本文32 絡まれる
「お断りします。剣が使えないなどと言った覚えはありません。人違いです」
オレTUEEEなら相手をしてボコるんでしょうが、生憎そこまでのチートでは無いし、怪我をするのは嫌だ。ここは否定してさっさとこの場を離れよう。
「なんだぁ、女みたいな声だしやがって。怖じ気づいたのか!」
みたいじゃ無くて女です。70年経ってもチンピラ属性はいるんだなぁ、と変なことに感心してしまう。
…声をかけてきた人が止めてるけど、諸悪の根元貴方ですよ?貴方が声をかけなければ、こうはならなかった!
「はい。怖いので対戦なんてしたく無いです。人違いの対戦なんてする気もないです」
ヘタレとでも、チキンとでも言うがいい。胸張ってそうだと答えてやる。争い事は好みません!
「対戦の強要はやめろよ。さっきも言ったろ?言ったのはこいつじゃないって。訓練所の世界人だって。自分で掲示板読めよ。悪かったな、声かけて」
掲示板?何書かれてるんだ?誰も使えないって言ってないってのに。まぁいい。名前も知らない相手だ。今のうちにここから離れよう。
「それでは失礼し「リアルで段持ちなんだろ?やろうぜ!」ます…」
人の話を聞けよ、このチンピラ。さっきからやらないと言ってるでしょうが!
「なんだよ、段持ちなんてフカシこいて怖くなってんのか?」
人の話を聞かないチンピラとこれ以上つきあう気はしない。
「どうぞそう思ってください。とにかく対戦する気はありませんので。失礼します」
「あれ?あんた女の子?この馬鹿は放っておいてちょっと話聞きたいんだよね。棒使いなんて珍しいし。その服も。普通の服みたいだけど防具なの?」
黙れ、諸悪の根元。お前とも話す気は無い。
「私は話をする気は「あたしも話聞きたい~。ね、いいでしょ?あたしも着替え欲しいんだけど、まだ造れないし、売ってるのも高くてさ~」…」
人の話を聞かないのがまた増えた。何?人が話してるのを遮るのは70年後では普通のことなの?全く最近の若い奴は!話を聞きたいと言うなら人が話してるのを遮るな!
「ごめんなさい。朝ご飯食べました?まだなら奢りますからお話聞かせてください」
まともな子が一人いたようです。が、1:3でまともじゃ無い奴のが多いのだから相手にしたくはない。
「なんで奢る必要があるんだよ!対戦すればこいつが嘘ついてるって解るじゃねーか!」
「「黙れ、馬鹿!」」
思わず心の声が出てしまったのかと思ったら言ったのは諸悪の根元とまともそうな女の子でした。
「いきなり喧嘩ふっかけて、話聞いてくれる訳ないでしょ!しかも、彼女が言ったんじゃ無いって言ってるじゃない!人の話を聞きなさいよ!…本当にごめんなさい。奢るとは言ったけど、あまり高いものは無理なので、露天の食事でいいですか?」
「…奢る必要はありません。朝ご飯は済ませてますから。何が聞きたいんですか?」
放って逃げたい気がするけど後でまたしつこく絡まれそうだ。さっさと済ませてしまおう。前言撤回して、話をする事にした。
諸悪の根元と人の話を遮る女の子がチンピラを宥めていた。
「そうですか…幾つか聞きたいのであちらで座りませんか?」
そう言ってベンチを指す彼女。でもね、やだ。
「ここで話をしましょう。少し隅に寄れば通行の邪魔にもならないでしょうから」
態度悪いのは解ってる。だが長話をする気は無い、と解って貰うには立ち話が一番。彼女は解ったのか困った顔をしているが、座る気はありません。貴女一人だったら構わないんですけどね。現実ではどうか知らないけど、立ってられないほど筋力が弱いことも無かろう。
「ではまず何から聞きたいですか?」
「剣が使えないと言った事についてだ!」
人に話を聞く態度じゃないよね?なんなのこのチンピラ。
「先程申し上げたように、誰も「使えない」とは言ってませんよ。掲示板を見てないので、どんな書かれ方してるのか知りませんけど。「使えない」では無く「使わない」と言ったんです」
「どう違うんだよ!」
全然違うだろうがよ!
