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お迎え

今回は、結構盛りだくさんな内容です。


(; ・`ω・´)!?

俺はカレンのクラン、『ワールドフラグメント』のホームに居るんだけど。カレンさんや、ログアウトさせてくれ。あと、周りはお祭り騒ぎ状態である。


「隼人くん、お願い事が有るんだぁー。」


カレンの言葉に、思わず身構える。カレンのお願いとは、過去の記憶からして良い思い出は無いし。


「…………なっ、何だ?」


「うん、このクランの制服?みたいなの有るんだけど、一度で良いから着てみてくれない?」


うーん、それは嫌だな。それを着てしまったら、このクランに入ると思われそうだし、大地を裏切ってるようでなんか心辛い。どうすれば………。


「…………。」


「これさ、隼人くんが帰って来たら着てもらいたくて君専用なんだよ。ごめんね、着れないよね。」


カレンは、悲しげに笑い制服をなおそうとする。


こいつは、昔から変わらないなぁ。真っ直ぐで、嘘が下手くそでトラブルメーカーだ。けれど、良く人を見ていて優し過ぎるゆえに自分を傷つけている。


俺は小さく息をつき、静かに立ち上がりカレンから制服を受け取る。カレンは、驚きこちらを見る。


「今の俺は、無所属だ。ここに居れば、俺を理由に大きなクランから要らん争いに巻き込まれる。だから、大地たちが来るまでならこの服を着ても良い。大地が来たら、脱ぐけどごめんな。」


「そっ、それって………ありがとう。」


カレンは、嬉しそうに笑う。全く、手のかかる。


「それじゃあ、お着替えしないとね☆」


すると、クランの女メンバー数人が来る。


「まっ、待て!?自分で着替えるから……」


俺を引きずる、女メンバー達。


「隼人さん、諦めてください。」


「いや、その前に装備変更でやれば早いだろ!?」


最後の足掻きで、全力で逃げようとする。


「チッ、バレましたか。でも、諦めてください。」


この女、舌打ちしやがった!?取り繕っても、もう遅いと思うぞ猫かぶり!!


「このままだと、恥ずかしすぎて死ぬ!!」


女性に、アバターとは言え脱がされる訳には……


俺は、ハッとして少し考えて笑う。そして、服を持った女に声をかける。そして油断した隙に、素早く服を奪い全力でトイレに入り装備変更をする。よっし、貞操の危機を回避したぜ。やったー!




さて、俺の仕事なのだが初心者のサポーター。


「隼人さん、今日はありがとうございました。」


「別に、仕事だからな。でも、今日までだけど。」


明日で、ちょうど一週間になる。俺は、窓の外を見てため息を押し殺す。さて、迎えに来てくれるのだろうか?少し、不安な気持ちなんだけど。


「えーっ、先生の解説とか凄く詳しくて面白いのにぃ。もったいない!?辞めちゃうの?」


「そっ、そのだな。先生ってのやめろ。」


ため息をついて、少し恥ずかしげに階段を降りる。



まったく、明日が学校じゃなくてよかった。



転移石(現)を、ポケットから出して呟く。


「ログアウト……。」




そして、ついにこの日が来た。俺は装備を、いつもの標準装備に戻しカレンの後ろに立つ。


「よぉ、お待たせ相棒!迎えに来たぜぇー!」


「なるほど、本当に皆で来たのね。残念だなぁ。」


大地は、俺を見てニカッと笑い手を振っている。それを見て、少し残念そうだけど嬉しそうに笑うカレン。俺は、今はどんな表情をしているのだろうか?


「ん?相棒、もしかして驚いてる?」


まぁ、全員で来るとは思わなかった。あれだけ、警戒されていたし疑われていたから。


「それで、どうやって納得させたんだ?」


あえて、大地の質問はスルーする。


「おう、お前のリアルの性格を一時間演説した。」


「は?」


「ん?」


「スキル、抜き打ち……」


剣士のスキルで、抜き様に一撃いれるいわば抜刀術


「どわっ!?何するんだよ!」


「マジで、話したのか?」


「うっ、嘘!冗談だよ!とりあえず、剣をおさめろよ。おっ、おっかねー奴だぜ。幼なじみだって、ちゃんと話したよ。そんで、信頼できる奴だって。」


俺は、剣を納めてため息つく。


「なるほど。でっ、凛さんはそれで良いんですか?副リーダーでしたよね。嫌なら、ハッキリと……」


「いいえ、よろしくお願いしますね。それと、敬語は駄目ですよ。私の場合、元からなので。」


「それにしてもお前さ、ワールドフラグメントの元リーダーだったんだな。よろしくな。」


やっぱり、周りにはばれたか。引き抜きとか、ヤバいんだろうな。強くて、信頼できる後ろ楯が欲しい所だけど。とりあえず、言うだけ言ってみるか。


「カレン、同盟を白銀の刃と組まないか?」


たぶん、断られる。俺が、ジョブマスターだと言えば同盟を取るだろうけどな。この情報は、出来れば話したくない。となると、諦めるしかないかな。


「それは、うちのクランに甘い話?確か、白銀の刃は中規模の少数精鋭クランよね。うちとしては、酸っぱいだけなんだけど。リーダーとして言えば。」


「そうだな、言ってみただけだ。」


俺は、少し苦笑すると頷いて歩き出す。


「隼人くん、貴方の性格からして下手な賭けはしないのは分かるわ。と言うことは、隼人くんは私を納得させられる手札を持っている。けど、出し渋ってもいる。どうして出さないのかしら?」


「もちろん、秘密だ。」


止まって、振り向き悪戯な笑みを浮かべて言う。


「むぅ、何か凄く気になる。」


「どうせ、いずれは手札を切る事になるんだ。」


「私に、それまで待てと?」


「そう言うこと。」


そう言うと、歩き出しつつ言う。


「それなら、価値あるうちに手札を切ればいーじゃん。隼人くんの、意地悪ぅー!」


「確かに、もったいないですね。」


「いや、リーダーの許可なく交渉は不味い。悪かったな。ただ俺が入る事で、起こるトラブルを軽くしたいから強い後ろ楯が欲しかっただけだよ。」


大地は、真剣に俺を見ている。


「大丈夫、お前には話すから。」


「わかった。」


大地は、優しく笑い頷いて指示を出す。


「そんじゃ、帰りますか。撤退!」

次回:大地に秘密をうちあける



隼人:そう言えば、大地って秘密とかあるの?


大地:ん?うーん、あったかな?


作者:有るじゃん!たとえば、小学5年の…ぐふっ


大地:作者さん、体調が悪いのか?(※黒い笑み)


隼人:おわっ、作者さん大丈夫か?

    (※大地の黒い笑みに気付いてない。)

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