1/13
桜になりたい
初めての小説投稿。暖かい目で見ていただけると嬉しいです。
「桜になりたい」君はなぜそんなことを言ったのだろう。
春の暖かい日、街では桜が綺麗に咲いていた。
「早く早く!」
「ちょっと待ってよー!」
僕ははしゃぐ咲菜を追いかけた。
「見てー!満開だよ、綺麗だね」
「そうだね」
「ねぇ、私桜になりたい」
髪を耳にかけながら咲菜が言った。
「え?どういう意味?」
「んー、秘密!」
人差し指を唇に押し当て咲菜は笑った。
「えー、教えてよ!」
僕はあんな形でこの言葉の意味を知るなんてこの時はまだ知らなかった。