「世界人の日常には合わないので「使わなくなった」んです。現実でもあるでしょう?昔使われていたものが、時代によって使われなくなる。この世界の剣がその道を辿った、と言うことです。一般では使われなくなったけど、一部の愛好家が使ってる。王都の騎士が使っていることは掲示板に載ってないんですか?」
「載ってたよ。ちゃんとそう言ったんだけどね」
と肩を竦める諸悪の根元。話聞かないチンピラが悪いんじゃないか。いや、話を聞かない人間に中途半端な話をした人間が悪いな。つまり諸悪の根元は諸悪の根元と言うことだね。
「この街には剣の愛好家も居なければ、騎士もいない。簡単な基礎以上のものを教えられる人材が居ない。理解していただけましたか?」
そう言う意味では「使えない」んだけど、それ言うとチンピラは混乱しそうだから黙っておく。王都に行って剣習うつもりなら今は使わない方がいいと思うけどね。変な癖付けると修正大変だから。自己流でやるなら幾らでもどうぞ。
「この街に剣使いがいないってだけなんだな?」
そうです。王都以外にいるかどうかは知りません。王都がどこにあるのかも知りませんけどね。
「あんたが棒を使うのは?」
「実際に触ったことのある武器だからです。現実で触る刃物なんて、包丁か鋸ぐらいの物でしょう?そんなもので魔物と対峙したくないです」
鋸は挽かなきゃ切れないんだよ?動かない相手以外に使うもんじゃないと思います。
「実際にか。段持ちって言ってたな。何やってるんだ?」
「…合気道です」
割とメジャーなはずだけど、知らない人は全く知らないからな。少林寺拳法とか空手とかと混同してる人は多い。武器技があることを知らない人はもっといるだろう。私も四尺杖なんて合気道するまでは知らなかった。
「合気道って武器使うの?」
ほらね。人は興味の無いことは見てないものなのです。
「四尺杖と木剣…木刀ですね、それと道場によっては小太刀と短刀を使いますよ」
小太刀は使ったことが無い。短刀も短刀取りしか知らないよ。組短刀ってあるのかな?
「なんだ、合気道かよ。使えない武道じゃないか」
こういう人もよくいますよね。「実践で強いのは!」とか言う人。別にどうでもいいです。どの武道でも理念を体現出来たら皆強いんですよ。それでいいじゃないですか。大体において、何もやったこと無い人か、ちょっとかじっただけの人がこういう事を言います。それを言うなら私もかじってるだけですけどね。うまくなりたいとは思っても強くなりたいとは思わないです。
「よくそう言われます」
「…否定しないのか?」
「私は実践で使ったことがないですし、実践で使ってる人を見たこともありません。合気道に試合は無いですし、否定する根拠がありません」
肯定もしないがな。言ったの自分だろ?
「でも長剣使いに勝ったてたじゃん?」
おおっと。すっかり忘れてた。実践で使ってたね。
「彼は私が何を使うか知らなかったからでしょう。杖の動きも知らず、体術も知らなかった。だから対応出来なかったのでは?」
剣の振り方も知らなかったみたいですけどね。
「なんか変わった動きするの?」
「杖はまっすぐな一本の棒です。刃が無いので上も下も有りません。槍や薙刀と対峙したことがあるなら大体解ると思いますよ」
そもそも突いてくるなんて思ってなかったみたいだからね。剣でも突きぐらい有るだろうに。
「基礎が必要ってのは?」
引っ張るね、諸悪の根元。
「昨日の長剣使いの彼では無いですが、自分の武器に何が出来るのかを理解していなければ、効率的に戦うのは難しいでしょう。自分に何が出来るのか把握し、相手の出方によって使い方を変える必要があるんじゃないですか?」
「才能のある人なら戦いの中で、自分の体で考え出していいように動けるんでしょうけど、そうでないなら教わった方がいいと思います」
流派ってそう言うものだと思う。だから開祖とあまりにも体格が違ったりすると難しかったりするらしいよ?何代も続くってことは汎用性が高いってことなのかも知れないね。あくまでも私の私見でございます。
所持金118圓+4,800+500(2,400+500は預り金)
【技能】技能ポイント10(50)
メイン
観察レベル5/生活魔法レベル3/会話レベル5/歩くレベル7/柔軟レベル2/受けレベル0/杖術(短)レベル3/関節技レベル1/筆写レベル4
サブ
採集レベル2/体術レベル0/知識(植物)レベル2/読書レベル5/魔法(土)レベル1/調合レベル6/魔法(無)レベル2/捌きレベル1/当身レベル0
取得技能
知識(材木)レベル0/水汲みレベル0/知識(武具)レベル0/知識(服飾)レベル0/知識(道具)レベル0/料理レベル0/魔法(火)レベル1
魔法
生活魔法(10)
着火レベル1/照明レベル5/畜水レベル1/発熱レベル1/はたきレベル1/箒レベル1
無魔法(7)
空間把握レベル3/睡眠レベル1/簡易修復レベル3
土魔法(3)
穴掘りレベル1/隆起レベル1/鉱物探知レベル1
火魔法(3)
着火レベル1/火球レベル1/耐熱レベル1
取得可能技能
☆新しい技能・魔法




