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彼は狂わない  作者: 立風
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さて…どうするか…。

今の状況は決してよくない、むしろまずい。

そもそも逃げている時点で自分が犯人だと語ってるようなものだ。

とりあえず遠くに行くか。何も考えてないがなんとかなるだろう。

その前にどうにかして家に帰り、必要な物を持って行くとするかな。



とりあえず家には着いた…が静か過ぎる。

普段なら喧嘩してるはずなのに、まだ寝ているのか?それなら嬉しいんたがな。

「つっ……!?」

ドアが壊されてる!?何故だ!

まさか両親が暴れてこうなったのか!?

それで今は落ち着いた感じ…なのか?

でもこれは外側からダメージが入ってる。

どういうことだ??


中に入ってみたがドア以外に壊されたものは見当たらない。

喉が渇いた、水飲もう。

水も逃げるときに必要だな、なんて考えていたがそんな考えはすぐに消えた。

リビングには家族全員がいた。因みに僕は3人兄弟の長男で次男、三男が共に中学生だ。


その兄弟もいた。全員揃っていた。

ただし、首から上はなかったが。

成る程首がないのも揃っているのか。

「よぉ!縁があったな。」

机に土足で立っている奴がいた。礼儀がなってないなこいつ。今朝の殺し屋で殺人鬼がニヤニヤしながらテレビを見ていた。

「いやー、上に見られた事を話すとだな、始末してこいとか言いやがってよぅ。仕方ねーからお前に会いに来たってことよ。」

縁があったんじゃなく、会いに来たのかよ。


まて、どうして家の場所がバレた?

僕の顔の様子を見て彼女は答える。

「お前の携帯でちょっと調べたのさ。」

あっ、そういやないな……気付かなかった。

「地面転がった時に落としたぜ。」

「それはどうもご親切にありがとうございます。」

「…お前、家族が惨殺されてるってのに騒がないんだな。首とか足元に転がってるのに普通に会話を続けるとはなぁ。ぶっ飛んでやがるぜ。」


人の家族を惨殺しておきながらぶっ飛んでるとは言われたくない。

「それで?僕も一緒に殺すんですか?」

「ちょ、うるさい。静かにしろ。」

テレビを今すぐ切って欲しいが逆上されても困る。とりあえず黙っておこう。

「で?どうして欲しい?」

「とりあえず警察に僕が犯人だと思われてるので誤解を解いてほしいです。」

「そりゃ無理だ。誤解つーのはな既に解が出てるんだよ。何を言ったってもう無駄さ。」

どこかで聞いたことあるセリフだ。

「じゃあ、もういいです。殺してください。」

「そんなに殺して欲しいのか?さっきの手の傷が痛くて死にたくなったのか?笑える。」

死にたくなる状況に追い込んでおいて笑えるはないだろうに。このやろう笑ってやがる。

「やるなら早くしてくれ。」

「……死ぬならどんなやり方がいい?」


死ねば同じだと思うが。

「楽なやつがいいな。」

「はいはい。」

「やるなら早くしてくれってさっきから言って……

「だが断る!」

「!?」

「この冷泉が好きなことの一つは弱いやつに敗けを認めさせないことだ!!」

「ダニィ!?」


明らかにパクリだろその台詞は。

ちょっとアレンジしてんじゃねーよ。

つーか名前冷泉なのか。言っちゃっていいのか?

「悪いが私にお前を殺す気などない。お前を連れ出す為ににここに来たのだ。」

「連れに……?どういうことだ??」

「お前がいるべきはそっちの平凡な世界ではない。こっちの無秩序な世界にお前を連れ戻すってことだ。」

「連れ戻す?僕は元々こちらだが。」

「荒れてた時のお前に戻すのだ。」

「小学生じゃねぇか!何覚えてんだよ!」

「かかっ、まあそんなのは建前だ。お前が気に入った。だからこっちの世界へ来い。」

「嘘だろそれこそ笑えるぜ。」

「断る理由はないだろう。お前はもう追われる身になったのだから。」


まあこっちの世界は飽きたしな…

悪くはない話…か。

「あくまでこれはお前の事だ。決定権は私にある。」

「あぁ…….。おいまて、僕にはないのか!?」

「『あまり多くを求めないことだ。とくに他人に対しては。』これはレオC ローステンの言葉だ。」

くそっ、ちょっとかっこいいじゃねーか!

「分かったよ。憑いていくよ。」

「字が違うぞ。私に怨みでもあるのか。」

何故ないと思えるんだ……一応家族殺されてんだぞ。

「ふんっ、まあいい。行くぞ。」

やれやれだぜ。全く、楽しくなってきやがった。

「家の裏に車が止めてある。それに乗って逃げる算段だ。」

用意いいな、まあ当然か。

「必要な物を持ってこい。時間はないと思え。」




こうして僕の人生は終わった。あるいは始まった。


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