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試合と作戦と合流

大地の視点から、書いておりまふ。

(;`・ω・)ノ

さて、なかなか相棒が来る気配はない。大地は、ため息をついて座る。うーん、どうするかな。


「大地さん、クラン『ライ』が開戦宣言をしたよ。場所は始まりの街、公共スペースエリアのバトルフィールド予定。どうする?」


「……いつも通り、応戦するしかないだろ?」


白銀の刃は、少数精鋭の中規模クランで総数23人。ランクでは、中くらいに位置する。そして、よりにもよってリーダーがこの俺である。


今回、宣戦布告してきたのは『ライ』ランキング85位の中規模クランで総数46人である。守護騎士ガーディアンが、メインの防御重視型のクランだ。だから、攻める際は鉄壁の防御を崩す必要がある。


だけど、俺のクランは魔法職が多い。つまり、相性か悪すぎる。守護騎士ガーディアンに、遠距離攻撃は無意味だとは言わないが効果は薄い。


後の2つは、クラン『禁忌の果実』とクラン『エデン』の2つだけど。うわぁーーもうっ!


禁忌の果実は、ランキング53位のクランで総数52人の中規模クラン。回復職ヒーラーが多く、回復重視型のクランだ。攻撃しても、すぐに回復するので詠唱と発動に時間のかかる魔法職は不向き。


そして、エデン。ランクベスト5位で総数1508万人の超大型クラン。攻撃職や魔法職ともに、豊富に揃っており回復職も素晴らしい人数。援護や支援職など、聞くにもおよばず多い。


つまり、負ける未来しか見えない。


唇を噛み、作戦をねり頭の中でシミュレーションしては駄目だと頭を抱える。無理ゲーだぜ。


『ジョブマスターが、ログインしました!』


アナウンスが、聞こえて顔をあげる。ジョブマスターが、仲間に入ったら行けるんじゃないか?だが、すぐにため息をついて机に視線を向ける。


今からでは、探す時間もない。それに、もうとっくに他のクランに勧誘されているだろう。


「まったく、誰かジョブマスターを連れて来ないかなぁ。そしたら、勝てるのになあー。まったく、せめて攻撃職のスカウトくらいすれば良かった。何か、凄いごめんな。」


「何言ってるんですか。大丈夫、負けてもまた最初から始めれば良いじゃないですか。まぁ、やるなら勝つ気で戦いますけどね。そうでしょ?みんな?」


皆も、笑って頷いている。


本当に、お前ら最高の仲間だよ。後は、隼人さえ来ればあいつも少しは笑うようになるかな。


学校では、どこか素っ気なくて人付き合いが嫌いな所のある友人。でも、話してみれば凄く面白い奴で天然である。はやく、仲間に紹介したいな。


さて、ライとの試合の前に隼人にいい作戦がないかリアルで聞こう。いったん、俺達はログアウト。




プルルルッ♪プルルルッ♪


『はい、もしもし。どうしたんだ、大地。』


あいつの、暢気で優しい声がする。


「あのさ、守護騎士軍団を魔法職で倒す方法があるか知ってるか?今さ、すげー困ってるんだけど。」


『へぇ、なるほど。大地は、MP半減スキルを知ってるか?使用時に、普段つかう魔法の半分のMPで魔法を使えるスキルだ。魔法職は、大抵持ってる。』


確かに、知ってるけど。あれって、使い所が限られるからあまり使わないんだよな。


「MPを節約したい、長期戦闘によく使われる??」


『それは、本来の使い方じゃないぞ。もともと、物理攻撃が出来ない魔法職が物理的に相手を倒す為に作られたスキルだ。氷や岩は、個体であり実体を持つ。魔力を半減すれば、十分遠距離から物理攻撃できるだろ?今の使い方は、発想の転換から生まれたものらしい。相手は、守護騎士なんだろ?』


「おう。それで、MP半減スキルでどうすれば?」


すると、隼人は暢気にこう説明する。


魔法職が、先制攻撃でMP半減スキルを使って攻撃。上手くいけば、盾が壊れたり抜けなくなったりするかもしれない。その後、攻撃職が突撃。盾の無い、ガーディアンは刀の無い侍と同じくらい弱く脆い。


同時に、混乱や動揺を誘うので隙も出来る。


さすが、俺の相棒であり相談相手。


『お前の方が、俺より詳しいだろうが。』


「いいや、隼人の方が詳しい。ありがとう、これで勝てるぜ!それにしても、いきなり電話ごめんな。もしかして、忙しかったか?」


『いいや、さっきまでログインして街をブラブラしてた。街並みが、複雑すぎて地図マップで見ても目が回りそうだ。方向音痴だから、街を冒険しながら道を覚えようと思ってた。』


