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第二世界  作者: 長月 萩
100/115

本文99 紙漉き

 ロイさんの所に兎さんが居ました。

 いや、ロイさんは元々兎なんだけど、ロップイヤーの厳ついおっさんだったけど、顔は人間だったのに、顔まで兎になってる。てか、色まで変わってるって事は…別人?

 ロイさんは灰色で、この兎さんは白だ。因みに目は黒いのでアルビノなわけでは無いようだ。


「いらっしゃいませ」


 おぉ。たおやかな女性の声ですよ。顔が人間じゃないのが残念だ。ロイさんと逆だったら良かったのにね。いや、ロイさんの顔が悪いわけではない。ただ、兎耳は女性のが似合うよね、ってだけで。ロップイヤーだけど。


「…お客様?」


 思考が暴走してたのはどれぐらいだったのか、兎さんに怪訝な声を掛けられた。

「あ、ごめんなさい。ロイさんはどうしたんですか?」


「ロイに用事ですか?…あ、もしかして庚さん?」


「はい」


「ちょっと待っててくださる?もう少ししたら戻って来ると思うので。初めまして、私はロイの姪のジャニスと言います。今週はちょっと忙しいらしくて、店番頼まれたんです」


 え?そんな事は昨日は言ってなかったんですがね?

「初めまして、庚です」


「嬢ちゃん来てたか。すまんがちょっと来てくれ」


 そう言うとロイさんはまた出て行く。ジャニスさんに手を振られて、私も後に続く。いつもは店番なんか置かずに、ホイホイ店空けてるのに、今回はどうしたんだ?



「嬢ちゃん、魔力はどれぐらい有る?」


 歩きながら聞かれる。

「今残ってる魔力ですか?100切ってます。グスタフさんの所で結構使って来てるので」


「…グスタフの所で?あぁ、そうか。飴は〔薬師〕も造るんだった。もう造り始めてるのか?」


「いえ、〔料理人〕の方は知らないですけど、〔薬師〕は夕方にならないと魔力水が無いので、まだのはずです」

 今日は弟子が造るだけで終わるみたいだし。


「そうか。なら間に合うか?ここだ」


 そう言って戸を開けると、ずかずか奥に入っていく。…いいの?


「嬢ちゃん、こっちだ。おい!どこまで行った?」


「蝋引きの手前です。〔乾燥〕の魔力が足りなくて…」


「嬢ちゃん、〔乾燥〕出来るぐらいは魔力あるか?あるなら、そこに立てかけてる紙を乾燥していってくれ。俺は今完全に魔力切れでな」


「…ポーション要ります?」


「ポーション使うのは、もっと切羽詰まってからでいい。無駄な金は使いたくないからな」


 そうですか。立てかけてる紙って、これ紙なんだ。布かと思った。六枚あるね。

 では〔乾燥〕…一気に何枚も出来ないものかと思ったけど、無理なようだ。〔脱水〕なら洗濯物を五枚ぐらい一気にできるのに、何が違うんだろう?水分量?なら洗濯物のが多いか。表面積とか?四枚乾かして、魔力が無くなった。

「魔力切れました」



「…一回に一枚か。嬢ちゃんはあまり特技使ってないのか?調合の時はどうしてるんだ?」


「今までは、グスタフさんが乾燥してある素材を用意してくれてました。この間から、生の素材を天日干ししてますけど…」

 洗濯物も乾燥させないで脱水しかしてないからね。そういや、干しっぱなしの素材どうしたんだ?とっくに乾燥してそうな気がするけど。


「そっからやってるのか!!…なんか他に魔力使う事あったか?」


「グスタフさんの所で使うのは、主に魔法石に魔力込める事ですね」


「魔法石?あぁ、魔力水使うんだな?そうか…」


「ところで、どうして紙を乾かしてるんですか?」

 言われたからやったけど、さっぱり意味が解らないよ?


「すまん、説明がまだだったか。飴の包み紙とそれを入れる袋の紙を造ってるんだよ。袋の方は六千個、包み紙は無色なら在庫が有ったんだが色分けして一万枚分。しかもなるべく早く納品してくれ、と来たもんだ。聞けば飴造りの方にも既に発注かけてるらしいじゃないか。手落ちも良いところだ」


 怒ってると言うよりは呆れてますね。確かに包み紙出来上がってから、飴の発注かけるべきだよね。

「紙を造ってる事は解りましたけど、それをロイさんが手伝ってるのは?」


「あぁ、そこからか。紙の造り方は知ってるのか?」


「なんとなくは…」

 詳しくは知りません。繊維を細かくして造るんだったよな?



