表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜のような君に永遠の愛を誓う  作者: 星宮愛藍
12/13

十つ目の願い

目が覚めると咲菜はまだ眠っていた。眠っているのをいいことに頬を撫でたり、髪を撫でたりしていると少し唸って目を開けた。

「あ、起こしちゃった?おはよう」

「おは、よう」

筋力が落ちて声を出すことも辛いようだ。朝食を食べ、他愛もない話をして過ごし、夕方になった。すると、咲菜は急に苦しみ出した。急いで医師が駆けつけ一旦は落ち着いたようだが、もうすぐ咲菜には天から迎えが来るようだ。医師たちは二人にしてくれた。

「ねぇ、最後のお願い。いい?」

これを聞いてしまったら咲菜が消えてしまう気がして僕は怖かった。

「十つ目は”幸せになって”」

「え?何言ってんのさ、僕は幸せだよ?」

「違うの。私じゃない誰かと幸せになって欲しいの。勇斗のことを心から愛してくれる人と」

「…嫌だ。僕は咲菜とでないと幸せになれない」

「ごめんね、でも私勇斗が幸せになってくれないと天に行けないよ」

「そんな事言わないでよ。僕は咲菜以外の人と幸せにはなれない。今もこれからも」

「うん、分かった。…もっと一緒に居たかったな。先に行くのを許してね。ごめんね」

「僕も一緒に居たかった。絶対迎えに行くから待ってて」

僕達は涙を流しながら抱き合った。

「勇斗、キスして」

僕は咲菜の頬に手を添えそっとキスをした。

「ありがとう。勇斗、愛してる」

「僕も愛してるよ。ありがとう、咲菜」

咲菜は微笑み、目を閉じた。咲菜の瞳から一粒の涙が流れた。

そして、もう目を開けることはなかった。僕は咲菜、咲菜と名前を呼びながらいつまでも泣いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