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スク水祭りの開催準備

3月21日。シラサギ公国はスク水祭りの準備に着手した。対象はデビュー前の女の子だが、徐々に現役やリタイヤした魔法戦士に広げていく。というのも異世界ではスク水の供給ができないからだ。時期は春休み中にやりたい。今はなかなか人が集まらないので参加者はいすみと伽耶の2人だけになりそうだ。あとはシードマンを10人くらい集めれば充分だろう。馴れ合いを防ぐため、対戦相手は入れない。むしろそうした方がいすみたちは恋に燃え上がるはず。対戦相手も燃え上がるはずだ。魔王さまは魔法戦士のブランド化を目論むが、かと言っていすみたちで儲ける気はない。シラサギ公国は高度経済成長期に入ったばかりなので余裕がある。なので魔法戦士を我が国固有の文化にしたい。スク水祭りはファッションショーと街コンを融合したイベントにする。いすみたちはファッションモデルだ。2人は10種類ものスク水を身にまとってシードマンに披露するのだ。このイベントの狙いはいすみたちをいち早く異世界に慣れさせることにある。これまではデビュー前の女の子を対象にしたイベントがなかったため、異世界に馴染めずにリタイヤした魔法戦士が意外と多いのだ。もちろん法華会が何のサポートもフォローもしないのが悪いのだが、シラサギ公国はデビュー前の女の子を対象にしたイベントを増やすことにした。法華会に任せていると魔法戦士の文化は死に絶えてしまうに違いなかった。彼らは悪しき昭和の権化であり、ナチスよりもたちが悪い。アイツラなんぞに任せておけない。シラサギ公国の庶民はたいがい健全かつ素朴だ。スク水祭りもブルマー祭りも庶民からの突き上げで実現に向かっていた。今回は非公表にする。いきなり庶民に押し掛けられたらいすみたちがドン引きするからだ。スク水祭りは異世界史上初の試み。なぜこれまでに実現しなかったかというと言うまでもなくキモヲタの増殖を懸念する声が必ず上がるからだ。でも魔法戦士は日本のアイドルみたいに性悪ではない。彼女たちは性根が腐り切っていないから大丈夫だと言ってもなかなか聞いてもらえなかった。異世界では男女を問わず日本のアイドルは最低最悪だと断じているから極めて民度が高い。魔王さまは温水プールを舞台にしてはどうかと考えた。いすみたちは2チームに分かれてシードマンたちと混合チームを作り、ビーチバレーをする。彼女たちの体力からして2ゲームが妥当だろう。温水プールには人工の砂浜があるからビーチバレーができるのだ。女の子は友人同士で競わせることが大切。その方がいすみたちの成長につながるからだ。魔王さまはスク水祭りを単なるファッションショーで終わらせない。あくまでも彼女たちに楽しんでもらわなければ意味がない。魔王さまは面倒見がいい。仮投降した魔法戦士はみんな社会復帰を果たした。年収1000万トミノを超えた子も少なくない。シラサギ公国の公用語のシラサギ語は文法が極めてシンプルだから修得が難しくないのだ。仮投降した魔法戦士はシラサギ語を無料で学ぶことができる。彼女たちを売春や夜の仕事に従事させたりはしなかった。現役の魔法戦士がリアルにとどまりながら偵察任務に従事できるようにしようという動きがある。もちろん法華会ではない。アイツラは常に何もしない。ただの戦争屋に過ぎない。いすみたちはシラサギ公国が育てる以上、異世界に常駐する義務は負わずに済むのだ。問題は1人あたり10着ものスク水をどうするか?いすみたちに代金を渡して買わせてもいいが、ファッションデザイナーに彼女たちのプロフィールを見せた上で、リアルに展開するバイヤーにスク水を買わせた方がいい。いすみたちは直前まで身にまとうスク水を知らされない。身にまとうスク水の順番はファッションデザイナーに考えてもらえばいい。それも無名な若い女性をファッションデザイナーに起用する。いすみにはいすみ専用。伽耶には伽耶専用のファッションデザイナーを担当させる。スク水祭りは2人の無名ファッションデザイナーの晴れ舞台でもあるのだ。バイヤーも無名な若い女性を起用する。もちろんいすみと伽耶は別の女性が担当する。スク水祭りは春休み中がいいだろう。これから中等部1年生に進級するいすみたちは不安なはず。でもスク水祭りに参加すれば必ず自信になるはずだ。舞台設定も若い人に任せよう。魔王さまは若い女性を好んで起用した。彼らは[抜擢]という言葉を蛇蝎のごとく忌み嫌った。なぜならば[抜擢]はする人のえこひいきであり節穴であり、現場を混乱させるだけに終わるからだ。このあたりはズブの素人を好んで起用したナチスや法華会と全然違う。次元もベクトルも全然違うのだ。スク水祭りの準備は極めて順調に進められていった。いすみたちは春休み中ならばスク水祭りを平日に開催しても問題ないはずだ。その頃には気温が上がる。スク水を身にまとっても肌寒くないはずだ。

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