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彼は狂わない  作者: 立風
4/6

3&4

「遅過ぎる!てめぇはノロマな雨雲か!」

どんな例えだよ、なかなかの感性してるなこの人。

「あんたがわざわざ首なんかはねたりするからだろ!!血溜まりで汚れないようにしてんの!」

「2分たったぞ、ふん。カップラーメンが食えるぜ。」

「あんたは3分も待つこと出来ねーのか!!

麺かっちかちだろうがあ!」

急いでるせいでイライラするがとりあえず落ち着こう。

「終わった。」

「ちょっくらトイレ行くわー。」

おい!準備してる時に行っとけよ。


ガンッ!バキッ!


随分トイレで荒れてるな……生理か?

「動くな!手を挙げてこちらを向け!」

どこかで聞き覚えのあるセリフだな。

のんきに振り替えると警察がいた。

あ、やべっ。

「これは……お前!こいつらを殺したのか!」

まあ、首がない家族と血だらけで一緒の部屋に居れば勿論僕が犯人だろう。

まさか一日に同一犯が起こした二つの殺害で両方冤罪をかけられるとは……。

これは後で謝罪を要求しなくちゃいかんな。

「おい!聞いているのかぁ!おとなしく机に手をつき、持っている鞄を捨てるんだ!」

仕方ない、とりあえず従うか。


この男には焦りというのがないのか?

この男には感情がないのか?

この男は人間なのか?

この男には……

まとめて回答すると、

この男はまともじゃない。


僕は鞄を血が少ない所に落とし、机に手をつける。

「よ、よし!そのままおとなしくしているんだぞ!……ガガガ…えーこちら、逃亡者を発見し」

僕は机に転がってた父の首を掴み警官に投げつける、と同時にシンクにある包丁を持ち警官を刺しにかかる。

「う、うわぁ!く、くそ!おとなしくしろ!」

避けられた。警棒を取り出し僕と対峙する。

まともに戦闘経験のない僕が果たして警官に勝てるのか……?

おそらく勝てずに捕まってしまう。

どうする?冷泉さえ帰ってこれば……

つーかどんだけトイレなげぇんだよまさか腹でも下したか??こんな時に使えない奴だ!


とりあえず距離を取る。

約4メートル、この包丁の射程距離は約1メートル。後ろを取って頸椎(けいつい)にぶっ刺すか。

いや……でも……

考えがまとまらない。どうやら水分が足りてないようだ。

とりあえず突っ込んでみることにした。

「ぅぁぁああ!」

この警官叫んでばっかりだな。

だが避けられた!手に鈍い痛みが走る。

警棒で包丁を叩き落とされた。

「はぁ、はぁ、もう観念しろ!」

警棒が振り上げられた。

このままじゃヤバイ。


仕方ないから僕はもうひとつ(・・・・・)の包丁を持ち、警官の目に刺し込んだ。

「あぎゃぁぁあ!うあぁぁぁぁ!!」

そのまま僕は強く握り直して脳に押し込む。

血が溢れ出てくる。

と、おもいっきり足で蹴られて吹っ飛ばされる。

「きぃ、貴様ぁぁ!」

まだ生きてんのかよ…ヤバイもう武器がない。

「万事急須か……」

ぼそりと呟く。



「万事休す な、どんだけ喉渇いてるんだよ。」

と横から声が入った。遅ぇんだよ。

「発音一緒じゃないですか。」

「字が違うんだよボケ。何一人で楽しそうな事してんだよ。私も混ぜろや。」

勿論そのつもりだ。


横を見るともう冷泉さんはいなかった。

冷泉さんは空を飛んでた。


正確にはジャンプしたのだがなんて跳躍力だ。化物かよ。

天井に手を当て強く押し、勢いをつけて警官に飛び掛かる。

因みに冷泉さんは底の厚いブーツを履いていたのだがそれで踵落としをしていた。

勿論そんなのに耐えられる人間がいるはずがなく、警官の首から高い音がなった。


警官は崩れ落ちて辺りが余計に血が飛び散った。

全く家から出るのになんて苦労をするのか。

「よーし、車を正面に持っていくから待っててくれ。」

そう言うと冷泉さんは出ていった。


とりあえずお茶飲むか……。


「おい、お前」

以外と早かったn……

「っっー!?ぐはぁっ!」

おもいっきし殴られて転がった。とりあえず体勢を立て直す。

「……お前、これやったのか?」

似たような質問をついさっき聞いたな。

「……………まあいい、こんな現場に顔色一つも変えずに立っている時点で危ない奴だろう。」


チャカ


拳銃を取り出した。っておいおい、町中の住宅街でぶっぱなす気かよ。

この町も物騒になったもんだな。

つーかこいつ本当に警察か??


「抵抗するなら撃つぞ。」

今にも撃ちそうなんだけど。これヤバクネ?

今日一日頭に?が浮かびまくってるんだけど


途端、衝撃が家に伝わってきた。

砂煙と衝撃波で危うく死にかけるとこだぜ…

何があったか………車が家に突っ込んで来た。

「おーい、大丈夫かぁー?わりぃわりぃ。」

下手すりゃ殺されてたな…この人に。

因みに警官はぐちゃぐちゃになっていた。

まあ、ならない方が不思議か。助かった。

足元に警官らしき布をまとった足が落ちている、なんてホラーだ。日常生活でこんなの見たことねーよ………


「おい 何のんびりしてる、行くぞ小僧。ついてこい。」

「……この車は使わないのか?」

「家を突き破った車なんぞ使い物にならんよ。車内にガラスが飛び散りまくってらぁ。」

じゃあ、何の為にこの車で突っ込んで来たんだ……いや、まあ助けられたけどね。


「因みにこの車は道に捨ててあった奴だ。」

「いやそれ、捨ててあったんじゃねーよ!

道に止めてあるだけだろ!泥棒かよ!」

いくつ犯罪を重ねる気だこいつ。

「奴はとんでもない物を盗んで行きました…

それはあなたの車です。」

「まじで、とんでもねぇじゃんんんん!」

この人といるとなんだか疲れる。


とまあ、そこから離れた所に止めて(捨てて)あった黒いワゴン車に乗って僕はこの平凡な世界を後にしたのであった。


そして時間は先程に戻る。

拉致られたと言うよりかは任意で行動を共にしている感じなのか……?

とにもかくにも僕はこの人について行かざるをえない状況だ。

世間的には連続殺人を起こしてるわけだしな。


「これからどこに向かうんですか?まさか海外なんて言わないでしょうね。」

「んー、日本の中心かな。」

「まさか!!?なんで東京に??」

わざわざ見つかりにいくようなものだ!

「へー、お前は日本の中心東京だと思ってるのね。」

んんん???

「私に取っての中心は四国だ。あそこが私の中心。」

日本の中心って言っただろうが!

私の中心になってるじゃねーかよ!!!

「へ、へー、そうなんですか。」

「そーなのだー。」

こいつ何も考えてねーな……


とりあえず僕はこれから四国に匿って貰うらしい。


車で移動中に色々な話を聞かされたが覚えていない。思えば今日寝ていないのか。

いかん、眠たくなってきた。


「寝てもいいんだぜ、眠たきゃ寝ろ。」

そうさせてもらおう。

これから何があるか分からないからな。


こうして僕はようやく眠りにつく事が出来たのであった。

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