本文07 第二世界説明1
土日は更新しませんでした。
2015年1月19日
本文の一部を変更しました。
推想社の提供するVRシステムを利用した仮想世界型オンラインゲーム、第二世界。
開始は明日、11月16日の13時から。
既に先行販売分4万個は販売済み。当日発売の1万個も、即完売するだろうと思われている。
対象年齢は15歳以上だが、18歳未満は制限が幾つかある。
何でも出来るRPG。戦闘だけでは無く趣味に没頭する事も可能。
プレイヤーは「第二世界」に訪れた異邦人と言う設定。
異邦人の生活は始まりの街「テグ」から始まる。
選べるアバターは、「ヒューマン」「エルフ」「ドワーフ」「ホートック」「竜人」の五種類。
第二世界は通常の三倍の速度で時間が流れている。
装備品は装備可能数内であれば、ほぼ条件無しで装備出来る。全身鎧のタンカー魔術師なんかもやろうと思えばやれる。
根気があればマルチプレイヤーにだってなれる。下手すれば器用貧乏になるだけだが。
レベルアップするのは、
ステータスレベル・技能レベル・職業レベル・特技レベルの4つ。特技レベル以外は技能のレベルアップポイント「技能ポイント」で上昇する。
技能に経験値が入る方式で、メイン技能設定することにより、経験値入手率が増加。サブでも多少は入る。繰り返し行動する事によりレベルアップし、行動が洗練されて無駄のない行動ができるようになる。
普通出来ないような行動の補助を行う特技があり、特技は使用回数によってレベルアップする。
初期職業は無く、機能次第でどんな職業に就くことも可能。メイン職業とサブ職業に設定すると特技の上昇率があがる。職業設定しなくても技能によって職業レベルはあがっていく。
技能も職業も一切の公表が為されていない。
高度AIのNPC「第二世界人」はプレイヤーの言動により反応がことなる。好感度が設定されており、好感度如何ではフレンドになったり、パーティーメンバーになったりもする。
コンセプトは
「新たな世界での、新たな自分を作り上げる」
…テンプレ設定ですね。好きですけど、テンプレ。
「大きくはこんな感じですかね。何か質問は?」
「種族のホートックとは?RPGでよくあるフェアリーとか獣人も無いんですね」
ホビット系じゃないかとも思いつつも聞いてみる。
「ホビット系なんですがね。ホビットってかなり小さいでしょう?現実とかけ離れ過ぎてて、動かし辛いんです。それで新種族になりました。フェアリーはもっと小さい上飛ばなきゃいけないし、獣人も耳や尻尾動かすのが大変だろうという事で」
実は社内で耳尻尾派と全身獣派で真っ二つに分かれたり、種類も軽く10種を越えてしまい、爬虫類好きの常務が爬虫類が少なすぎると文句を言ったりして、アバター制作は断念したと言う経緯があったりする。そしてそれらはNPCとして登場することになった。
爬虫類4種を含む15種、獣度は0~100%の10%刻みと全てを反映しているものになった。エンジニアにケモナーが多かった為、NPCを増やすことに問題が無かったのは会社として幸いだった。
余談だか虫系もあがっていた。だが、広報部部長の「女性客が激減する。モンスターで留めてくれ」と言う言葉と、大半の反対により実現しなかった。
閑話休題。
「無い尻尾振れと言われても難しいってことですか」
私は納得した。なんでも出来そうな仮想世界みたいだけど、出来ないこともあるんだろうと。もっと技術が進んだら出来そうな気もするけど。
「他に無いようならステータスの説明行きましょうか。ステータス画面開いて下さい」
「テータスの出し方・終い方、開示・非開示ももういいですよね。能力値も表示と非表示が選べます。開示にする場合、非表示にする人が多いですね。能力値は種族を選んだら種族数値が入って、能力値ポイントは開始時に20ポイント割り振れます。上限値は有りませんから極振りもできます。後レベルアップ時に0~7ポイント自動で振り分けられ、任意で割り振る分が、【能力値ポイント】に入ります。っと、RPGってしたことあります?」
「はい。結構好きでした」
とは言え、リアルタイム戦闘のRPGは苦手だったりする。ターン制が一番いい。
「なら用語説明入りませんね~。解らない所あります?」
「持久力と空腹度はバー表記ですか?」
青色のバーがあるのみだ。
「あ、そうです。この二つの扱いは第二世界特有ですね。満タンで青、緑、黄色、オレンジ、赤、赤点滅まではどこでも一緒なんですが、このさきがちがいます」
「持久力は0になると寝ます。何時でも何処ででも。で、しかも状態異常の睡眠と違って、他人の働きかけでは起こせなくて、30分間寝たままです。回復させるには、休憩するか、寝るか、回復アイテム使うかですね。後、オレンジ以下でした行動は失敗が増えます。実際疲労感も感じるんで、寝るまで行くことは少ないんですけどね」
「空腹度も同じです。寝ないですが倒れます。これまた、何時でも何処でも。空腹の場合は食べ物差し出して貰えたら目が覚めます。1回倒れるごとにアバターの体重が1㎏体重減ります。空腹もオレンジ以下での作業効率は減ります。12時間で半減と考えて貰ったらいいですね。実は空腹には反対もありまして、紫から黒にも変わります。紫から作業効率が減って、黒になっている時間が累計で1時間毎に1㎏アバターが太ります。まぁ、空腹感にしても、実際とあまり変わらないので黒まで行く前に苦しくては動けなくなりますけどね~」
「…無駄に凝ってません?」
倒れるまではいいとして、体重の増減するゲームなんて聞いたことがない。小説でも見たこと無いぞ?しかも食べ過ぎて動けなくなるってどんなゲームよ?
