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歯車たちの英雄譚  作者: 彩衛門
第一章 桜都花柳街編 ―楽園に咲く血の華―

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花柳街からの招待

第一章 桜都花柳街編 ―楽園に咲く血の華―

ついに開幕しました!

大きな花街でハヤテくんたちを待ち構えるのはどのような人物たちなのでしょうか?

新しい冒険の始まりにふさわしい一話をご覧ください。

花柳街の夜は、いつだって騒がしい。

 笑い声、酒の匂い、甘い香、そして欲望。


 ここは楽園だ。

 守られている限りにおいては。


「……面白れぇ奴らが居やがるぜ」


 少し前、親分――ゲンサイは、そう言って笑った。


「ちょいと、おめぇさんが迎えに行ってやんな」


 それだけだった。

 詳しい説明はない。

 だが、あの人が“面白い”と言う時は決まっている。


 ――面倒事の匂いがする時だ。


 私は花柳街の入口に立ち、寄越した遣いが戻るのを待っていた。

 提灯の灯りが風に揺れ、行き交う人々の影が地面に伸びる。


 しばらくして、人の流れがわずかに割れた。


 遣いの後ろから、三人が現れる。


 若い少年。

 活発そうな少女。

 そして――一目で只者ではないとわかる男。


(……なるほど)


 噂は、もう耳に入っている。

 新種のコーボルトを討ち取った冒険者。

 その中心にいた少年。


 だが、噂ほど当てにならないものはない。


 私は一歩前に出て、柔らかな笑みを浮かべた。


「初めまして。君たちを歓迎するよ」


 言葉だけなら、いくらでも並べられる。


花柳街(かりゅうがい)へようこそ」


 内心では、まだ何一つ信じていないまま。


 少年は、少し緊張した様子でこちらを見る。

 少女は、きょろきょろと落ち着かない。

 護衛役だろう男は、静かに周囲を観察している。


(視線がいい。……あれは、場数を踏んでる)


「私はアヤメ。ここで案内役を任されている」


 若頭であることは、伏せた。

 今はまだ、知る必要はない。


「道中、軽く自己紹介でもしようか」


 歩き出しながら、彼らの話を聞く。

 冒険者であること。

 最近桜都に来たばかりだということ。


 花柳街に足を踏み入れた瞬間、ミオが目を輝かせた。


「わ……すごい……!」


 素直な反応だ。


「人も多いし、にぎやかですね」

「匂いも……お酒と甘いのが混ざってる」


「初めてなら、そう感じるだろうね」


 私はそう答えながら、通りを示す。


「ここは遊郭。

 こっちは賭場。

 奥に行くと、表じゃ売れないものが並ぶ」


「……全部、街の中にあるんですね」

 ハヤテが感心したように言う。


「隠す必要がないからね」


 花柳街は、嘘をつかない。

 嘘をつくのは、いつだって人間の方だ。


 シュラマルだけは、どこか懐かしそうに周囲を見ていた。


「相変わらず、だな」

「……知っているのかい?」

「昔、少しな」


(やはり、初めてじゃないか)


 歩いているうちに、喧騒は少しずつ遠ざかっていく。

 代わりに、空気が変わる。


 守られた場所の匂い。


 やがて、ひときわ大きな屋敷が姿を現した。

 高い塀、重厚な門。

 ここが、この街の“芯”だ。


 私は足を止め、振り返る。


「着いたぞ」


 一瞬だけ、彼らの反応を確かめてから告げる。


「ここが――我がタチバナ組の本拠地だ」


 さて。

 この少年たちは、

 この先で“面白い”存在になれるだろうか。


 それとも――

 ここで終わるか。

新章一話目、いかがだったでしょうか?

新しい登場人物アヤメが登場!しかも早速彼女が花柳街を案内してくれていますね。

アヤメの人柄について皆さんも少し掴めたのではないでしょうか?

彼女は花街出身の者としての誇りや矜持を持っているようですね...

さて、花柳街編ではこの後ハヤテくんたちやアヤメの活躍に乞うご期待です!

次回も応援よろしくお願いいたします!

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