表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二世界  作者: 長月 萩
81/115

本文80 分配

「GM呼んだのやりすぎでしたかね?そんなにしょぼいとは思わなかったので、呼んじゃったんですけど…」

 二人を解いて放置する事に決めて、放置してきた帰り道、思わず口にしていた。


「構わないわよ。やってることは犯罪行為だもの。犯罪者に変わりは無いわ。異邦人の中では違うの?」


「犯罪行為は犯罪行為なんですけど、玩具のナイフで強盗ごっこしてるのを通報したような気が…」


「庚さん、そっちのが酷いと思いますよ?」


「何気にきついわよね、庚さんって」


「意外と容赦無いよな…」


 え?あれ?私が責められてる?


「被害に有った人達も居るし、多分オレ達ぐらいの装備だったら怪我した可能性も有るだろうから、気にしなくてもいいさ。それより、それあいつ等に聞こえる所で言わなくて良かったよ。多分逆恨みされてたよ?」


 あぁ、侮辱されたって怒るのか。有り得るかも。

「聞かれなくて良かったです」





 草兎の襲撃は有ったものの、さっくりと倒しつつ、無事に街に帰ることが出来た。門番さんに帰りの報告と強盗にあった報告をして街に入る。


「ふう。余計な事も有ったが帰り着いたな。飯食いにいこうぜ、飯!」


 アドルフさんそう言えば、強盗に遭う前からお腹減ったって言ってましたっけ。


「すぐには無理よ。荷物片付けなきゃだし。庚ちゃんが持ってるとは言え、自分の倉庫に入れないと完全に安心は出来ないわ」


「なんだよ。おまえ等は?」


「私達は、一旦宿屋に部屋を取らないと。一時間ぐらいは戻れません…」


「なら、丁度良いじゃない。一時間後に役所前に集合。報酬の件も有るしね。アドルフは我慢できないなら一人で食べなさいよ。あ、グスタフは?」


「わしも一旦工房へ戻るよ。それからならつき合うぞ?」


「解ったよ!俺も役所に報告してくるよ!一時間後だな?…軽く食うか」


 アドルフさん寂しがり屋さん?


「さっ、行くわよ」



 荷車をドミニクさんの所に降ろし、ビバリーさんの所で魔物の死体を降ろして、ちょっと揉めた。トレインで仕留めた魔物と岩熊と山蜥蜴の分配だ。

「今回の道程の魔物はビバリーさんの物だと聞いてます。それならビバリーさん取り分じゃないですか。私が倒した山犬三頭は、ここには入ってません。全部ビバリーさんとドミニクさんが仕留めたんですから、ビバリーさんの分です」


「魔法が無かったら、あんなに楽に仕留められる無かったし、荷物持ちもして貰ってる。なら、半分は庚ちゃんのものよ。岩熊も山蜥蜴もそう」


「山蜥蜴を倒したのは岩熊だし、岩熊を倒したのはビバリーさんでしょう。私は隠れて魔法使っただけで、権利は無いと思います。多分魔法が無くても充分倒せたと思いますし」


「その魔法を使ったから権利が有るって言ってるの。魔法の援護がなかったら、かなりしんどかったわよ?」


 ダメです。どこまで言っても平行線です…。



「私が貰っても解体できないから、倉庫に入るだけなんですよ。勿体ないじゃないですか。使うビバリーさんが貰ったらいいんです」


「解体なら私がしてから分配すればいいでしょ?元々私は肉は要らないから、ヨハンに売るもの。山蜥蜴は良い値で売れるわよ?」


「加工も無理だから貰っても勿体ないんですってば」


「加工なんて頼めば良いじゃない。そうだ、ベルトの加工の話してたわよね?山蜥蜴で造るわよ。加工賃引いて、残りの皮は私が貰う。肉の代金は折半。どう?」


 それだと私が貰い過ぎな気がするんですけど。


「嬢ちゃんのが不利じゃの」


 グスタフさん!


