本文47 魔綿収穫
畑には結構人がいました。農家の人に魔綿を必要とする職人さん達とその弟子だそうだ。出した人数で割り当てが変わるらしく、弟子の居ないドミニクさんは依頼を出したんだそうだ。それを聞いた女の子達の目が光った気がする。…私は関係無い。
魔綿の畑は塀で囲われてました。綿を吐き出す前に囲うんだそうだ。魔綿に逃げられないために。…何で逃げるんだろう?
追い込む手順は簡単。人が畝の間を歩くだけ。ただ、人から離れている方向に逃げるから均等に人を割り振って、同じぐらいの速度で歩かないと変なん方向に逃げる可能性がある。
…走って逃げる綿。シュールな絵面だわ。大方吐き出し済みだけど、たまに破裂音が聞こえるとびっくりする。後かろ破裂したのは放って置いて良いそうだ。
綿を追い込むのは、羊の追い込みに似てる気がする。テレビで見たことあるだけだけど。毛刈りされるか摘まれるかの違いだね。転けたら踏まれかねないのも一緒かも知れない。
大きな背負い籠を渡され、摘んだらそこに入れていくんだそうだ。さてと、収穫行きますか。
…足速いよ、魔綿。目も無いみたいなのに、どこで人を察知してるんだ?異邦人4人以外は、慣れてるのか逃げ惑う魔綿の逃走ルートにひょいっと入って摘んで行ってる。ビバリーさんは流石の速さで次々捕まえてる。私は既に追いかけるのを諦めて、わざと低くなって、突進してくるのを捕まえてる。縄でも引っ掛けていいなら楽なんだろうけど。
暫くすると集まるように言われた。一回籠を回収して、摘まれて戻ろうとする魔綿としゃがみこんだ魔綿を外に出す作業をするそうだ。しゃがみこんだ魔綿はそんなに居ないけどなんかもの悲しいですね…。
その作業が終わったら、今度は囲いを狭くする。その際に隙間を作らないよう気を付けるように言われた。畑に逃げられたら捕まえるの無理だわな。もう一度初めからしないといけなくなる。
それを何度か繰り返して、終わったと思ったら、なんと、もう一面有るそうで。畑仕事は体力勝負ですね。…なんか違うけど。
二面終わる頃にはくたくたになりました。途中チュールさんが転けたりもしましたが、踏まれる前に立ち上がれたようで良かったです。シフォンさんは突進さずに済んだようです。
「お疲れ様。午前中の作業は無事終わりよ。お昼向こうに用意してあるから、移動するわよ。籠まだ持ってる人は向こうに置いてから来てね」
お昼ご飯はコーンスープ(多分)とサンドイッチです。中身は知りません。トマト・レタス・卵等々見慣れた物な気がするけど、実在はどうなんでしょうね。
「やぁ、また会ったね、棒使いさん。どう?楽しんでる?」
…諸悪の根元、もといシザーさんが話しかけてきました。ここにいないチンピラを含めた四人は服飾の専門学校に行ってるそうです。ならシフォンさんやチュールさんのように職人さんの所に行けばいいのに。てか、チンピラ、あれで服飾の専門学校通ってるの?現実とゲーム内で全然違うタイプ?
