本文29 回復薬
ドミニクさんの店(?)を辞し、ビバリーさんと別れてグスタフさんのところに行く。
「お待たせしました」
「ほう、女性の服選びにしては早かったの。では始めるかの。そこに漏斗があるから使うといい。この匙一杯で瓶一本分じゃよ」
服選び、普段ならもっと早いですけどね。
零さないように慎重に入れて行く。…50本疲れた…。右腕がしんどくなってきたよ。左手でも出来るようになった方が良いかもしれない。瓶詰めしてるだけで持久力が半分になってます。
最後にコルクみたいな蓋をしてビール瓶詰めてるみたいな箱に入れて終了。真剣に左手鍛えること考えるべきかも。右手の負担が半端ないです。すり潰すのも右手だし。
6×4で一箱24本入り。あれ?十二進法だったの?六進法?お金は十進法よね?まあいいか。流石にプラスチックではなく木製でした。そうだよね。
〔栓付け〕は流石に無いようでした。でも〔移し替え〕があがってる。落としたりする可能性が減るのかな?
「終わったかの。役所に納めれば依頼完了じゃ。回復ポーションはほぼ常時依頼じゃからの。何時持って行っても買い取ってくれるぞ。木箱と瓶、栓は役所からの支給品じゃ。瓶と栓を自分で用意したらその分高く買い取ってくれるが、材料費に足るほどではないから造るのはお勧めせんのじゃ。〔洗浄〕を持っとったら瓶を拾ってこれば、栓の用意だけですむんじゃがな」
「持ち物に余裕があるなら使った瓶は捨てずに取っておくといいのじゃ。役所で回収しておる。一本一圓で引き取ってくれるぞ。拾ったもんでも割れとらんかったらちゃんと引き取ってくれる」
「割れた瓶は瓶工場に持って行けば、やはり引き取って貰える。100g一圓と安いがな」
おぉ、リサイクルですか。知らなかった。瓶は工場で作ってるんだ。形に嵌めて作ってるのかな?イメージしてた〔ガラス工〕は吹きガラスだったんだけど、違うのかも。
「後二回分すり潰してあったな。ポーションを造ってしまうか。鍋もコンロも数があるぞい。さぁ、水を汲んでくるのじゃ」
〔水汲み〕ってどれくらいで増えるのかね?汲んだ水の量なのかな?汲み上げた回数なのかな?そして、これもどこまで上げれば良いのやら。持久力の底上げ以外に何か有るんだろうか?
まぁいいか。調合用に【技能】を付け替えて水汲みだ!
「煮詰めるまでに時間かかるからの。リンゴすり潰し終わったら別の事始めるぞぃ」
おぉ!〔料理〕が生えたよ。皮剥きで生えたの?
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…
リンゴ終了です!
…おろし器あればいいんじゃね?無いのか?
「これとこれを粉になるまですり潰すのじゃ」
渡されたものは乾燥した葉っぱが二種類?
「ポーションを作った絞りカスじゃ。一つは5級の、もう一つは4級のじゃよ。粉にした分はこれに入れるのじゃ」
器を渡されました。了解です。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…
あれがあればいいんだ!なんてったっけ?両手使ってすり潰す奴。時代劇で見たことあるぞ。や、や、やけん?やくけん?あれ?違う気が。名前はいいや。あれさえあれば両手で潰せるはず!
…細かい粉なら石臼もありか?小麦粉とかは水車で挽いてたんだったか。そんなに大量では無いから水車は却下だな。石臼なら両手でもいけるよね?元々有るなら流用出来そうだけど、無いかもしれないな。合わさってる内側がどうなってるか解らん。無かったら説明も出来ない以上諦めるしか無いのか?いや、小麦粉をどう挽いてるか聞いてみればいい。
や、薬研だ!思い出した!あれは?あれの構造は?何となくは解るけどはっきりとは解らない!これも駄目か?いや、香辛料を挽く時に使う道具もあるはずだ!それが解れば。…乳鉢だったりして。これも聞けば解るか。
おっと、リンゴ投入を忘れるところでしたよ。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…
満足行くまですり潰してたら水が減ってました。後は漉して冷めるのを待つだけですね。…冷めるのを待つ間、また何かすり潰せとか言わないですよね?
「ほう、丁度いいの。ではそれを篩にかける。この上で篩にかけるのじゃぞ。残った分はもう一度潰し直しじゃ」
…製菓用の篩器無いですか?がっしゃんがっしゃんさせながら篩う奴!目が細かいですよ、これ!ダメじゃん。結構残ってるよ。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…
はい、全部篩終わりました!…製菓なら何度か篩うんですが、しますか?しなくて良い、そうですか。それは良かった。あれ?今度はすり鉢ですか?鉢が大きくなっただけですよ?
「その粉に水と蜂蜜を混ぜて練るんじゃ。蜂蜜、水の順で少しずつ加えるのじゃぞ。粉っぽさがなくなるまで、しかし緩くてはいかん。嬢ちゃんはクッキーを造ったことはあるかの?あれぐらいだと思えばよい」
…クッキーにも種類があって、固さまちまちなんですけどね。取り敢えず、目指せ耳たぶの固さ、てとこですか?クッキー生地は篦で混ぜてましたが、すり鉢と擂り粉木使うんですね。…明日右手だけ筋肉痛になってそうですが。
蜂蜜入れて水入れてグリグリグリグリ…
・・・・・
こんなもんでしょうか?
