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第二世界  作者: 長月 萩
9/115

本文09 本の感想と勧誘

すみません。一話飛ばして投稿してました。

申し訳ない(>_<)

 不意に声をかけられた。


「やはり消えなかったようだな。本は面白かったか?」

 西門さんだった。なんとなく村西さんか木下さんが来るものと思っていたからちょっと驚いた。


「面白いですよ」

 今は『モンスター・その生態』を読んでいる。ファンタジー定番からオリジナルであろう物まで沢山いて、それぞれにちゃんと設定が細かくついていて面白い。


「さて、BB社の関与は無かったと証明できた訳だが、どうしようかね?」


 知るか!

「図書館の幽霊でもなりますかね。地図、見ましたよ。ここより大きな街が沢山ありました。図書館沢山あるんじゃないですか?

 そんなには造ってはないでしょうけど、初級があるなら中級、上級もあるんじゃないですか?高度AIなら新しい本書いたりしてくれませんかね?どうやらお腹も空かないみたいです。幽霊に丁度良くないですか?」


 そもそも昼過ぎて昼食べる物がなかったから買い物に出た。なのに今はお腹が空いてない。御手洗いに行く必要もなさそうだし。見えて喋って触れる幽霊も珍しいけど、新種のモンスターにでもして貰えればそれでいいかも知れない。…討伐はされたくないけど、触れるってことは攻撃も受けるのかしら?…怪我するのかな?


 西門さんは笑い出した。

「あははは。幽霊か。考えなかったな。残念ながら幾ら高度AIと言っても、今の段階では新作作家には成れないな。ある程度は学習により変化するが、想像力を持たせるには至って無い」


 なんだ。残念。

「エッセイなら行けそうですね。ノンフィクション冒険記とか」


「ふむ、出来そうだな。プログラムしてみるか…」

 西門さんはぶつぶつ言いながら考え込んでいる。



 そんなこと話していたら木下さんがやってきた。…可哀想に、この人私の担当者になったな。…西門さんもか?


「また会いましたね~。本どうでした?」


「衛兵さん最強」

 法令集の感想とは言えないが、正直一番印象に残ったのは衛兵に関する件だ。街の外にはでないけど、スッゴい優秀なんだもん。特に異邦人プレイヤーに対して。犯罪犯すと即座に現れる。外で犯罪犯して戻って来たら門の所で捕まる。例え離れた街に行っても。犯罪者は衛兵の居る街に入れないと考えた方が良さそうだ。世界人に対してはそこまで優秀じゃ無いみたいだけど。


「はい、最強設定です。街中で攻撃入らない分レイドボスより強いですよ~犯罪は割に合いません」


 うん。真理です。犯罪ダメ、絶対。



「さて、準備出来たようだし、勧誘を始めよう」


 …勧誘?宗教はお断りしますよ?




「ステータス入力してみないか?」


 ?首を傾げる私に西門さんは説明しだした。


「『ズレ』の話はしただろう?」


 はい、しましたね。それが何か?


「ステータスはプログラム上にある。ならば、ステータス入力をする事によって君をこっちに引っ張り込めないかと思ってね。とは言え君の肉体がこちらに無い以上ログアウト先は無いのだがね。もしかするとステータス入力によってこの世界から拒絶され元の世界に戻れるかも知れない」


「また違う所に飛ばされるかも知れないって事ですよね」


「それもある」


 やっぱり。


「他にも、ステータスが入ったら強制ログアウトで元の世界に戻れるかも知れないぞ?」


「強制ログアウト?」


「連続ログイン時間が6時間を超えると強制ログアウトされるのだよ。後酷いセクハラ行為でも。セクハラ行為の方は倫理コードが無い以上働くかどうかわからないがな」


「強制ログアウトさせられて、戻る身体無かったらどうなるんでしょうね~」


「色々考えられるが、どれも断言できないな。…ログアウトしないんじゃ無いかと踏んでいるんだが」


「…消滅か、元に戻るか、違う世界に飛ぶか、貴方達の世界で幽霊になるか、強制ログアウトが働かないか…ぐらいですかね。考えつくの。他に考えました?」


「我々の世界で幽霊になるは考えなかったな。幽霊に会ったことは無い。なったら是非化けて出てくれ」


「検証したいんですよね?解りました。入力します」


「えぇ!?いいんですか!?」

 黙ってた木下さんが驚いた声をだす。貴方検証したい側の人間じゃないんですか?


「いいんですかって…意志の統一為されてないんですか?推想社としては入力して欲しいのかと思ったんですけど」


 木下さんは慌てている。

「いや、そうなんですけど、そうなんですが、今の話の流れで入力する方に行くとは…」


「あぁ、説得要員でしたか。…木下さんには向かないのでは?」

 最後は西門さんに向かって言う。木下さん絶対お人好しだ。多分女性にも弱いと思う。村西さん…も微妙だな。原田さんは余り話して無いから解らないなぁ。…西門さんが喋りまくって煙に巻くのが一番有効そうだな。


「私もそう思うよ。まぁ、君の担当になったし、上司命令だからね。一応、私は必要無いのでは無いかと言ったのだがね。多分君が初対面で泣いてたからじゃ無いか?」


 …そんな事まで報告されてましたか。いや声は処理されてるって言ってたな。ログでも残ってたのかな?


「最初君は不審物だったからな。彼らが君を見つけた時から録画してあったんだよ」


 あっさり教えてくれました。…貴方「サトリ」ですか?



 私あの時何した?何言った?覚えて無い!

「お恥ずかしいものお見せしました。出来れば忘れてください。録画も消去してください」


「君が現れた時の録画があれば良かったんだがな。『目』がいない以上録画できなかったから仕方ないな」


 なんか含みの有りそうな「目」でしたね。

 と思っていたら、「その通りだ」と笑われました。…「サトリ」に違いない。



 気を取り直して、入力しますか。悄げてるみたいだけど、木下さんは放置でいいな。



「ステータス」

 見たいでしょうからちゃんと『開示』も押します。立ち上げた際はいつも非開示状態になってる。戻し忘れて見せびらかさないようにだろう。


「名前からですかね。」

 そう言って名前の空欄をタップする。

「そうだ。」


 …ここで入力出来なかったら図書館の幽霊決定かなぁ、と思ったけど、タップするとキーボードが出てきた。どうやら入力出来そう。『かのえ』と入れてエンターキーを押したら…



 おんやぁ?職業以外全部入っちゃいましたよ?

 どう言うこと?


「名前入れただけなんですがね…」

 既に名前をタップしても反応がありません。

 決定、されちゃったんでしょうね。

 体力と魔力の(+1)ってなんだ?


 称号の『迷い込みし者』って。なんてまんまな…


「…その称号タップしてみてくれないか?タップすると詳細がみれるんだ」


 言われるがまま……何?このチート称号?有りなの?


「チートだな」

「チートですね」

「あかんでしょ、これ」


 半泣きの叫び声が聞こえてきた。

「それ造ったの僕です~!!!!」


 誰だお前。



大変失礼しました。

お読みいただきありがとうございます。

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