「紙漉は植物の繊維を使う。木の繊維だな。だからか紙漉自体も〔木工〕の分野に入るんだよ。紙を漉く工程を省略出来のは〔紙漉職人〕だけなんだが、元々時間がかかるせいか、紙漉するまでの工程は細かく分かれてるんだ。その工程の一部は〔木工職人〕がやることも出来る」


「この街には〔紙漉職人〕は見習い含めて四人だ。〔工程省略〕出来るのが一人。職人になってるのが一人。後の二人は見習いで、二人はまだ特技を何も使えない」


「どうせ魔力が回復するまで、する事は無いんだ。この二枚乾燥させたら、頼まれた仕事は終わるしな。紙造りについて、詳しく教えよう」


・材料はこうぞ三椏みつまた雁皮がんぴ

・原木の採集は一月に行う。

・原木をまとめて蒸して、原木剥ぎを行う。

・剥いだ皮を乾燥させる。

  この状態で保存。

・皮を半日程水に浸けて柔らかくする。

・柔らかくした皮の表皮を丁寧に削る。

 楮だけは甘皮も残す。

・白くなった皮を水で洗って汚れを落とす。

・水にトロナを入れて、沸騰したら白皮をほぐしながら入れる。

  トロナ=炭酸塩鉱物 水量の一分いちぶ程度。

・30分毎に棒でひっくり返しながら二時間ほど煮た後、蒸らす。

・水で洗いながらゴミを取る。楮は灰汁抜きもする。

・堅い木磐の上で木の棒で叩いて繊維を砕く。

・原料、トロロアオイを水に入れ、均等になるように混ぜる。

  色を付けるならこの時に混ぜる。

・紙を漉く。

  水から紙料をすくい上げ、簀の子全体に行き渡らせる。

  更にすくい上げならがら、前後に揺らす。

   これの回数で厚みが決まる。

  目的の厚みが出来たら、上の水と紙料を一気に捨て、

  水気を切って台の上に移す。

   紙料が無くなるまで重ねて行き、一晩放置する。

・放置された紙を圧搾器でゆっくり圧を加えながら絞る。

・絞り終えた紙を一枚一枚剥がす。

・剥がした紙を刷毛で干し台に貼り付け、天日干し。


 


 …すんごい工程多いんですけど。しかも、一晩放置って何さ?すぐに水気切ったらダメなの?楮・三椏・雁皮って、思いっきり和紙じゃ無いですか。図書館で売ってたの、和紙っぽくなかったよ?



「と、まぁ、一から全部やってたら、三日以上かかるわけだ。しかも、今回は蝋引きまでする。蝋引きはこのサイズだと大きすぎてしにくいから、適当な大きさに切ってからする」


「一番目と二番目の工程が〔木工職人〕が〔工程省略〕出来るところだ。一番目は必要無かったから、二番目を〔省略〕した。更に、蝋がそんなに無いと言われたから、木蝋も造って、俺の魔力は終わりだ」


「五色までなら色付けした事が有るらしくてな、三番目と四番目の工程をまとめて〔省略〕出来た。三色やって、一人魔力切れだ。しかもだな、四番目の工程に一晩放置、と言ったろう?〔省略〕出来るのはその手前までなんだ。で、各色十枚を慎重に別にして、特技で〔脱水〕してから干し板に貼って、特技で〔乾燥〕させてた訳だが、後六枚で終わりって所で、全員の魔力が切れたわけだ。〔紙漉き職人〕の二人も、あまり特技を使ってないらしくてな。〔脱水〕も〔乾燥〕も一枚ずつしか出来なかったのが、痛かった。と言う俺も二枚ずつしか出来なかったがな」


「よし、これで終わりだ。おい!これも乾燥できたぞ!蝋引きに回せ!」


 男の子が一人走り出てきて、干し板を二枚とも回収して去っていった。


「俺の手伝いはここまでだな。親方に挨拶してから帰るか。色紙に蝋引きした事が無いと言ってたから、親方がやってるんだろう。嬢ちゃんも顔見せていきな。四枚乾燥して貰ったしな」


 …四枚如きで何の手伝いやら。



 山羊だ!しかも、黒山羊さんだ!お手紙食べちゃダメですよ!?