「生産やるなら弟子入りした方が速そうだからね。そう言った依頼を探してて、ここに着たんだけど。君は?ドミニクさんと知り合いみたいだけど」
「人手が足りないから手伝って欲しいと言われたんです」
「そっか。あの人は布が専門みたいだよね。僕は革装備やりたいんだけど、革扱ってる人知らない?」
「それなら、ビバリーの所にいきな。あいつは革防具の職人だぜ?」
いきなりアドルフさんが参加してきました。
「あなたは…」
「俺は役所の雑用係のアドルフだ。よろしくな」
「長剣の話した斧使いさんですよ」
「ん?何の話だ?」
訓練所での出来事の次の日に彼らに絡まれた事を説明する。
「…絡まれたって、人聞きの悪い」
いきなり「あんた」呼ばわりされて、対戦申し込まれるのを絡まれると表現して何が悪いんでしょう?しかも質問しておきながら人の話聞かないし。
「あんときは、悪かった。男だと思ってたし。女の子だと解ってたらもうちょっと丁寧に声かけてたよ。それにテイラーがヒートアップしてたから。あっちの二人も、生産やるために話してる時に、出来のいい服見つけたから、やっぱりヒートアップしてたからな」
往来で「あんた」呼ばわりしてたアナタはヒートアップしてなかったと。
「あ~、テイラーに説明するのに疲れてたってのは、あったな。そこで君を見付けたから、つい、ね」
そうでしたか。確かにあの人は人の話聞かないですね。多分自分に都合の悪い話は耳に入らないようになってるんでしょう。もしくは理解する気がないか。ま、人間はそういう生き物ですからね。ただ、顕著なだけなんでしょう。
「本当に悪かったな。じゃあ、ちょっとビバリーさんの所に行ってくるわ」
「剣を使わないのは珍しいのかねぇ?」
「さあ?物語や神話の主人公は剣使うのが多いからじゃないですかね?」
「あ~、確かに斧使いの主人公とか聞かないな。剣か槍だな、主人公ってのは。後は魔法使いか?」
おや、意外にもアドルフさんは物語とか読むんですね。てっきり脳筋だとばかり。いや、失礼。
「さあ、仕分けの作業に入るわよ。倉庫に山になってるから、色別に分けてね。踏んだり握りつぶしたりしないでよ」
ぞろぞろと倉庫に向かう。…そこには本当に山が有りました。下の方、潰れてない?色は水色、ピンク、黄色、緑、白の五色でした。どれも淡い色でとても綺麗だ。
…人数も多かったので、三時間程で分ける作業も終わりました。
「はい、お疲れ様。シフォンちゃんとチュールちゃんとシザーちゃんは依頼表出して。…これで良し。じゃあ、役所で報酬受け取ってちょうだいね。あ、庚ちゃんはちょっと残ってね」
「ビバリーちゃん、庚ちゃん、転んだチュールちゃん囮にしたでしょ」
囮にしたとは人聞きの悪い。彼女を助けるより、彼女に突進していった魔綿を掴まえるのを優先したのは否定し無いけど。ビバリーさんもそうしたことで、チュールさんは踏まれずに済んだ訳だし。
「残りの魔綿が少なくなったら、囮立てるのもいいかもしれないわね。装備強化させておけば、大した怪我もしなさそうだし。今度会議に案を提出してみるわ」
会議ですか?なんでしょう?商工会みたいなのが有るのかな。
「後、庚ちゃんワザと突進させてたんじゃない?」
「…走って追いかけるより効率が良いかと」
走るの速くないし、好きじゃないです。しんどいし。技能〔走る〕を覚えたけどたいして成長しなかった。速々に走るの止めたからね。直線的に突進してくるので解りやすかったです。ちゃんと後ろには居ないの確認してからやってたし。
「それもありかもね。…でも避けれないと突き飛ばされちゃって、踏まれるだけなのよね。庚ちゃんは杖術使いだったかしら?棒術系と刀術系は避けるの旨いのかしら?」
「頑丈な人なら正面からでも止められそうですよ」
確かに割と速いスピードで突っ込んでくるけど、不意を付かれなければ大丈夫なんじゃないかな?