「エンジニアさん達の拘りだそうです」
即座に西門さんの顔が浮かんだ。そう言う事楽しんでしそうな気がする。あの人は絶対うれしがりだ。
「クエストクリア数の英字は難易度?」
オフラインではクエストクリア数が乗ってても、難易度は無かった気がする。攻略本には推奨レベルがあったりもしたけど。
「その通りです。左から右に難易度高くなってます。同じクエストでもパーティー人数によって難易度変わるんです。クエスト報酬が変わってくる以外には余り関係無いですので。因みに一番左の『E』はイベントクエストです。クエストクリアを楽しみたい人向けの表記です」
所謂攻略組とやらかな?
「それで、私のステータスにない倫理コードと言うのは?」
「【残酷描写】と【痛覚制限】の選択肢がでるんですよ。残酷描写はONとOFF。戦闘による流血表現とかですね。18歳未満はOFFに出来ません。痛覚制限は0%~100%の10%刻みで設定可能です。残酷描写をONにしている人は50%以下には設定出来ないんです。出来ないんですが、無い場合はどうなるんでしょうね?」
私に聞かれても困りますよ?解るわけ無いでしょう。
「【技能】【特技】【装備】【アイテム】【職業】と口に出して言うことで、それぞれの画面が表示されます。慣れれば考えただけでも出せます。アイテムと職業以外は開示もできますけど、技能や特技について詮索するのはマナー違反になってます。自分の意志で開示するのは構いません」
「ステータス画面と別画面なのは何か理由が?」
「どれもこれも数が多いからです。一番少ない装備も、装備可能数だけで20カ所。それにアクセサリーが最大10個」
「何でそんなに装備が…エンジニアさんの拘りですか?」
「そうです!解ってくれますか!?」
食い付くように体を乗り出されて、つい逃げ腰になる。
そんな私に気付かない木下さん。…愚痴?
「これも第二世界特有なんですが、装備自分で付けなくちゃいけないんです。1から。そのためには鎧の下に服は必要だし、服着るなら下着必要だし、どんどん増えていって。アクセサリーもそうなんですよ。もう、拘る拘る…」
愚痴だった。
因みに武器もオート装着は無い。戦闘に入ったら自分で武器を構えなければいけない。戦闘中に攻撃に使った物が武器である、と言う考え方をしており、武器装備数に制限が無い。何を使っても攻撃を加えることが可能性である。取得技能は類似の物に振り分けることになる。
剣販売者のような背負子を使えば、背負子の剣が全て武器欄に入ったりもする。
防具も特に鎧で、纏めて一つで考えるか、バラで一つに数えるかとか、足袋と草履は両方足だ、脚絆に脛当てをつけたらどう数えるか等々揉めに揉めた。結局セット品は一つに数えるが、それ以外はバラバラに勘定することになった。報酬分やNPC店舗販売分は一式単位(所謂鎧部分のみ)にすることになったが、どう組み合わせるかはプレーヤーに任すことになり、数が20と増えてしまった。
アクセサリーはアイテムポーチや剣帯、ベルト等も含む為、多めの10個となったのだ。元々の装備に付属しているベルトや紐は含めない。
種族・レベルによる重さ補正があるため、初期段階でそんなに装備すると身動きがとれなくなるのも拘った所である。
閑話休題。
1から着るって面倒くさそうだな~、と思う。普通の人は大鎧とか西洋の全身鎧の着方なんか知らないんじゃないの?私?どんなのがあるかすら、知りませんよ?
「考えたら出るって邪魔になりません?」
「画面を出す事をしっかり意識しないと出ないから大丈夫ですよ。言葉で出す場合も、出そうと思わなければ出ませんよ」
つまり考えたことが解ってると。
お読みいただきありがとうございます。