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降り立つ

「フロッシュ!」


 声を掛けられ短機関銃サブマシンガンを向けると、突撃銃アサルトライフルを持ったサンドカラーのラビットが両手を挙げる。


「撃つなよ? オレだ! アッフェだ!」

「なんだアッフェか」


 ラビットからアッフェの声が聴こえてきたので、オレが短機関銃サブマシンガンを下ろすと、アッフェのラビットは近付いてきて月光丸の肩を掴むと、機体をしゃがませる。


「ここは戦場だぜ。不用心に突っ立ってるもんじゃない」


 アッフェがそう言うと、オレたちの上を銃弾が飛び越えて行く。なるほど納得だ。


「ボケーッと突っ立ってたってことは、どうせ分からないことだらけなんだろ? 何が分からない?」


 こんな時でもオレに気を掛けてくれるなんて、アッフェは相当お人好しらしい。


「敵味方の判別が付かない」

「それか。肩を見てみろ」


 とアッフェが自機の肩を見せると、何やらステッカーが貼られていた。

 青い風車の中央にJの文字が描かれたステッカーだ。


「ジャックストーム。それがオレたちのベースシップの名前だ」


 そう言ってアッフェが見上げるのは、風車と同じ青いカラーリングを施された陸上艦だった。どうやらオレは今までこの青い陸上艦に乗っていたらしい。


「お前の肩にも付いてるぜ」


 そう言われて月光丸の肩を見てみれば、確かに風車にJの文字のステッカーが貼られている。


「それが仲間の証だ。今日の相手は白い盾に黒い馬が二頭描かれてる。ツヴァイホースの奴らだな」


 言われて辺りを見渡せば、ラビットのカラーリングは様々だが、皆、機体の肩にステッカーを貼っており、馬と風車が戦っているのが理解出来た。


「どうだ?」

「分かった。馬をやれば良いんだな?」

「そう言うことだ」


 アッフェが月光丸の肩をバシバシ叩くと、くるりと戦場に向き直り、突撃銃アサルトライフルを構える。


「それじゃあ死ぬなよ!」


 そう言い残すと、アッフェは突撃銃アサルトライフルを撃ちながら戦場に紛れてしまった。



 身を低くしながら戦場を眺めていると、青いジャックストームと敵の白と黒のカラーリングを施された陸上艦との間で戦闘が行われている。そして大体20対30程で、こちらが数的不利であると分かった。

 戦っている機体数自体は同程度だが、向こうは母艦の防衛にも数体、機体を割いている。

 狙うならあいつらだな。

 戦闘を遠巻きに眺めたいるだけの防衛部隊は、自分たちに火の粉が降りかからないとでも思っているのか、ハッキリ言って気を抜いていた。

 オレは姿勢を低く、敵機に見つからないように気を付けながら、それでいて素早く、戦場を大きく迂回して防衛部隊に接近していった。



 何とか見付からず防衛部隊の側までやって来れた。敵機は八機。皆戦場を見ながら他人事のように談笑している。

 オレは、呑気に談笑何てしている敵機に、脇から素早く駆け寄り、短機関銃サブマシンガンをぶっ放つ!


 ドバババババババババ…………ッッ!!


 いきなり至近距離から弾丸を撃ち込まれた二機が沈黙。

 慌てる残り六機が突撃銃アサルトライフルを構えるより早く、短機関銃サブマシンガンで牽制しながら背部から大太刀を抜くと、短機関銃サブマシンガンを撃ったまま大跳躍して今度は反対側へと降り立ちながら、ザクッと敵一機に大太刀で一撃与える。


「この野郎がぁ!!」


 二機が突撃銃アサルトライフルを構えたままこちらに突進してくるのを、横っ飛びで右にかわすと、近い方の一機の腹に短機関銃サブマシンガンの押し当て、


 ドバババババババババ…………ッッ!!


 いくら射程が短く、威力が低かろうと、これだけ近ければ内部の人間はミンチだろう。


「クソがあ!!」


 と襲いくるもう一人を振りかぶった大太刀で縦一文字の真っ二つにする。これで残るは三機。


「う、うわああ!?」


 変な悲鳴を上げながら、三機はきびすを返してこの場を逃げ出そうとする。

 そうはさせるかよ! こっちはお菓子が懸かってるんだ!

 オレは跳躍して三機の前に降り立つと、ドバババッと短機関銃サブマシンガンをぶっ放つが、一機倒した所で、カチカチ、と弾切れを起こしてしまった。

 それに気を大きくした敵機が、突撃銃アサルトライフルを撃ち込んでこようとするのを、大太刀を投げ付けて、一機沈黙させ、もう一機がビビって硬直している隙に、背部パックから予備のドラムマガジンを取り出し交換すると、短機関銃サブマシンガンをその一機に突き付けたまま、敵機に刺さった大太刀を回収。

 さて、最後の仕上げにこいつも殺そうか。と思っていた所に、上空が翳る。

 何か来る! 直感的にその場を飛び退いたオレが今居た場所に、月光丸の1.5倍はあろうかと言う、黒いラビットが二機、地上へと降り立ったのだった。

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