「そう…。それも案出してみましょうかね。足を速くするのとどっちが効率がいいかしら?」
後半は独り言のようですね。まぁ、毎年の事なら参加する人の足も速くなって、いいかも知れません。実際、皆さん速かった。
「庚ちゃんとビバリーちゃんは私の工房まで荷物持ちをお願いするわ。庚ちゃん、下着ワンセット出来てるから工房で渡すわね」
籠に入ってる魔綿の色が違うと、別アイテム扱いになってスタックできないんだそうだ。各色二籠ずつと白だけ三籠あった。
街中なら往復しても問題無いけど、外に素材取りに行く場合はなるべく空きを増やすのと、大きな入れ物を持って行くのが大事だそうだ。…異邦人がポーターをしたら儲かるかも知れない。
帰り道にドミニクさんはシフォンさんとチュールさんから、ビバリーさんはシザーさんから弟子入りを頼まれた、という話を聞いた。
ドミニクさんは素材から集めるので、それに付いてこれるなら弟子にしてもいい、と言うことで来週の魔蚕取りも二人が参加する事を聞いた。
「魔綿や魔蚕は染色するにも魔物素材が必要だから、結構グロいんだけどね。女の子二人で付いて来られるかしら?」
魔蚕だけで無く、他の素材取りにも同行するようですね。染料素材は虫系が結構有るらしい。現実でも確か赤は貝殻虫から取ってたような気がする…。
「私はまず自分で革なめして持ってきなさいって言ったわ。皮の入手から自分でやれないなら、私は教えない。成形だけしてる職人紹介するわよ。…〔解体〕も使えない人には教えたくないわ。〔剥ぎ取り〕だと魔物の数が必要になりすぎるもの」
ビバリーさん、それ異邦人にはハードルが高い気がします。シザーさんはどうするんでしょうね。
ドミニクさんも何気にハードル高そうです。現代日本人、虫平気な女の子のが圧倒的少数だと思うんですよね。
おおっとレベルアップする。任意分は勿論幸運で。そして調合してないのに職業レベルもあがってる。今日増えた技能のどれかが、〔調合士〕のレベルに関係してるんだな。〔採集〕かな?
所持金3,766圓(+187,500圓+12,400圓)
【技能】技能ポイント14(114)+21
メイン
観察レベル8→12/生活魔法レベル17/会話レベル8→9/歩くレベル10/知識(道具)レベル5/魔法(無)レベル2/柔軟レベル6/知識(植物)レベル4/杖術(短)4/調合レベル18/知識(魔物)レベル0→2/捌きレベル1→4/掴むレベル6☆/知識(動物)レベル0/体術レベル0/筆写レベル6/結索レベル1
サブ
採集レベル2→7/魔法(土)レベル2/当身レベル0/受けレベル0/関節技レベル1/魔法(火)レベル1/シャベルレベル1/耕耘レベル1/知識(武具)レベル0/鍬レベル1/栽培レベル1/水汲みレベル1/知識(材木)レベル0/知識(服飾)レベル0/料理レベル1/魔法(風)レベル1/魔法(水)レベル1
取得技能
裁縫レベル2/読書レベル6/洗濯レベル1/魔法(治癒)レベル1/走るレベル0☆
特技
加熱レベル2/冷却レベル1
魔法
生活魔法(54)
着火レベル1/照明レベル13/畜水レベル16/発熱レベル7/はたきレベル1/箒レベル1/保冷レベル1/保温レベル7/拭き取りレベル1/灰掻きレベル1/集塵レベル1/防滴レベル1/洗浄レベル2/脱水レベル1
無魔法(7)
空間把握レベル3/睡眠レベル1/簡易修復レベル3
土魔法(7)
穴掘りレベル5/隆起レベル1/鉱物探知レベル1
火魔法(3)
着火レベル1/火球レベル1/耐熱レベル1
風魔法(3)
送風レベル1/鎌鼬レベル1/追い風レベル1
水魔法(3)
水球レベル1/散水レベル1/水中行動レベル1
治癒魔法(3)
回復(微)レベル1/解睡眠レベル1
☆新たに増えた
レベル11→12
職業
メイン:調合士レベル3→4/サブ:学徒レベル3→4
体力146/133(+13)+10→157/143(+14)
魔力149/136(+13)+11→161/147(+14)
力: 16(+1)
知恵: 18(+1)
精神力:16(+1)+1→17(+1)
生命力:15(+1)+1→16(+1)
器用さ:16(+1)
素早さ:14(+1)
幸運 :16(+1)+1→17(+1)★
ステータスポイント:0
★任意振り分け
★任意振り分け
装備 防18
女性用下着(上下・M・ドミニク作)防3
黒いタンクトップ(ドミニク作)防4
生成のチュニック(ドミニク作)防4
黒いズボン(ドミニク作)防4
木綿の靴下:防1
革の長靴:防2