「次はこれにそれを詰めるのじゃ。形に嵌めて飛び出た分は篦でとって戻すのじゃぞ。それは扇状製丸器じゃ」
…おおぅ!扇型に開くから「扇状」なのね。製丸器…と言うことは私は丸薬造ってたんですね。今初めて知ったよ。
「嵌めたら更に押し込んで、そう。そして取り出して今度はそっちの入れ物じゃ。それは成丸器。蓋締めて揺するのじゃ。するとより丸くなる。それが終わったら、ここに並べて乾燥させる。一回り程小さくなるかの。これが〔回復薬(小)〕じゃ」
「回復ポーションは5級以上は相応の〔調合〕レベルが必要なんじゃが、回復薬にはそれが無い。材料さえあれば回復(特大)まで造れる。つまり、〔調合〕のレベルを上げる必要のある弟子の仕事じゃの」
「〔回復薬(小)〕の処方法は5級と4級の絞りカスを乾燥させたものを同量。後は魔法水と蜂蜜を適量じゃ」
「2級以上のポーションは〔薬師〕になっとらんと造れん。因みに丸薬なのは回復薬だけじゃ。残りの回復する薬は全てポーションじゃよ。錬金術師になれば造れる薬もポーションじゃ」
「お嬢ちゃんは生活魔法以外の魔法は使えるかの?」
「レベル1ですけど無と土を覚えてます」
魔法全然使わないけどね。〔空間把握〕と〔照明〕以外はここで〔着火〕を二回使っただけです。
「ふむ。レベル1魔法を10回唱えるだけの魔力はあるかの?」
「ちょっと待ってください。…大丈夫です。あります」
「ならばこれを手に握ってレベル1魔法を10回かけるのじゃ。この石にかけるのじゃぞ?ちゃんとかかれば一瞬石が光り、その魔法の色に染まる。無魔法なら透明・土魔法なら茶色になるのじゃ」
そう言って渡されたのは白い八面体の石だった。
「それが〔魔法石(空)〕じゃよ。〔魔法石〕にするのではなく、発動しない魔法を込めると〔魔石〕になるのは知っておるか?水に〔魔石〕を10時間浸けておくと〔魔法水〕になる。そして調合には〔魔法水〕を使うことがほとんどなのじゃよ」
「標準ポーションの〔魔法水〕を造るには、水1ℓに対して2の魔力がいる。〔魔法水〕を20ℓ作りたいからレベル1の魔法が10回分必要なのじゃ。魔力が多い分には問題ないが、魔力が足りないと等級外ポーションになってしまうのじゃ。余り多すぎても等級外ポーションになるがの」
一晩て10時間だったんだ。それは知らなんだ。全然使った事の無い〔簡易修復〕を選んで石に魔法を込め、汲んできた水を瓶に入れる。一体どれだけの入れ物が有るんだここは。しかも容量別に。
「では続きは明日じゃの。今日はここまでじゃ。ちょっとする事があるから夕飯は奢ってやれん。すまんの。朝は7時以降なら何時でも構わんぞ。用事があるなら昼からでも構わんわい」
いやいや、奢ってもらうの当然だなんて思ってませんから!
「ありがとうございます。また明日お願いします」
お礼を言ってお店(仮)を後にする。…もう21時になるよ。
レベルアップも出来るな。お、職業〔調合士〕に就けるじゃないですか。これで一歩前進ですね。
所持金118圓
【技能】技能ポイント2(39+3)
メイン
観察レベル5/調合レベル4→6/会話レベル4/歩くレベル7/柔軟レベル0/受けレベル0/杖術(短)レベル1/関節技レベル1/体術レベル0
サブ
採集レベル2/筆写レベル3/知識(植物)レベル2/読書レベル5/魔法(土)レベル1/生活魔法レベル2/魔法(無)レベル1→2/捌きレベル1/当身レベル0
取得技能
知識(材木)レベル0/水汲みレベル0/知識(武具)レベル0/知識(服飾)レベル0/知識(道具)レベル0☆
取得可能技能
料理レベル0☆
魔法
生活魔法(3)
着火レベル1/照明レベル2
無魔法(5+2)
空間把握レベル3/睡眠レベル1/簡易修復レベル1→3
土魔法(3)
穴掘りレベル1/隆起レベル1/鉱物探知レベル1
☆新しい技能
レベル4→5
職業
メイン調合士レベル1 /サブ
レベル
体力53/49(+4)+12→71/65(+6)
魔力55/50(+5)+12→73/67(+6)
力: 14(+1)
知恵: 13(+1)+1→14(+1)
精神力:13(+1)
生命力:12(+1)+1→13(+1)★
器用さ:13(+1)+1→14(+1)
素早さ:12(+1)
幸運 :12(+1)
ステータスポイント:0
★は任意で振った分