「そっか、じゃあ街で会うかもな。またな!」


『あぁ、またな。』


電話を切り、さっそくログインする。




「大地さん、何か機嫌が良いですね。」


「おう、勝てる作戦を俺の相棒が教えてくれた。」


すると、皆が驚いて嬉しそうに笑う。


「それでは、『ライ』VS『白銀の刃』の集団戦闘試合を行う。双方構え!試合開始!」


敵の守護騎士達は、盾を地面に刺して防御の構え。


味方の魔法職達は、杖を構えて魔法攻撃の構え。


「魔法職、氷と岩を放て!」


放たれた、氷と岩が盾に当たり盾を傷付け破壊していく。魔法を弾く、特別な盾を用意したのにだ。敵は、勿論だが混乱と動揺で作戦から脱線する。


「攻撃職、斬り込むぞ!進め!」


走り出す、攻撃職のメンバー達。


盾を失った、守護騎士は弱い。何故ならば、盾がある前提で戦ってきたからだ。自分を守るものが、無い以上は大人しく刃をくらうしかないのだ。


圧倒的な、大勝利!


「皆、ありがとう!お疲れ様!」


すると、歩いて近づく気配に振り向く。


「おめでとう、大地。」


「相棒!?」


それを聞いて、メンバーは隼人を見る。


「さて、フレンド登録して良いか?」


「勿論、大歓迎だぜ!」


2人は、握手をすると声を会わせて言う。


「「フレンド!」」


すると、フレンド登録しますか?っと表示される。迷わず、yesを押す大地に隼人は苦笑する。


「少しは、躊躇えよ。」


「何で?あっ、勧誘を送ったぞ。」


隼人は、勧誘を確かめると頷く。


「冒険者登録を、したらクランに入るよ。」


「了解了解!」


すると、メンバーが来る。


「あんたが、大地さんの相棒?不釣り合いじゃねぇか?何か、すげー弱そうだしクランに本当に入れんのかよ。足を引っ張られるのはごめんだぜ。」


「こら!すみません、このお馬鹿が。」


隼人は、一瞬だけ怒りをちらつかせる。さすが、少数精鋭だけはあって動揺だけでおさまる。


「大地、俺をスカウトするならメンバーと相談してからにしろ。本当に、不愉快だ。帰る。」


「おっ、本当の事を言われて怒った?」


空気の読めない、馬鹿一人。


「おい、やめとけ岩太。隼人が、怒りを我慢しているうちにな。じゃないと、斬られて強制ログアウトされるぞ。あと、隼人はお前よりも俺よりも強いぞ。マジックアイテムか、何かで隠してるっぽいけどな。格上に、喧嘩を売るな面倒くさい。」


「大地には、やっぱり分かるのか?」


少し驚いて、思わず聞いてしまう隼人を見て笑う。


「だって、レベル46の俺の戦闘を見て冷静だし。」


ここでは、レベルを1レベルあげるのにもかなり苦労する。たった、1レベルで勝敗が決まる事も珍しくはない。隼人は、メンバーを見ても冷静だった。


つまり、俺達より強い可能性が高い。


「正解、レベル50だ。」


周りが、凄くざわめく。俺は、めっちゃテンションが上がってしまう。ヒャッホーイ!!!!


「皆、異論は無いよな!勧誘しようぜ!」


「私も、賛成です。それに、大地さんの友達ですし変な事はしないでしょう?」


俺は、思わずムッとしてサブリーダーの凛を見る。


「何て言うか、濃いメンバーばかりだな。」


隼人は、ケラケラと笑う。凛は、毒気を抜かれたのかため息を吐き出す。そして、小さく謝罪する。


隼人は、手を振って気にするなと言う。沈黙。


「ここは、俺の居場所じゃない気がする。」


暢気に笑って、人混みに紛れて去っていった隼人。


「おい、隼人!?」


大地も、隼人を追いかけて行ってしまった。


「少し、いじめ過ぎましたね。もしかしたら、私達は敵にしてはいけない相手と仲間になれそうだったのでは?だとしたら、かなりまずいですね。」


仲間達は、頷いてため息を吐き出した。

次回:ハロウィン!


隼人:作者さん、トリック オア トリート!


大地:お菓子くれないと悪戯しちゃうぞ!


作者:あんたら、何やってんの?


二人:ハロウィンらしいなにか。


作者:仕方ない、飴ちゃんあげる。


二人:わーい、ありがとう。(※棒読み。)

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