2度めの訓練
3月16日。いすみと伽耶は近所の公民館で訓練に参加した。14時だから気温は上がりつつあるが、まだ肌寒い。2人は更衣室で体操服とブルマーに着替えた。オーバーニーソックスはいすみがグレー。伽耶がチャコール。いすみはグレッグ。伽耶はゴードンと組んで柔軟体操を始めた。徐々に慣れてはきたが、2人は男の子に免疫がない。なので訓練はまぎれもなくグレッグたちとのデートだ。「ねえグレッグ、梅雨や夏の訓練はどうするの?」「シラサギ公国でやるさ。異世界には梅雨時期でも雨はあまり降らないし、夏は名古屋ほど気温が上がらないんだ」「なら安心ね」いすみたちは胸を撫でおろした。やっぱり自分たちの汗臭いからだを教官たちにさらしたくはない。初めは順調だったが、股割りとなるとやっぱり恥ずかしい。グレッグたちが休憩を入れてくれて2人はほっとした。いすみたちは教官たちとの雑談に花を咲かせた。「取材の日は体操服にブルマーだからね」「な、なんで?」「いすみたちはまだ訓練生だからね。魔法戦士のコスチュームはシラサギ公国の認可が下りないと貸与されないのさ」「じゃあ認可が下りれば貸与されるのね」「そうだね。取材の後にはなるが」「すっごく楽しみね」休憩が終わると2人はほんの少しだけ股を開いてみせた。「股割りができるようになってきたねいすみ」「ま、まあね」「前回よりも更に上達したね伽耶」「う、うんっ」いすみは伽耶にちょっぴり嫉妬した。伽耶の方がゴードンとの親しさを増したように感じたからだ。2人は下着が湿り気を帯びていくのを感じた。それは理性が吹っ飛ぶレベルではなだが、ジワジワくる。今はまだブルマーだからいいが、魔法戦士のコスチュームだったら彼らにバレないはずがなかった。いすみたちはうっとりした。ま、股割りがこんなにも気持ちいいなんて。実際にはラインで親しさを増したり、股割りという羞恥を覚えざるを得ない状況。更には強力な催淫剤の働きによるものだ。でも2人は催淫剤なんて知りはしない。いすみたちはよだれがあふれ出した。柔軟体操が終わると今度はキックの練習。グレッグたちはサンドバッグを用意した。教官たちは可愛い生徒たちの前でいいところを見せようとしたが、張り切りすぎてスネのあたりに違和感を覚えてしまった。なので実技指導をやめた。「魔法戦士はキックもパンチも左右両方から繰り出せないと勝負にならない」「ねえグレッグ、シードマンとの実力差はどれくらいあるの?」「プロ野球に例えるならば魔法戦士は中日ドラゴンズだ」「じゃあ中日が巨人や広島と試合する感じ?」「そうだね。魔法戦士の勝率は中日よりもぐっと下がるが」「よくて2割から3割くらい?」「まあそんなところだね」「そ、そうなんだ」絶望するレベルではないが、やはり簡単ではない。魔法戦士はからだが軽いからパンチよりもまずキックを磨いた方がいい。いすみたちは白のブーツを履かされた。魔法戦士が実戦で着用するブーツは素材が厚くて軽くて通気性に優れて柔らかい。リアルにはない素材だ。「これならムレないしすっごくいいわね」「そうだね。魔法戦士はキックを繰り出しやすいはずだ」いすみたちはキックの練習を始めた。地上戦で魔法戦士がキックを繰り出し時は小技と大技の組み合わせを磨くのがコツ。例えば右足でシードマンの左のスネを狙うフリをして左足で右腕を狙う戦法がある。魔法戦士はシードマンの金的を狙わない。やはり彼らの報復が心底怖いからだ。いすみたちはかかと落としを試してみた。確かに威力はあるのだが、いったん振りかぶらないといけないので、初動に時間がかかりすぎてシードマンに見切られやすい。なのでかかと落としを使う魔法戦士はあまりいない。しかもシードマンにブーツを脱がされてしまったらキックは無力化されてしまう。やはりブーツを履いた方がキックの威力が増す。からだにも絶妙にフィットする。帰宅したいすみたちはクタクタ。お風呂にも入らずに寝落ちした。夕食とお風呂を済ませるとヨガのエクササイズをこなしてから床に就いた。3月17日。2人はいすみの部屋でゴロゴロしながらグレッグたちとラインでおしゃべりした。20日は初めてシラサギ公国へ行く。生まれて初めての異世界。そしてシードマンとの出会いがある。いすみたちの対戦相手になるかもしれないギアとクルス。彼らの前で体操服にブルマー姿をさらすことになるので、2人はその日を想像し、嬉しさと恥ずかしさでドキドキした。しかも漫画の取材が終わればシードマンとデートする時間がある。3月18日。いすみたちは登校したが、もはやギアたちとのデートしか頭にない。2人はノーブラで行こうと決めた。その方が彼らに喜んでもらえるに決まっている。しかも異世界ではブルマーは下着扱いだというからギアたちの期待に応えたい。いすみたちはシードマンの期待に応えたい純粋な気持ちにあふれていた。