって声とかは聞けないのか?」


「声はアタシ達がもっと近寄らないと無理ね。最初見た時に家に入っていく奴を見たし全部で10体ぐらいかしら。一先ず情報も欲しいし、このまま近づいちゃいましょ」


 魔法で上空から偵察をしているリーナの指示を受けながら物陰へと隠れて荷物を置き、先程よりも鮮明となった村の様子を見せてもらう。


 村人は一人を除き村の中央の広場に集められ、一人の女性は正面に居る魔物に捕えられ泣いていた。


 魔物は家から出てきたのを含めて全部で10体。


 どれもウロコに覆われ、顔もトカゲ人間と言った見た目をしてるが、リーダー格と思われる正面の一体だけはより人に近い見た目をしている。


 全員が剣と鎧で武装しており、規律が取れた雰囲気から何らかの訓練された部隊なのだろう。


 リーナが作った思念体を通じて魔物たちの会話が聞こえてきた。


「ボアフット様、村の家々を捜索しましたが、この女の持っていた魔法の実験器具以外にはこれと言った物は見当たりませんでした。しかし、この女の家にはあの魔力を採取し調べていた痕跡がございます」


 手を縛られ怯えきった女性がそう言われ声を上げる。


「知りません!決して貴方達の欲している情報なんて私は持ってはいません!私は魔法を少し使えるだけで、あの魔力をほんの少し実験に使っているだけで、決して、決して」


 泣きすがる女性を一瞥しボアフットと呼ばれた魔物が声を上げた。


「今一度問う!我々は先日この付近で起きた膨大な魔力の放出の出所を追っている。あの魔力に関して貴様らも知っておろう!あれを引き起こした人物を隠し立て、庇い立てする者は決して容赦はしない!情報を持っているものは前に出よ!さもなくばこの女は死に、村は焼かれる事となる!」


 村人がざわつくも誰も前に出ようとはしない。


 泣く者、祈る者、誰か居ないのかと声を上げる者、多様な反応があれど誰も動く事は出来なかった。


 そのはずだ、今話に出ている人物とはここに居る俺の事なのだから。


「行かないと」


 走りだそうとするとリーナが止める。


「待ちなさい。アンタが行ってどうするの」


「でも、このままだと人が死ぬ。目的は俺なんだ、俺が行けば」


「いいから落ち着きなさい、アンタが行っても何も出来ないでしょ。それに向こうは」


 話を遮るように女性の悲鳴が上がった。


 それを聞いて静止も聞かずに飛び出した。


「あ、アイツ!」


 思わず後を追おうとしたリーナの腕をレオが掴む。


「僕がリョウのサポートに行く。リーナは集められている村の人達を助けられる?」


 そう聞かれてリーナは一度深呼吸をして答えた。


「そうね、見回ってた魔物も含めて6体任せてもらっても大丈夫だと思う」


「じゃあ正面4体は僕が倒す。タイミングはこっちに任せて」


 そう言うとレオは走り出した。


「あーっもう!何で行き成りこんな事になっちゃうのかしら」


 リーナが頭をぐしゃぐしゃしながら悪態を付くも、気を取り直し走り出した。


「なったものは仕方ない、やる事はやってやるわ!」

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