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ヒューマンドラマ

手の届く広さ狭さ

作者: みなはら

てのとどく

ひろさせまさ



届けばいいと想う人がいる

決して届かない人がいる



こころは

じゆうだけれど


おもうほどには

じゆうにとべない


あの人に心を届けたい

あの人のもっと近くに居たい


からだはおもく

すべてをこなすほどにはいたらず



おもいをはたすには

そのためのときがたりない



身体を置き去りにして

もっと動けたら


心だけでもっと高く

もっともっと遠くへと行けたら



どこまでゆけるだろう

あのひとのおもいにとどくだろうか


そうすれば


どんなにか


晴れやかに過ごせるか




心は重く肉体に縛られて

身体は鎖に繋がれているよう



それもまた自分の業

それもまた自らの定め



出来ることを一歩ずつ


たとえ出来なくても

間に合わなくても



それでもと

そのきもちだけは

できそこないの

こわれかけた

こころとからだで



おもいにいたむこころと

おもしをひきずりながら


届けたい想いはある

告げられたらという心も


それを内に秘め

送るしかない日々をゆく



未だゆかないでくれという想いとともに

もういった人のことをふりかえる


そう遠くないうちにゆくであろう親父さんと

自分の同じ年にいった父親とを想う



くだらぬ欲求の

すがるしかないおもいと


うけた想いへの

かんしゃのきもちをむねに


いまをすごす



すごすしかない


いたむこころとからだ




手の届く広さ狭さ

懐の狭さを感じおもう



あの人のことを



懐かしき思い出と

受けた想いと

その感謝とともに


山の親父さんから聞いた話を

書きたいと思いつつ頭に封をしておりました。

未だ何も手をつけていません。


ここに来てから、人を想って書いたもの、書き始めたものが、終わらせてその人に見せるまでに到ったことがなかったのですね。

幾度も間に合わなかった気持ちを持ちつつおりましたし臆病になってもいます。


今度間に合わないとほんとに書けなくなる予感がして……



書き終えて見せたいという想いと、

そこには到れないであろう気持ちと、

だいぶ前からその狭間で動いていました。


あまり良くないんですね、山の親父さん。

去年には血を吐いたりもしたようですし……


耳のだいぶ遠くなっている親父さん。

いろんな怪我や病気で入退院をしつつでしたが、医者の話や同室の方と会話もしづらいでしょうから、入院は苦痛なんですよね、想像がつきます。

あの出来事辺りから、病院の療養は以前とは変わりましたから。

人との接触を避けるやり方は、昔ながらの人にはそれだけでも苦痛で孤独を感じるであろうと……



日々に追われつつで、なかなかまともにそちらに出かけられない自らの体力のなさを恨みに思ったりもいたします。

そう割り切るしかない自らのふがいなさも……


少し、そんな想いをここに書いておきます。

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