静かな夜に、決意が灯る
花柳街編も十一話です!
今回は比較的穏やかな回です。
それでは早速お楽しみください!
茶屋を出ると、夜の花柳街は昼間とは違う顔を見せていた。
提灯の灯りが道を柔らかく照らし、人々の話し声がどこか遠くで溶け合っている。
「はぁ……」
ミオが大きく息を吐いた。
「お茶もお菓子も美味しかったですし、なんだか久しぶりにゆっくり出来ました!」
その声は弾んでいて、少し前までの張り詰めた様子はもう無い。
「良かったねぇ」
アサガオは朗らかに笑い、ミオの方を見下ろした。
「こういう時は、ちゃんと一息つくのも大事なのよ!頑張り屋さんほどね」
「はい!」
ミオは素直に頷く。
「アサガオさん、すごく話しやすかったです!」
「あら、うれしいこと言ってくれるねぇ」
アサガオは肩をすくめ、楽しそうに笑った。
その様子を見ながら、ハヤテは小さく息を吐く。
この人は、場の空気を自然と和らげる――そんな不思議な余裕があった。
その時、シュラマルが口を開いた。
「……すまない」
低い声でそう切り出し、皆を見る。
「アサガオを宿まで送ってやらねばならない。
皆は先にアヤメと合流してもらえないだろうか」
一瞬、場が静まる。
「え? でも、少し寄るだけなんですよね?」
ミオが首を傾げる。
「あぁ。すぐだ」
「じゃあ、私たちも一緒に行きます」
ネコメが即座に言った。
「合流する前に、もう少し話しておきたいしね」
「俺も賛成です」
ハヤテも頷く。
「宿までなら、遠回りにもならないでしょう?」
シュラマルは少しだけ眉をひそめたが、やがて小さく息を吐いた。
「……分かった」
「決まりね!」
アサガオは嬉しそうにそう言うと、自然な仕草でシュラマルの腕を取った。
「ほらほら、エスコートしてくれないの?」
「……腕を離せ」
「えー、今日はデートなんだからこれくらい良いでしょ?」
軽やかな笑い声を立てながら、二人は歩き出す。
その後ろを、ハヤテたち三人が並んで歩いていた。
「……なんか、シュラマルさん押されてますね」
ミオが小声で言う。
「相性が良いのかもしれないね」
ネコメは面白そうに笑った。
「意外な一面だ」
宿に着くと、アサガオは振り返り、にこやかに手を振った。
「今日はありがと!じゃあ、またね」
「あぁ」
シュラマルは短く応じる。
アサガオが宿へ入っていくのを見届けてから、一行は広場へと向かった。
ほどなくして、アヤメの姿が見える。
「遅かったな」
「少し寄り道をしてましたー」
そう答えたのはネコメだった。
「調査の方はどうだ?」
「進展あったよー」
簡単に言葉を交わし、全員でタチバナの屋敷へと歩き出す。
屋敷に入ると、ゲンサイが待っていた。
賭場での一通りの報告を聞き終えた後、ゲンサイは静かに立ち上がる。
「……なるほどな」
「ちょいと気になる事が出来た」
その目に、迷いは無い。
「よし、こっから先は、俺も出張るぜ……!」
重く、しかし確かな決意を込めた声だった。
誰に向けて語るでもなく、だが確実に全員に届く言葉。
花柳街の空気が、わずかに変わったのを、皆が感じていた。
花柳街編第十一話ご覧いただきありがとうございます!
今回は前回までとは違い穏やかな回でしたね。
さて、皆でお茶屋さんを出た後、話しながら歩いていたみたいです。
ミオさんとアサガオさんは仲良くなれたみたいでよかったです!
そして今回なんと、ゲンサイが動くと決意を表明していました!
次回からの活躍に期待ですね!
今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
P.S. 仕事と私生活が立て込んで一日に複数話の更新が難しくなってまいりましたが、毎日投稿だけは続けていきたいです!
見直しなどで質を保ちたいので、更新が遅くなるかもしれませんが、どうか変わらず応援を頂けますと幸いです。
可能な限り、どんどんと面白いものを書いてまいりたいです!