運営さん、これはネタなの?ネタ仕込んだの?


 親方は人間でしたけどね。





所持金65,684圓

財布0圓


【技能】技能ポイント7(350)+2

報酬経験値:3

メイン

調合レベル43/観察レベル34/歩くレベル17/採集レベル18/会話レベル17/柔軟レベル12/杖術(短)レベル10/投擲術ボーラレベル4/投擲術(投槍)レベル2/投擲術(微塵)レベル2/捌きレベル4/掴むレベル9/結索レベル6/走るレベル1/遠目レベル0/隠密レベル0/生活魔法レベル23/魔法(無)レベル22/魔法(土)レベル8/魔法(風)レベル7/魔法(水)レベル4/魔法(付与)レベル12/魔法(火)レベル2/魔法(治癒)レベル4/知識(道具)レベル14→15/知識(植物)レベル8→9/知識(武具)レベル6/知識(魔物)レベル6/知識(材木)レベル1/知識(動物)レベル1/細工レベル4/木工レベル2/鉈(小)レベル2/鑿レベル0/玄翁レベル0/鋸レベル0


サブ

筆写レベル6/読書レベル6/投擲術ブーメラン3/投擲術(投石)レベル3/投擲術(投網)レベル0/水汲みレベル5/鍬レベル4/耕耘レベル4/料理レベル2/洗濯レベル2/裁縫レベル2/シャベルレベル1/栽培レベル1/知識(服飾)レベル2/知識(鉱物)レベル0/魔法(光)レベル1/魔法(闇)レベル1/解体レベル1/木登りレベル0/蹴りレベル0/鉈(大)レベル0/関節技レベル1/当身レベル0/受けレベル0/体術レベル0


取得技能



特技

加熱レベル4/冷却レベル1/焙煎レベル1/保温レベル1/脱水レベル1/乾燥レベル1→2/沸騰レベル1/破砕レベル2/圧搾レベル1


就職可能職業

学徒レベル12→13/魔術師(無)レベル9/魔術師(土)レベル8/魔術師(風)レベル8/毒師レベル2/戦士(杖術)レベル6/学士レベル1/魔術師(付与)レベル8→9


魔法

生活魔法(89)

着火レベル1/照明レベル17/畜水レベル19/発熱レベル17/はたきレベル1/箒レベル1/保冷レベル1/保温レベル17/拭き取りレベル1/灰掻きレベル1/集塵レベル1/防滴レベル1/洗浄レベル6/脱水レベル1/ワックス掛けレベル1/磨くレベル1

無魔法(80)

空間把握レベル24/睡眠レベル15/簡易修復レベル3/麻痺レベル16/隠れるレベル1/野営レベル9/混乱レベル3/開錠レベル1/鑑定レベル2/気絶レベル3/罠解除レベル1/周辺警戒レベル2

土魔法(33)

穴掘りレベル10/隆起レベル7/鉱物探知レベル3/埋めるレベル1/拘束レベル11/砂かけレベル1

火魔法(11)

着火レベル1/火球レベル1/耐熱レベル9

風魔法(29)

送風レベル1/鎌鼬レベル13/追い風レベル10/消風レベル1/反射レベル1/風球レベル3

水魔法(22)

水球レベル11/散水レベル4/水中行動レベル7

光魔法(3)

照明レベル1/光球レベル1/消灯レベル1

闇魔法(3)

消灯レベル1/闇球レベル1/暗視レベル1

治癒魔法(25)

回復(微)レベル14/解睡眠レベル11

付与魔法(53)

耐睡眠レベル10/防御力強化レベル11/防御力低下レベル11/耐沈黙レベル6/速度強化レベル6/速度低下レベル6/耐暗闇レベル1/攻撃力強化レベル1/攻撃力低下レベル1



☆新たに増えた


レベル31

職業

メイン:調合士レベル14/サブ:薬師レベル2


体力374/340(+34)

魔力385/350(+35)

          

力:  24(+2)

知恵: 24(+2)

精神力:21(+2)

生命力:24(+2)

器用さ:25(+2)

素早さ:25(+2)

幸運 :27(+2)

ステータスポイント:0


★任意振り分け



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