「多く取り分を寄越せと揉めることは良く聞くけど、お互いにお互いの取り分を増やそうと揉めておるとはな」


「私は正当な取り分を言ってるのよ?庚ちゃんが遠慮しすぎなだけ」


「嬢ちゃんは相場が解っておらんのだろう」


 そうなの?だって、魔法は使えるなら誰でも出来る事だし、ボックスだって、異邦人なら皆持ってるんだよ?空きは沢山あるし、入れたからって疲れるものでも無いんだから、それで報酬貰うっておかしいと思う。


「山犬と草兎の価値は?」


「皮は役所の依頼分か、試作用かね。山犬の肉は二束三文で、草兎はそこそこの値段になるわね」


「じゃあ、山犬と草兎は私が貰う。岩熊はビバリーさんが貰う」


「それだと割合おかしいわよ!」


「続きがあります。山犬と草兎を使って、私に解体を教える。また、今後私が自力で解体出来ない物を持ち込んだら、手が空いている時に教える。これでどうでしょう?」


「…解体を教えるのは、そんなに苦じゃないわ。やっぱり貰いすぎよ」


「じゃあ、その差額に見合う靴を一足造ってください。長靴、これしかないんですよ。後はサンダル一足なので」


「…靴二足ね。それならいいわ」


 なんで交渉で高くなるんだろう?不思議だわ。普通安くなる方向にするもんだろうに。


「もう一つ。今後庚ちゃんが革装備を造る際は私に依頼する。値段はちゃんと相場で払って貰うわ。どう?」


 それは…相場の値段なら構わないのか。構わないのか?そもそもビバリーさんに注文する相場が解らないぞ?革装備は…今の所ベルトと靴しか無いな。なら当分する予定は無いか。


「嬢ちゃん、その辺で諦めるんじゃな。調合関係で解体できる皮革職人とは顔を会わせることが多い。敵に回したらいかんぞ」


「敵に回すつもりなんて有りません!って調合関係?」


「薬の調合でも、魔物の毒が必要になるし、毒師をするなら勿論じゃ。薬以外の調合なら、膠なんかは動物の皮膚や骨、腱なんぞを使うんじゃぞ?」


「グスタフは全部自分でやる癖に」


「すまんの」


 …グスタフさんに出来ないことは編み物だけですか?

 そっか膠も調合なんだ。…インクとか絵の具みたいな物も入るのか?鉱物をすり潰す用の乳鉢が有るって言ってたもんな…


「あ、でも、いつ教えて貰いましょうか…。午前中はグスタフさんの所で、午後はロイさんの所に行くし、ビバリーさんが空いているのはいつなのか知らないですし…」


「私は暫く暇よ?暇だからドミニクにつき合ってるわけだし。依頼も無いしね。あ、庚ちゃんのベルトと靴は入ったけど」


「前によってすり潰した奴はどれくらい残っておったかの?」


「えっと、生の薬草500gにエムピ500g、スタミン1kgで、乾燥したのが薬草2kg、エムピ2kg、スタミン1kgですね」


「回復薬以外は一通りか。乾燥させとるのも大体出来上がっておるが、明日、明後日は休みにするかの。存分に解体すると良い」


 存分に解体って響きが良くないよね…別に楽しんでするわけでは無いよ?


「じゃあ、明日の朝八時に役所前でどう?解体場所は公共の場所が有るのよ。靴も服も借りられるわ。どうしても臭いが出るし、血で汚れるからね。解体知らないって事は、血抜きもしてないでしょ?血塗れになるわよ。肉の為ならその場で血抜きして、内臓まで出しちゃうのが良いのよ。心臓動いてる間に血抜きした方が楽だからね。まぁ、血の匂いで魔物に襲われるし、心臓止まってないとポーチには入れられ無いし、ポーチに入れれば肉に臭みは移らないから、設備整ってる街でやる人も多いんだけどね」


 なる程、心臓が動いていれば、拍動で血抜きをし易いわけか。…血塗れ、か。ちょっと言い出したことを後悔してみたり。でも、今後の事考えたら覚えておいた方がいいんだよね。死体残っちゃうし。余り嘘付きたくないしね。衛兵に捕まるのは嫌です。…技能について嘘付いても、虚偽とか詐欺になるのかな?

 服と靴が借りられるのはありがたい。誰もが洗浄できる訳では無いからね。…血を汚れと考えるなら洗浄で血抜きできたり?てかどこまで「汚れ」と認識してるの?色物の服洗ったとき、色抜けなかったよな?…聞いておくべきだな。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